「銀座 久保田」に別れを告げる | じきの食歴

じきの食歴

世の中には、美味しいいもので溢れている。
そんな美味なる料理やお酒の記録を食の歴史として記しておこう

朝日酒造が醸す日本酒の「久保田」。
1990年頃から始まった日本酒ブームの立役者の1つと言ってもいいだろう。
その久保田の東京基幹店である「銀座 久保田」が2020年6月20日で閉店となってしまった。
コロナ渦で休業していたのだが、6月初旬より営業を一時的に再開したとのことで、こちらのお店と懇意な柏原さんにお誘いいただき、閉店の直前に再訪することができた。
お店の場所は、銀座中央通り沿いの3階で、非常に立地の良い場所でありながら、客数68席と大箱の割烹料理の店だった。
しかも、この席数でありながらアラカルトでの注文も可能という、かなり使い勝手の良い店であっただけに、今回の閉店は実に惜しまれる。

そんなお店での最後の食事は、下記のようなもの。

コース内容
《前菜》季節の四種盛り
《御椀》トウモロコシの汁に鱧と冬瓜が入ったもの
《造里》季節の鮮魚盛り
《揚物》江戸前穴子天麩羅
《煮物》水茄子と鮑 ソースあん
《食事》蕎麦
《甘味》季節の果物

これらに、通常は出さない久保田の特別なお酒も含めて色々飲ませてもらった。
最後ということもあるのだろう、今回の会費以上のものを出してもらえたようだった。

これだけの規模の店で、どれも旨い料理をきっちりと出せるのは、料理長の野村和宏さんの成せる技であろう。
この店の閉店は名残惜しいが、野村さんが次にどのような場で活躍されるのかを想像して、この心の隙間を埋めようと思う。

 

 

久保田懐石・会席料理 / 新橋駅銀座駅内幸町駅
夜総合点★★★★ 4.0