こちらの言葉は聞き流され、
一方的な母の攻撃を何度も聞かされると
電話が苦痛に感じる。
もっと、毅然と冷静に母親らしくいてほしい。
身体よりも脳がしっかりしていると
こういう不幸な事になるんだなあ。
母にすれば、自分は誰より長生きして
優越感に浸って暮らすつもりだったのだろう。
父への怨みも増している。
自分の人生を後悔しているような。
そんな終わり方はしないでほしい。
私も夫より先に逝く事になったら
母みたいに夫を憎んだままで
子に愚痴をこぼすのだろうか。
それは止めておかねば。
母が、珍しくこんな事を言った。
「お父さんとこうなったのは、私の実家の躾けのせいかもしれない。
夫のいう事に逆らってはいけない。どんな目にあっても
笑顔でいないといけない、といつも言われていたから
お父さんからどんな酷い目にあっても我慢してきた。
それがいけなかったのかも」
こういう、自己分析をするなんて
母には似合わない。
意外な母のその言葉を聞いただけでも気が晴れた。
私は、”差別意識の強いDV父と、DVに耐えるのが良い妻と信じた母親"
に育てられた訳だ。
DV野郎にとっては、私たちは美味しいターゲットになる訳だ。
我が実家は、DV被害者養成所だったわけか。
2人部屋の病室、母の隣の人が似た様な年齢で食事制限のある人だったら
気分は全然違ったと思う。
母には、「帰宅しても父がいるし
嫁さんはいっさいあてにならないし、
家事もできないし、してはいけないし
このまま帰宅しない方がいい。
緩和ケア病院、施設などに入って
ゆっくり自分の事だけ考えて
ストレスの無い生活をした方がいい。」と勧めた。
母も、やっとその気になってきた様だった。
悲しそうだったけど。
私も悲しいよ。