いったいどれだけのあいだ
僕らは今この瞬間の自分を
ここに置き去りにしてきたんだろう。
いつも耳元で囁いてた。
わたしはここだよ。
でも彼の耳には届かなかった。
やるべきことがあるから
なすべきことがあるから
それまでまではのんびり話してる暇なんかないんだ。
あなたはここから遠のいていく。
それでも彼は話し続けた。
彼女は振り向きもせず遠い未来だけを見ていた。
とうとう彼の声は届かなくなった。
でも彼女(彼)はここで待っている。
あなたがこの瞬間に帰ってくることを。
そしたらもう一度あの頃のように
星空でも眺めながらうんと話をしよう。
いつでもここにいるから
ここに帰ってくるのを
待ってるから
おかえり