感想亭備忘録

感想亭備忘録

ドラマ、映画、小説について感想、解説、批評など。
願わくばたくさんの面白いコンテンツに出会えますように。

 

同じ一日を繰り返す、タイムループに囚われた女子高生のお話。

主人公はヘドが出るような最悪な陽キャ、パリピグループの一員。スクールカーストのテッペンにいることだけがアイデンティティーという薄っぺらい思春期こじらせ女。

その主人公が何故か、同じ一日を繰り返すタイムループにハマってしまい、そこから抜け出すために試行錯誤する中で大切なものは何かに気づいていくというストーリー。

「ハッピー・デス・デイ」に似てるシチュエーションですが、あちらはかなりコメディに振り切っていて、こっちはもっとシリアスというか叙情的に描かれています。

ラストシーンで「あぁ、そういうことだったのかぁ・・・あ、じゃあ冒頭のモノローグもそういう意味だったかぁ」と気付かされました。この映画結構好きです。タイムループ物は結構好みなのかも。

 

それはそうとアメリカの高校生活って陽キャじゃないと結構地獄のような・・・恐ろしい(笑)

 

「どんでん返し」「意外な結末」と紹介されることの多いこの作品。

確かにそれはそうなんですが、個人的には「驚き」よりは「悲しさ」「寂しさ」「虚しさ」を強く感じました。

悲しい復讐の物語、そう言える気がします。

欲を言えば9人の翻訳家それぞれが抱えるものをもっと丁寧に深堀りしてくれれば、(それがうまく行けば、ですが)もっと心に刺さる作品になったのに、と少しだけ残念です。

ただし1時間45分という短めの尺に、ギュッと詰め込んだこの作り方も充分以上に楽しめるエンターテインメントに仕上がっていると思います。

ガル・ガドットさんが常軌を逸してきれいです。

そしてミッションインポッシブルです。一応中盤でどんでん返し・・・というほどでもないどんでん返しがありますが、それも含めて予定調和かも。スパイ組織のお話にしては色々ガバガバでツッコミどころもありまくるのですが、スパイアクションとして十分楽しめる作品でした。

クリス・ヘムズワースのタイラーレイクシリーズ2作。

スニーキングミッションからガンアクション、格闘にカーチェイスとアクション映画のフルコースでどれも充分にハイレベル。

2では親子、家族の絆的な部分もちょっとあって、ちょい泣かせます。深い映画ではないですが、エンターテインメントとしては一流。満足です。

 

テーブルトークRPGの元祖とも言えるD&Dをもとに作られた映画です。

テーブルトークRPGとは、プレイヤーと進行役とで遊ぶアナログなロールプレイングゲームで、ドラクエやFFでプログラムが担当する部分を全て進行役(マスターやキーパーと呼ばれます。)が担います。

普通のコンピューターRPGとの違いは、人間同士がやり取りして物語を紡いでいくという部分で、だからこそ自由であり(ルールに則っていれば)なんでも出来る(なんでも成功するわけではないですが)のです。

必然的に力押しよりもアイデア、ひらめき、悪巧みなどで機転を利かせて口八丁で危機を乗り越えていくことも多くなります。

 

で、この映画は実にそのテーブルトークRPGの雰囲気を再現しています。ポスターを見てもらえればわかるのですが、主人公は武器ではなく楽器(リュート)だけを持っています。

戦って相手を倒して進む、というよりはその場しのぎも含めたアイデア、作戦、でまかせ(笑)でピンチを凌ぎ目的を達成しようとするのです。まあ、ちょっと胡散臭いといいますか、ヒーローと言うよりもペテン師っぽいですけど(笑)

 

なんだかテーブルトークRPGのリプレイを映像化したかのような面白さがあって、経験者であればより楽しめるのではないかと思います。

 

昔はこのD&Dだけじゃなく、SFを題材にした「トラベラー」、ホラーを題材にした「クトゥルフの呼び声」なんかの海外製TRPGを筆頭に、国産ではロードス島戦記の世界を再現する「ソードワールド」や、アニメ的演出に長けた「ダブルクロス」などなどたくさんあったんですが、今もよく目にするのはクトゥルフぐらいかな。ちょっと寂しいですね。