色のない部屋で灰色の老人が問う

“君は幸せかい?”

これは夢か
はたまた現か

奇妙な世界に戸惑いながら

私は答える

“人並みにはね”

この世界には
いくつもの不幸の種と
おなじだけの幸福の種が
所狭しと撒き散らされていて

ある人は不幸の芽に目を向け

ある人は幸福の実を見つける

違いはただ その瞳の先 何を見つめるか
それだけ

色のない部屋で 私は君に問う
“君は幸せかい?”