「義母と娘のブルース」最終回感想 | 感想亭備忘録

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最後までとても面白いドラマでした。

前回でラブストーリーになったのかと思いきや、そうではなく家族の物語として締めくくったのには驚かされました。

先週サムズ・アップして満面の笑みだったはずの店長(佐藤健)が最終回が始まった瞬間、親指を下に向け渋面になる展開は完全に予想外でした。

 

ですが、ただの失恋のエピソードで終わらせないのがまた凄い。店長の求愛を断る理由が良一(竹野内豊)への気持ちの再確認になり、そこからホームドラマに戻っていく絶妙な展開。素晴らしいです。

 

みゆき(上白石萌歌)が受験で取った行動にはすこし「ん?」と思わないでもないですが、それも若気の至り、思い込んだら一直線のみゆきらしいとも言えます。

 

良一と亜希子(綾瀬はるか)がレストランで二人の出会いを語り合ったシーンは感動的でしたが、この最終回の亜希子とみゆきの対話も本当に素晴らしかったと思います。お互いがお互いを無二の存在として大事に思っている、その心情がこちらに伝わってきました。

 

このドラマ、始まった頃は亜希子のおかしなキャラクターだけで引っ張るギャグ・コメディなのかと思っていました。こんなに泣かされる、ジーンとくる物語になるとは本当に予想外でした。とても楽しく、面白く、そして胸の熱くなる物語を作ってくれた原作者、脚本家、演出家、演者、そのほかの様々なスタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

あ、なんだかんだ言って、この物語の中で一番驚異的な成長を見せたのは店長ですよね。どうにもならないダメ男が、いっぱしの男前に大成長してますし。素直だけどどこかおかしなこの店長役で佐藤健さんの新しい一面が見れた気がして、それもとても楽しく嬉しく思いました。

 

綾瀬はるかさん、竹野内豊さん、上白石萌歌さん、佐藤健さん、全員が何か新しい一面を見せてくれたドラマだったように思います。彼らの次回出演作にも期待大です。