タイで出会ったナチュラルボーンストーカーな日本人7

Pocket

タイのチェンマイにて。ユンピン宅へお泊りした翌日。私は約束の24時よりも早く店に到着していました。ユンピンが来るまでの間、適当にお酒を飲んで時間をつぶしていると、約束の時間よりちょっと遅れた頃にユンピンが店にやってきました。

仕事の片づけで遅れちゃった。ごめんなさい。

>いや、いいよ。全然待ってない。

そんな会話をしつつ、お酒を飲むことになりました。彼女は英語と片言の日本語。私は日本語と片言の英語とタイ語。スムーズに、とはいきませんでしたが、それでも楽しい会話ができました。一通りアイドリングトークが終わった後、彼女が話を切り出しました。それはやはりYについてでした。そこで初めてユンピンからYとの出会いの真実を聞きました。

それはある日。ユンピンがいつものように店で働いていたときのこと。店から少し離れたところにYが立っているのが見えたそうです。はじめは、何だろう?くらいに思っていたそうですが、Yはそのまま1時間以上(!)そこから動かずにただずっとユンピンの店、ユンピンを見続けていたそうです。

さすがに気持ち悪くなったユンピンは店を出てYに、何か御用ですか?と話しかけたそうです。するとYは堰を切ったように話しかけてきたとのこと。それはもう見事にぐいぐいと・・・そして、それからというもの毎日のようにユンピンの店に押しかけ、挙句の果てに店の奥にまで入り込み、隣に座ってくるようになったとのことでした。

・・・・・つまり私たちがみていたあの光景は、すべてYがごり押し・無理押しをして、ユンピンが断れずにいる光景だったのでした。ああ。気持ち悪い。多少変わった奴だとは思っていましたが、真正だっとは・・・強引とかを通り越してサイコパスなんじゃないか・・・しかし、ユンピンはユンピンで、はっきりと断り切れない性格でした。

そのため、遠回しな言い方で、私は理想が高い、背が高い人がいい(Yは背が低い)、痩せている人が良い(Yはぼっちゃり)、金持ちがいい(Yというか私たちは貧乏旅行者)などと言って、やんわりとYに諦めさせようとしていたのでした。しかし、それらはすべてYの持つ天然のポジティブさにすべて跳ね除けられてきていました。

そしてあの日。さすがに堪忍袋の緒が切れて、はっきりと拒否の意思表示をしたのでした。私からすれば、ユンピンには何の落ち度もなく過失割合10:0でYが悪いと思います。しかし、ユンピンはそれでもYを傷つけたと自分を責めていました。ユンピンはしまいに、Yに謝りたい、とまで言い出しました。そんなユンピンの姿を見て、同じ日本人として申し訳ない気持ちで一杯になりました。

おそらくユンピンのいうことがそのままの真実なのでしょう。Yにはそう思わせるふしが所々にありました。ああ。言い忘れていましたが、Yはバンコクのナナのゴーゴーでも何か所かで出入り禁止を食らっているようでした。一体何をしたら出入り禁止になるのだ?聞かされた当時は笑い飛ばしていましたが、もう笑えなくなってしまいました。