人は時に、
何かに呼ばれるように、
無意識の中で、
行動をする時があります。
一昨日の晩の、
僕がそうでした。
昨日開催された、
オンラインサロンメンバー限定の、
江島直子さんとの、
合同『三大龍神の聖地ツアー』のために、
僕は一昨日から大阪に、
戻っていたのですが。
一通りの仕事を終えて、
その日僕は、
なぜか無性に、
焼き鳥が食べたくなったのです。
お風呂にも入りたくなり、
何も考えずに向かった所は、
高校時代まで、
僕が住んでいた場所にある、
地元の焼き鳥屋さんと銭湯。
その後、
お風呂にゆっくり浸かりながら、
ふと気付いたんです。
この焼き鳥屋さんで、
ご飯を食べた後に、
ここの銭湯でお風呂に入るのは、
小さい頃からいつも、
父と母と一緒に行っていた、
コースだったと。
そう思ったその時に、
僕が座っていた場所は、
いつも父が入っていた、
一坪ほどの、
小さなスチームサウナの一角。
突如として思い浮かんでくる、
あの日の記憶と、
父の姿。
この場所で、
サウナに入りながら、
父が僕に語ってくれた言葉が、
思い起こされてきました。
□■□■□
父「祐二、世の中にはな、
借金をしたり、
人生で大失敗したりする人間がおるやろ。
その失敗の原因って何やと思う?」
あ「失敗の原因ですか…?
う~ん…」
考え込む僕に、
父は言いました。
父「自分の本質とずれていることを、
やろうとした時や」
あ「自分の本質とずれていることを、
やろうとした時?」
父「言い方を変えたらな、
本来の自分の役割とは違うこと、
かけ離れているようなことをしようとした時、
結局人は大失敗をしてしまう。
俺がな会社をやり始めて、
まだ30代の頃、
この日本にバブルの時代がやって来た」
あ「…はい…」
父「あの時は本当にみんな、
浮かれてしまっててな。
みんなが汗水流して働くことを忘れて、
やれ土地転がしや、
株の売買や言うて、
身の丈に合わんことばっかりやってた。
俺は悪いけど、
『こんな時代は絶対に長くは続かん』と思ってな、
そんな時にこそ、
汗水流して一生懸命働いてた。
まわりが浮かれる中、
『小さい金の話すんな!』とか、
バカにされながらな」
あ「…はい…」
その言葉を言った時の父の目は、
過去を思い返すように、
遠くを見つめ、
それでも小さく呟く言葉に、
経験して乗り越えてきた、
男だから故の、
重みがありました。
父「でも、その後の事の顛末は、
みんな知っての通りや。
あの時汗水流して、
働くこと忘れてしまった人らは、
その後良い時代を忘れることが出来ず、
また元に戻ることも出来ず、
ギャンブルにハマったのと同じで、
『次こそは、次こそは…』って、
繰り返しているうちに、
資産を失い、
家族を失い、
残ったのは数億円という借金だけ、
ということになってしまった。
ここから分かることはな…」
あ「…?」
不思議そうな顔をする僕に、
父はニコッと笑って言いました。
父「人間はやっぱり、
誠実に、ただ誠実に、
生きることが、
一番やということやねん」
あ「誠実に…」
父「そう。
結局人間、
人を騙したり、
迷惑をかけたり、
持っている以上のお金で、
買い物したり、
ギャンブルにつぎ込んだりとかな。
そんなことをしなかったら、
それだけでみんな、
本来幸せに、
暮らしていけるはずやねん。
でもそのことを忘れて、
身の丈以上のことをしようとしたり、
目の前の大切な存在のことを忘れて、
自分の欲に走ったりしようとする。
幸せに生きたかったらな、
身の丈に合わないことをしようとせず、
自分の役割を見失わず、
まず目の前の仕事に、
人に、家族に対して、
誠実に、
一生懸命生きる。
約束を守る。
人に優しくする。
裏切らない。
人に迷惑をかけない。
頂いた恩は返す。
そんな子どもが親に、
教えられるような、
当たり前のことでええねん。
それが出来たなら、
人生で成功することもそんなに、
難しいことじゃない。
それに例え、
人生の浮き沈みの辛い時や、
苦しい時でも、
必ず誰かが、
手を差し伸べてくれるから」
あ「…はい。
確かにそう思います…」
父「神さんは必ず見てくれている。
同じように周りの人もまた、
必ず見てくれている。
だから、
誠実に生きような。
一生懸命に、
自分の人生を生きような。
いつか必ず、
報われる時が来るから」
□■□■□
そう言った時の、
父の笑顔を思い浮かべ、
僕はその時と同じ、
その場所で俯き、
涙を流しました。
流れる涙は、
汗とともに消えていったのですが、
確かにそこに、
父の魂はありました。
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