ちょこっとあらすじ
2006年、ニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァン（キット・ハリントン）が29歳の若さでこの世を去った。
自殺か事故か、あるいは事件か。謎の真相の鍵を握るのは、一人の少年だった。
それから10年の歳月が過ぎ、ドノヴァンと当時11歳の少年だったルパート・ターナー（ジェイコブ・トレンブイ）の“秘密の文通”が一冊の本として出版される。
今では注目の新進俳優となったルパートが、100通以上の手紙の公開に踏み切ったのだ。
さらにルパートは、著名なジャーナリストの取材を受け、すべてを明かすと宣言するのだが──。（公式サイトより）
感想
自身が子供の頃、レオナルド・ディカプリオにファンレターを送ったことに着想を得て、作られた作品。
あの少年はドラン自身…
一作目から観させてもらってるが、グザヴィエ・ドラン監督は一貫して自身のアイディンティティをテーマに作品を作り上げている。凄く潔いと言うか…、なんだろ…？
大人になった文通相手のルパートがインタビューを受けてドノヴァンを回想するシーンと、ドノヴァンの映像が前後しながらものがたりは進行する。
この時期に観ると、どうしても三浦春馬と被ってみてしまう。
美しきスターが、死んだ
一人の少年との
“秘密の文通”によって
明かされる、死の真相
結局、解らないわけですよ。
アウトラインだけしか…
同じような孤独を抱えるスターと少年…
人気俳優の栄光の光と影
自分のセクシャリティを隠さなければならない、誰もホントの自分を理解してくれないという苦痛…
取り巻きは多いけど、それはホントの自分をさらけ出せる相手ではないし、言ったところで理解されないという孤独。周りから要求されてる自分と、本来の自分とに折り合いがつけられず、他者の欲求と現実との乖離の中、どんどん深みにハマっていく…
もっと、早く、認めてあげれば良かった…
もっと、早く、こうしてあげれば良かった…
もっと…
もっと…
もっと…
なんで？
なんで？
なんで？
唯一、心を傾けて聞いてくれたのは同じような孤独は境遇ほ11歳の文通相手の少年だけだったって…
スターなのにね
スターだから
孤独
なのか…
ジョン・F・ドノヴァンを演じたキット・ハリントンの苦痛がすうっと入ってくる。痛いほど感じられて、もう、観てると辛くなる。
思いっきり、はしゃいだ後…
すうっと…
漆黒の闇が包むのだろう
お母さんは理解を示してくれたぢゃない…
少年ルパートには『ルーム』そして『ワンダ 君は太陽』の天才子役ジェイコブ・トレンブレイ。そしてナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツら豪華なメンツが脇を固める。
『ルーム』のジャパンププレミアの時の
ジェイコブ・トレイブレイ
大きくなったな〜
レビューを書くに当たって、いろいろ見てたら、
あのラストのバイク2人乗りのビジュアルは、『マイ・プライベート・アイダホ』へのオマージュですよね。ドランは、リヴァー・フェニックスのファンを公言してますし、今作で描かれた、若いスターの“死と生”は、リヴァーがモデルになってる部分もあるでしょうから。
ってコメントがあった。
うん、うん。
そして監督のインタビューを見てると薬物の過剰摂取によって早世した天才俳優、リヴァー・フェニックスとヒース・レンジャーにオマージュを捧げたといっています。
どうか…文通少年役のジェイコブ・トレンブレイは諸先輩方のように薬物や酒にハマって身を滅ぼさないことを祈ります。
『マイ・プライベート・アイダホ』への
オマージュシーン
リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴス
このラストのシーンが意味するのは…
彼はドノヴァンの生きたかった人生を生きているということ。
ってことで、めでたし
キアヌ・リーヴスあんまり変わらないな、リヴァー・フェニックスが今、生きてたら、どんな風になってたんだろうな？って想像する。
例えば…何十年後かのち、佐藤健を見て、今、三浦春馬が生きてたら、どんな風だったんだろうな、って想像するんだろうな…
2020.10 DVD鑑賞
