虐待について③ | 星は海、そして虹

星は海、そして虹

Therapy, Healing, Horoscope reading Delphis

実の親からの虐待によって 

小さなお子さんが命を落としてしまう悲しい事件があって

虐待を起こしてしまう人の心について触れてきましたが

少し、間があいてしまいました

 

野田市の事件で  逮捕された父親が呈した

普通に思える外での姿と  虐待の内容とのギャップを

あらためて異様に感じて  でも

恐らく 私と同じように

そういった人格を持つ人物を身近で見知ったことがある人は

実は それほど珍しくはないかもしれないと思って

少し 文字にしようとしたのですが

次々と新しい虐待のニュースが流れて  

手が止まってしまいました

 

特に SNSに投稿された虐待の瞬間の映像には

本当に胸が痛みました

 

慈しみ守ってくれるはずの存在から

肉体的にも 精神的にも 

ひどい痛みを受ける小さな子どもの姿、泣き声に  

胸が締め付けられた人は多かったと思います

しかも SNSに投稿したのもお子さんで

怒りのコントロールができない親に  もし見つかったら

どうなっていたか分からない状況の中での行動、

どんな気持ちで投稿したのだろうと想像したら切なすぎて 

言葉になりませんでした

 

虐待されている子どもさんは

もちろん 心身に傷を負い 丁寧なケアが必要になります

理不尽な理由で痛めつけられることに憤りを感じる一方で

親を100%嫌いになれないとき 

悪いのは自分だと思いこもうとして自尊心を低めていってしまったり

優しいときの親と  虐待するときの親が同一人物だと理解できず

心の中で無理矢理切り離すことによって

自分の心や  

心の中の親のイメージを守ろうとすることもあります

そういった心の働きがもととなって  その後に

様々な生き辛さや 

精神的な疾患を発症してしまうこともあると考えられています

 

親の逮捕によって  

ひとまず虐待はくい止められたはずですが

保護されたお子さんたちの未来に

血のつながりはなくとも

本当の安心や保護を与えてくれる

愛ある手ができるだけ多く  最適なタイミングで

差し伸べられることを祈らずにおれません

 

そして  我が子を傷付けてしまう親のほうですが

もし  そういった親がまっとうな愛情や感覚を取り戻し

傷付けられる側の痛みを理解できたときには

罪悪感で心が壊れてしまう可能性があるから

急いで改心させようとしたり  

謝罪させようとするのは良くないと 学んだことがあります

(人格変容や治癒を前提とした精神医学の知見内です)

それくらい  親の心は自分ではコントロールできていない状況なので

第三者からの 複数の方向からの介入が必要だということになります

 

いつか 双方の心身の状況が落ち着いて

安全な状態での再会が叶い  

悲しい記憶や  恐ろしいイメージが修正される機会に恵まれるなら 

それも意味ある瞬間になるかもしれませんが

残念ながら  

余計に切なく 辛い気持ちになってしまう可能性もあります

プラスにならないなら  期待しない、

そういう割り切り方もあると  私は何年かかけて

ようやく思えるようになってきました

傷付きが深すぎる場合  その癒しと 

人格の変容というのは 本当に難しいからです

 


虐待について① と

虐待をしてしまう側の心の特徴について触れました

3つめは、envyです

envyは日本語では羨望のことで、

嫉妬よりも原始的で激しい感情です

 

自分にないものを持つ相手を  うらやましいと感じてしまう、

嫉妬することは誰にでもある感情ですが

envy は うらやましい、では済まされず

そんな相手が存在していることが許せないくらいの

強い攻撃性を伴います

そんな激しく、ネガティブな怒りを抱えてしまうのは

相手以前に やはり自分の存在(価値)が揺れていて

相手の価値を認めてしまうと  

自分の存在、価値がなくなってしまうような感覚になるので

そのことへ対する怒り、

相手を壊してしまいたいという衝動、という感じです

 

私が出会ってきた例の中で

人として最も、 本当に辛いと感じたのは

やはり母子関係でenvyが起きてしまうケースです

 

幼い頃に 母親と引き離された少女が大人になり

自分が母となります

でも  自分が母として我が子を愛そうとすると

その我が子が憎く思えてしまうのです

自分は母の愛を知らない、

でも目の前のこの子には 母親の愛が与えられる、

(その母親は自分なのですが)

愛されて幸せそうな子を見ると

自分にはないものを得ていることが憎く感じられてしまう

なんて悲しい、そして危険なenvyでしょうか

 

自分がもらっていないものは  人に与えられない

愛というのは限りがあって

足りないところからは出ない

そんな感覚に近いと思います

 

それらは心の現実で  真実ではないのですが

癒されるには時間がかかってしまいます

(自分が愛された記憶がなくても

相手と自分を客観的にみて  

相手に愛を与えらえる人は たくさんいるのです)

 

法律が変わって

家庭という聖域に 他者の目や手が入れる時代になってきました

長い目で歴史をみれば

地球で生きていくというのは 大変で残酷、

戦争や災害で孤児があふれていた時代も

見せしめや娯楽で 人の命が軽く扱われた時代もあります

実の親の愛を知らなくて  犯罪者になる人もいれば

立派な行いをして偉人となる人もいるのですから

環境だけに全ての原因を押しつけることは違うと思いますが

危険が見えていて 踏み込むことができるのとできないのでは

大違いですね

 

でも実際には

通報や逮捕が増えたとして

児童相談所や警察がパンクするだけなら

それは解決にはならないので

やはり 身近なところで

まず近くにいる  子どもが 家庭が幸せかどうか

いろいろあっても  笑顔で安らかに過ごせているか

気にしてくれる人が増えて  助け合う世の中になってほしいと思います

そして私も

自分に与えられた方法で

傷付いた心を癒したり  

育児を楽に、愛が伝わるものにする

お手伝いを続けていきたいと思います