京都の長岡京市会議員の小原明大(おはらあきひろ)です。九小・三中・西乙・神戸大卒。ツイッター・FBもお願いします。
おっはー!



最近ブログはすごい長文のときに限っていて、毎度LGBTの話題になっておりますが、一般質問の杉田問題の部分、報告します。

それに合わせ、表題のようなことをいろいろ質問してみました。LGBTに限定せず「戸籍上のつながりない家族」という尋ねかたをしました。

(クソ長いです、すいません)
(わかりやすくするため、答弁は質問部分に合わせて書きました)





質問の2点目は、多様な性や家族のあり方についてです。

自民党の杉田水脈衆議院議員が雑誌に書いた「LGBT支援の度が過ぎる」という論文について、大きな批判が広がりました。

LGBTについて、「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。」この「生産性」発言に批判が広がりましたが、全文読んだらますますひどい論文です。

性同一性障害は障害だけど、同性愛や両性愛は趣味嗜好である。
思春期に一時的にゆらぎが生じても、みんな普通に結婚していった。
同性愛を認めれば、一過性のゆらぎが固定化されて不幸な人を増やす。

多様性を言いだしたらわけがわからない。
しまいには兄弟結婚、親子結婚、ペットや機械との結婚まで認めろとなる。
「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は秩序がなくなり、いずれ崩壊していくことになりかねない。

などと述べられています。


つまり、国会議員が、同性愛は趣味嗜好であり異常である、社会がそんなものを認めるべきではないと明言しています。

だからこそ、各地に広がった抗議行動では、怒りだけではなく、自分の存在を根底から否定された当事者が涙を流しながら参加する姿がありました。


「子供を作らないから生産性がない、税金を投入する価値がない」という発言については、子どものできないあるいはもうけないカップルや、シングルの人などを否定しているという批判や、そもそも人に「生産性」などという尺度を当てるのは人権の否定だという批判もありました。

相模原事件からちょうど2年という時期だけに、より衝撃が大きかったと思います。


一方この杉田発言に対し、大きな社会的批判が広がったのは社会の進歩を示しているとも思います。

ほんの10年ほど前に石原慎太郎都知事が同性愛者を差別する発言をしたときは、報道はされても社会的批判が広がるとまではいきませんでした。

今回、当事者もはじめ多くの人が実際に街へ出て抗議したのは、これまでは「偏見があるから黙っておくしかないよね」としてきたことが、「声をあげてもいいんだ」というふうに変わったということだと思います。

LGBTに対するマスコミの注目や行政の取り組みは、「普通であること」を国民に押しつけたい政治家にとっては「ムダ」であっても、多くの人にとっては効果があることが示されたとも思います。

そこで市長に伺います。市長はこの「杉田発言」をどのように受け止められ、長岡京市ではどうしていかれますか。お聞かせください。


【中小路市長答弁】「理解不足と関係者への配慮を欠いた内容であり、国会議員がこのような発言をされたことは、私自身、一人の政治家としても、非常に残念。より理解促進に取り組まなければならないと気持ちを強くした」



杉田氏は「子供を作らないから生産性がない」と言いました。
しかしこれは大変狭い認識です。

同性のカップルは、たしかに2人ともの血のつながった子はつくれませんが、子どもはつくれますし育てることもできます。

昨年大阪市で、同性のカップルが養育里親になったという報道がありました。
また、子どもをもうけてから自分の本来のセクシュアリティに気づく人もいれば、協力者をえて自分の子どもをもうけ、同性カップルで育てているという人もいます。

そしてLGBTに限らず、再婚した人や里親など、血のつながっていない子どもを育てている家族はたくさんおられます。
また、戸籍に裏付けられない関係性だけれども、子どもを育てているという人もおられます。

あえて杉田氏の言葉を使えば「生産性がある」のではないでしょうか。


そして家族のあり方も多様です。

議員をしていて多くの市民とお話しする機会があると、戸籍上の夫と妻やその父と母などという世帯だけでは全然なく、生活を支え合う人々の関係性のあり方は本当に多様だなと実際感じます。
福祉や教育などの現場でもそれはお感じだろうと思います。

その方々は、杉田氏がいうところの「普通」ではないのでしょうが、そのことで「普通」の人よりも不自由な暮らしでがまんすべきでしょうか。
人権が守られ、公平に扱われ、ひとしく幸福が追求できるべきだと思います。


いわゆるLGBT施策はそのためにこそあるのであって、杉田氏が批判するような、LGBTに特権を与えてほかよりも優遇するものではありません。

そしてLGBTだけのためでもなく、決してめんどくさいとか不自由を人に強いるものでもなく、誰しもが多かれ少なかれ「普通」でないためにもっている生きづらさをとりのぞき、もっと幅広く社会的平等を実現してゆくその過程にあるものだと思います。

そこで、多様な性や家族のあり方に本市がどう応えられるか、いくつかお聞きします。


同性カップルや、事実婚やもっと多様な関係性など、戸籍上のつながりはないけれども実際に同居して生計を支え合っている人たちは、住民票で同一の世帯になることができますか。
家族のために代わりに証明書を取得しに来たりできますか。
国民健康保険で同一世帯となれますか。
同一の世帯として生活保護を受けることができますか。
お聞かせください。


【対話推進部長答弁】「できます。(住民票は同一世帯の人なら交付、生活保護は住民登録でなく実態でみる)」


また、介護サービスや障がい者福祉サービスを利用する際、戸籍上のつながりがないけれども実際家族として介護や支援をしている人が、手続きにおいて利用者本人の家族として扱われますか。
介護用品給付事業でおむつ代の助成を受けることができますか。
介護者リフレッシュ事業で文化行事のチケットやマッサージ券をもらうことができますか。
お聞かせください。


【対話推進部長答弁】「家族として扱われます。助成や交付の対象になります。」



同性カップルも含め、戸籍上のつながりがなくても実際子どもを育てている人が、両親教室や、地域子育て支援センターなどに、両親として参加できますか。お聞かせください。


【対話推進部長答弁】「参加できます。」


今お聞きしたことは、制度上絶対にできないことを避けて聞きましたので、たぶんできますという答弁であろうと思います。

しかし、先ほどご紹介した同性カップルの養育里親についても、もともと同性の二人が養育里親になることを禁ずる規定はなかったにもかかわらず、当事者本人が無理だろうと思っていたり、行政側がありえないと思っていたりしたのだそうです。

制度として門戸は閉じられていないけれども、利用にハードルがあって、結果として公平になっていないのであれば、ハードルを下げることが必要です。

また、門戸が閉じられていないとわかっていても、現場でえ?と言われるかもしれない負担が当事者にはあると思います。

「現場で対応を間違えない」という目的も含めて、たとえば先ほどお聞きした項目について、LGBTはじめ戸籍上のつながりのない方にも門戸が開かれていますと、知らせることが重要だと思いますが、見解をお聞かせください。


【対話推進部長答弁】「結果として制度を利用できていないならば、情報をしっかり伝えることが重要。」


大阪市で同性パートナーシップ制度ができ、利用した人が語っていましたが、

最初付き合っていることを親に言った時親に泣かれてしまった。
でも今は祝ってくれている。
行政が同性のカップルの存在を間違ったことではなく歓迎されることだと言うのは理解が進む大きな力になる。
ということです。

千葉市では事実婚なども想定して、性的マイノリティに限らないパートナーシップ制度をつくるそうです。

誰もが息苦しくない社会のために果たせる行政の役割は大きく、そしてそれは大きな税金がかかることでもありません。

多様性をふまえた施策の前進を望むものです。


3月議会で、同性カップルの市営住宅への入居について質問した際、市長は「え?入れないの?と思った」と発言されましたが、それが具体化されたとはまだお聞きしていません。

確かに、同性カップルを親族と同等だとみなすにはその基準などが必要であり、それを考える時間がいるのも理解できます。

しかしよく考えれば、そもそも住宅に困窮する世帯に住宅を保障していこうという施策で、戸籍が同一である世帯を優先する必要性があるのでしょうか。

むしろ、そうでない世帯の方が、住宅に困窮しやすいとすら言えないでしょうか。


すでに平成23年、公営住宅法から同居親族要件は外されています。

平成24年の本市市営住宅の条例改正の際は、家族向け住宅の必要性が高いとして、同居親族要件が引き続き残されましたが、ともに支え合って生活をしようという家族であれば、戸籍にかかわらず入居を認めてはどうでしょうか。

そうすれば関係性をカミングアウトしづらい状況にある世帯も含め、入れることになります。見解をお聞かせください。


【対話推進部長答弁】「各自治体も同性カップルだけに関わらず、どういった方を入居対象とすべきかは様々な課題が顕在化している。研究を行っていく。」


※↑この「課題」が何なのかは、後日追及したいと思います。では!



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