ぼくは落ち着きがない

長嶋有「ぼくは落ち着きがない」

高校の図書部員たちの日常を素朴な筆で綴る。

文化系の青春もの。と言っても、大きな事件が起こるわけでもないし、ドラマティックな展開は何も無い。でもそれこそが青春なんだと思わせる魅力がある。

登場人物の内面に踏み込むことをあえて控えるような淡々とした描写を浅いと感じる人もいるだろうが、そこにかえってリアリティがある。何かを深くえぐることばかりが小説でない。

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