道産子エンジニア

悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する

思い出が本になる

著者であり友人の澤田泰治さんからご恵贈いただきました、ありがとうございます。
先日の旅行で「やらな、やばい」とかいいつつボードゲームで遊んだりしてたが、無事出版されてよかった。

GitHubポケットリファレンス (POCKET REFERENCE)

ある程度知っている人ならざっと2時間くらいで読めそう。GitやGitHubの使い方にとどまらず、

など実用的で細かな周辺ツールの紹介も多く、チーム開発において役立つ情報が満載だ。著者らの博識ぶりが垣間見れる。

GitやGitHubは何度見ても忘れてしまっている機能が多い。GitHubには即座に確認できるmanコマンドがないので、丁寧に解説している本書を代わりに置いておけばいいなと思えた。ポケットリファレンスの良いところだ。とはいえ、GitHubの開発スピードは恐ろしく早いので、執筆最中にも次々と新機能がリリースされていたから、陳腐化は早いのかもしれない。なので、電子本でアプデされ続けるほうが嬉しいなと思った。

バージョン管理がないと「ソフトウェア開発」とは言えない現代では、本書の内容は必修事項なので、学生や初学者にぜひ勧めたい。GitHubの検索機能はページ数からもわかるとおり、とても柔軟で簡潔に使うことができると読めばわかる。膨大なソフトウェアから自分が本当に読みたいコードを探せることも大切なスキルの一つだと思う。

思い出話

KotlinConf2018に向かう飛行機の中でこの文章を書いたのだが、著者らと初対面で飛行機に乗ってアメリカに行ったのもちょうど6年前の10月だった。思い出というほど昔でもないけど。

その頃は学生ハッカソンカンブリア紀みたいなときで、毎週どこかの企業が学生に「優勝すれば海外にいけます!」みたいな文句でハッカソンをしていたのを覚えてる。ハッカソンマスターみたいな人が出てきてからは落ち着いた気もする。サイバーエージェントのインターンで集まったメンバーがアメリカでハッカソンという流れで、それぞれチームを組んで開発に挑んだけど、今のように学生のうちからGitとGitHubを使ってバリバリOSS開発してますみたいな人の方が少なかったと思う。AndroidもまだEclipseで開発してる人がほとんどだったと思う。GitHubでチーム開発みたいな経験がなかった自分は、著者らにGit-flowやらブランチ戦略を教えてもらいつつ開発し、コンフリクトで盛大に死ぬみたいな苦労をしたのを覚えている。このとき苦労したのと、そのあと少しあとに発表された「こわくないgit」という最高にクールなスライドのおかげで完全に理解した。

こわくない Git

本書のところどころに「とにかくfetchしろ」とか書いてあるのは実運用を経験したからこそわかる部分なので、読んだだけではイメージがわかないかもしれないけど、少し使うようになってからまたちゃんと読んでみると学びが多いと思う。全てのコミットから不要なファイルを消したい、特定のコミットを修正・変更したいとかもやってれば一度はぶち当たることがあるだろうし、そんなときに曖昧な記憶でググるより、付箋を貼った本書をそっとデスクの下で開いて「あーそうだそうだ」って使うだけでもいいのではないだろうか。

この頃から使い手だった二人が巡り巡って本を書くことになったので、何かを先駆けて、自分も学びながら人に教えていくということはいつか実を結ぶのだなと読み終わったときに感じた。


最初「澤田泰治・小林貴也『GitHubポケットリファレンス』を読んだ」みたいなタイトルにしようと思ったのだけど、自分のブログをclickbaityにしたくて書いてるわけではなく、友人が本を書いたということについて思うことを書きたかったので変えた。