25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

歴史の最先端の事故

2019年07月20日 | 社会・経済・政治
 たとえば、1000億円の箱ものをつくると、約30年で同じ金額の維持管理費がかかると言う。一時、橋やトンネル、道路のメンテナンスの問題が出たが、これらの維持管理費も儲けがない限り、税金で払って維持しなければならない。最後は壊すお金さえ、準備しなければならない。
 すると東京オリンピックでできる箱もの、関連道路などの維持管理はどうなることだろう。
 尾鷲市も箱ものをつくるのが好きだったが、さすがここ10年目立った箱ものは保育園とかそんなものである。
 大曽根に野外コンサートホールがあるが使われていない。文化会館があるが使用頻度は少ない。海洋深層水の取水装置があるが赤字である。今後夢古道も怪しくなる。メンテナンスが必要になるときが問題だ。
 社会保障費が総予算も3分の1になろうとしている。介護士や保育士の給料を上げよう、上げなくては、という声が多くある。一方で、建設業の社長は部下に億単位のお金を使い込みされても、平気そうに鯉に餌をやっている。今後戦後に建設されたインフラを維持するだけでも、建設業はやっていける。準公務員のようなものだ。東日本大震災復興、オリンピックでも建設業は儲かる。ただ単純労働者も利益の配分をちゃんとうけるのかは知らない。
 経済大国を目指すことは日本には無理がある。宇宙にかけるお金もないし、サイバー戦争にかけるお金はない。軍備にかけるお金も、そもそもアメリカや中国、インドに対抗できるような人口をもっていないし、すでに人口は減っているのである。経済強国という価値観を変えなければならないのである。日本列島人は島で育ち、歴史を育んできた。他国から侵略されるかもしれないという不安をもつこともなかったが、唯一連合軍のアメリカに占領されただけだ。いつも他国からの侵入を警戒してきたヨーロッパ、中東、中国、朝鮮半島とは危機意識が違う。戦後、再び、アメリカの支援の下、経済復興を果たして、世界二位の経済大国になった。それを誇りにも思い、ある時期繁栄の恩恵を受けた。60歳移譲の人たちが、である。

 京都アニメーションの放火事件は日本列島の歴史が積み重なった現在を象徴しているのかもしれない、とぼくは疑っている。まだ犯人の動機や背景がわからないのでなんとも言えないのであるが、負の政策のツケの結果の一部かもしれない。不安社会が続けば、これからもよく似たことが起こるにちがいない。


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