アメリカ中学校で会った落ちこぼれ天才くん | 小5から中3までアメリカ帰国子女のブログ

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南カリフォルニアに4年間滞在しました。
「子供目線のアメリカ生活」
毎日のちょっとしたひとコマ、学校の様子、
子供は海外に行くことに対してどんな思いなのか、など
辛いことも今となっては笑える感じで、ご紹介します。

高校時代の話の前に、眠っていた記事を公開します。

(直訳:時間稼ぎをするのでもう少々お待ちくださいm(_ _;)m)

 

 

先日NHKのクローズアップ現代で「知られざる天才 “ギフテッド”の素顔」という番組を見ました。

私がアメリカにいた当時は「Gifted」という存在を知りませんでしたが、「こいつは天才タイプ」と思わせられた子がいました。今日はその子の話をします。

 

彼の名前はアリック。

ミドルスクールの同級生で、7thのScienceと8thのLanguage Art, Social Studiesが一緒でした。

 

赤毛でメガネ、白くて細い、口数も少なく声も小さい、パッとしないタイプでした。

 

7thのScienceは4人掛けのテーブル席で、私はアリックと同じテーブルでした。

先生が毎日宿題をチェックしに来るのですが、アリックのノートは常に真っ白。

 

アリックは宿題をやってきたためしがなかったのです。

当然成績は悪くて、いつもノートにDと書かれていました。

 

私は最初、アリックを見ながら

「こいつ、落ちこぼれタイプか。進級できるのかな」と思っていました。

 

そのころの私はガリ勉タイプで、クラブ活動もせずせっせと勉強してたので成績だけはよかったのです。

宿題もつねにA+、クラスでは目立たない方でしたがコツコツ頑張っていました。

 

 

だからびっくりしたんです。

 

 

アリックのテストの点数が、私より良いことを知ったときポーン

 

 

あのアリックが頭いい理由が不思議すぎて、以降2年かけて私はアリックを観察しましたニヤニヤコワ

 

 

 

ここがすごいよアリック①
どうやって覚えているのかわからないけど凄い記憶力

 

アリックはもしかしたら家で猛勉強しているのかもしれませんが、あの真っ白なノートを見る限り家では勉強してなさそうです。

 

なのにテストはほぼ満点なんです。

Scienceだけではなく、他のクラスでもテストの点は良いのです。

 

これは私の想像ですが、アリックは授業で教科書を見るだけで全部覚えている....?

しかも覚えようとして覚えるのではなく、ただ目を通しただけで覚えられちゃう....??

 

ガリ勉は毎日睡眠時間を削って暗記しているので、うらやましい限りの能力です。

 

ここがすごいよアリック②
数学の時間はバスでハイスクールへ

 

ミドルの数学のクラスは3つのレベルに分かれています。

Intro to Algebra(代数入門クラス)

Pre Algebra(代数準備クラス)

Algebra(代数クラス)

 

私は7thがPre Algebra、8thがAlgebra。

平均的アジア人コースでした。

 

アリックはどのクラスかというと、、、

 

皆が何かしらのAlgebraをやっている間に、

スクールバスに乗ってハイスクールのGeometry(幾何学)を受けに行っていたのです!!ガーン

 

最初落ちこぼれかと思っていたアリックは、どうやらただものじゃない滝汗

だんだんとわかってきました。

 

 

ここがすごいよアリック③
才能が爆発したパラパラ漫画

 

いつものようにScienceのテーブル席に座っていた時のエピソードです。

 

アリックが正方形のポストイットの束に何かを書き、もう1人の男子に見せていました。

もう1人の男の子はポストイットをパラパラめくって何やら盛り上がっております。

 

 

気になる気になる......えー

 

いつもは話しかけたりしないのですが、どうしても気になったので、boys2人に向かって"Can I see it?"と聞きました。

 

アリックが手渡してくれた1インチほどの厚さのポストイットの束を見せてくれました。

 

めくって仰天。

 

パラパラ漫画が描かれていたのですが、

ただのパラパラ漫画じゃないんです。

 

人と戦車が戦う場面で、それぞれが打った弾が跳ね返り、弾が画面からフレームアウトし、戦い続ける場所にまた弾が戻ってきて...なんというか、ポストイットの枠を超えて人と戦車が殺し合っているのです。

 

上手い、とかじゃなくて

「あんたの頭の中どうなってんの?」という感じ。

 

パラパラしながら目を見開く私チーン

 

アリックはちょっと得意げな顔をしていました。

 

そこへ、ええジョンソン(先生)がやってきました。

授業中でしたが、テーブルのみんなで"Look what Aric got!"とパラパラ漫画を先生にも見せました。

 

先生もパラパラして絶句チーン

"This is amazing....

 

(一通り感心した後に)

 

Homeworks?"

 

天才から落ちこぼれに戻って、首を振るアリック。

 

パラパラ漫画作る時間があるなら宿題しろニヤニヤ

 

 

人と違う能力を伸ばせる環境

 

アリックの凄さが伝わったところで私が注目したいのは、アメリカの教育についてです。

 

宿題をしていないところだけにフォーカスすると、アリックはただの落ちこぼれに見えます。

 

でもアリックは、得意な数学だけハイスクールで受けました。

8th gradeで一緒のクラスになったときは絵の才能を拾ってもらえ、クラスで使う資料のイラストをアリックが担当しました。

 

得意を伸ばしてもらえるアメリカの教育で落ちこぼれを回避したように見えます。

 

もしアリックが日本の学校に通っていたら、どうでしょう?

得意なことだけやらせてもらえますかね?

「みんなで同じができることを目指す教育」の日本なら無理かもしれません。

 

アメリカは「人と違う突出した能力を伸ばして、社会全体で恩恵を受けよう」というスタンスが強いと思います。

アリックのような子はアメリカの教育の方が伸びるのは間違いないです。

 

アリックがギフテッドかどうかは分かりませんが、もしこのブログを読んでいるギフテッドで、日本の教育のせいでどうしよもなく困っている子がいたら、アメリカへの移住、考えてみてもいい気がします。

ここでは無責任なこと言えませんが、私が紹介したアメリカの教育の一部が少しヒントになれば幸いです。

 

ただしアメリカの教育は、伸びる子はどこまでも伸びるのを許される環境ですが、落ちる子はどこまでも落ちていく環境でもあります。

小学校でも落第や退学ありますからね。やはり物事一長一短です。

 

 

 

 

日本ではさかなクンが有名だね。

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