この作品は未読なんだけれども、好きな作家である町田康原作、脚本はクドカン、監督は石井岳龍・・・ってんで、公開を知った日から楽しみにしていた作品。
公開から3週目にしてようやく観に行くことができました。
【あらすじ】
人気作家・町田康のパンク時代小説を宮藤官九郎の脚色、「爆裂都市 BURST CITY」「逆噴射家族」の石井岳龍監督で映画化。“超人的剣客”と豪語する浪人が、とある藩に仕官するためにかましたハッタリが引き起こす大騒動の顛末が、風刺やパロディ満載に奇想天外かつエネルギッシュに描かれていく。主演は「新宿スワン」「日本で一番悪い奴ら」の綾野剛、共演に北川景子、東出昌大、染谷将太、浅野忠信、國村隼、豊川悦司。
自ら“超人的剣客”と豪語する浪人・掛十之進がとある街道に姿を現わすや、いきなり物乞いの老人を斬り捨てる。そして居合わせた黒和藩の藩士に“腹ふり党”なる新興宗教団体の脅威が迫っていると説き、重臣・茶山半郎のもとで仕官への道を開く。ところが“腹ふり党”はすでに解散していることが判明、自らの立場を守るべく“腹ふり党”の元幹部・茶山半郎をたきつけて、藩内で騒動を起こさせようとする十之進だったが…。
(allcinema onlineより)
一言で言うならばハチャメチャな作品でした!
一応、時代劇というスタイルでありながらも、登場人物たちは基本的に当世風の言葉づかい。
キャラクターも、ゆとり世代、正論しか通じない無能で堅物の上司、怪しげな新興宗教、意味も分からずに流行に飛びつく者ども・・・と言った、現代に通ずる人たちばかりが登場する・・・という、もはや時代劇なんだか、時代劇を装った現代劇なのかよく判らぬムード。
そんな奇想天外なストーリーが、ブッ飛んだ映像で綴られるものだから、時折『オレは今、何を観させられているんだ!?』と思う瞬間もあったけれども、とにかくスクリーンから発せられる熱量がハンパなくって、最終的にはすっかり捻じ伏せられてしまったようなイメージ。
浅野忠信さんの怪演は言うまでもなく、主演の綾野剛さんはもちろん、豊川悦司さん、染谷将太さんも、クセのある役柄をまるで当人であるかのように演じていましたし、何よりもそれぞれが非常に楽しそうにのびのびと演じられている様子が感じ取れて、非常に好印象。
はっきり言って観る人を選ぶ作品だとは思いますが、非常に奇妙奇天烈で痛快な作品でした!!
それにしても、ラストのアホとサルとの壮絶な死闘ってのは、痛烈な皮肉だなぁ。自分はどちらにもならぬよう、しっかりとせねばならないなぁ・・・と、強く感じたのでした。
というわけで、原作もチェックしてみようと思います!!
(2018年7月21日 109シネマズ川崎にて鑑賞)