歴史人「江戸庶民の衣食住」 江戸庶民の食生活はどんなだったの?

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、「歴史人」2020年8月号、「江戸庶民の衣食住」です。

■歴史人

いつも歴史ファンにたまらない情報を届けてくれる「歴史人」
前月号は、明智光秀と羽柴(豊臣)秀吉にスポットライトを当て、明暗を分けた理由を掘り下げた好企画でした。

その前は新選組の土方歳三、その前は信長・秀吉・家康の城造りをとり上げています。
歴史ファンに人気なのは、戦国乱世や幕末維新の時代。そこで活躍した英雄たちが特集されることが多いですね。

2020年8月号の特集は、そんな英雄たちは全く登場しません。
ときは、江戸中期の天下泰平の時代。主役は、その泰平の世を謳歌した江戸庶民たちです。

特集名は、「江戸庶民の衣食住」
天下泰平を謳歌した庶民の「暮らし」と「仕事」を図解解説!
江戸の庶民はどんな暮らしをしていたかをCGやイラストで再現する、意欲的な特集です。


歴史人2020年8月号

そうだよね。よくよく考えたら、歴史を構成してきたのは多くの庶民たち。
江戸時代の中期には、江戸は人口100万人以上の大都会に成長その約70%が庶民です。
彼らの暮らしが歴史をつくり、そして今の日本につながる文化をつくりました。

そんな私たちのご先祖様の「衣食住」。これがなかなかに興味深い…。
6畳ぐらいの長屋に暮らしていたとか、ファッションは古着とレンタルが主流だったとか、社交場として湯屋が大繁盛していたとか…。

今回は、そんな興味深い江戸庶民の「衣食住」のなかでも、特に「食」をとり上げて紹介します。
やっぱり気になりますよね、ご先祖様の「食」。それでは、「歴史人」から江戸の中期にタイムトラベルしてみましょう。

■江戸庶民の食生活

江戸庶民の食事はどんなだったんでしょうか…?
江戸の食文化を記録した「守貞漫稿」によると、「平日の飯は江戸では朝に炊き、味噌汁に合わせ、昼と夕は冷飯を食べる」とあります。
さらに「昼は一菜を添え、野菜や魚肉などは、必ず昼食に食べるが、夕食は茶漬けに香の物を添えるだけ」とも。

ご飯は、朝にかまどで炊いて、それをお櫃に移して昼夜は冷飯を食べたようです。
当時の川柳に納豆屋が朝売りに来る姿がうたわれているので、この頃から納豆は朝食のお供だったみたいですね。


江戸の長屋の朝昼晩(売り声図鑑)単行本より

さらに、江戸っ子が愛してやまなかったのが、江戸前の魚
「3日魚食しないと、骨がみなばらばらになる」と言って毎日のように魚を食べたようです。

史料によると、鯛やすずき、鰹、鱈、たこ、いかなど様々な魚介が食べられたようですが、江戸庶民の食膳の主役は「いわし」でした。
元禄の頃から房総のいわし漁が大いに発展して、安価で高タンパクのいわしが流通。
近くの堀川でとれた川魚のどじょうとともに、江戸庶民の家計と健康を助けました。

■江戸のファストフード

一方で、天下泰平の世をむかえ経済力が高まった江戸では、グルメブームが生まれ「食を楽しむ」風潮が広がりました。
特に江戸の庶民には、みずみずしい果物や野菜などの「初物」に熱中する文化があったようです。

なかでも初がつおはとり合いになりました。女房の晴れ着を質に入れるほど、値段が急騰。それでも江戸っ子はこぞって手に入れようとしました。
あまりの初物フィーバーに幕府が売り出しに制限をつけた記録もあります。


(写真ACより)

さらにこの時代、江戸の町に外食産業が発展しました。
中でも庶民に圧倒的に支持されたのが「そば」でした。早くて、安くて、うまい。これがせっかちな江戸っ子の気質に合ったんですね。

このそばをはじめ、早くて、安くて、うまい屋台飯が人気になりました。
天ぷら商売の始まりも屋台店。あなごや芝えび、こはだ、いか、きすなどを揚げたてで提供。人気になったそうです。

他にも焼きおにぎりや団子も。いわば江戸時代のファストフードですね。
なかでも傑作は握り鮨。生まれたのは文政年間(1818~1831)と言われます。
ありがとう、ご先祖様…。おかげで、私たちは美味しい日本の食を楽しめています。


(写真ACより)

他にも、江戸庶民の衣食住の嗜みがずらりと掲載されています。
なんか見てると、いまの時代から比べると不便なはずなのに、生活も文化も豊かなように見えるのはなぜだろう…。

物質的に恵まれてなくても、限られたものをやり繰りしたり、そのときどきを楽しもうとしてたり、精神的に豊かな暮らしを送れていたからかもしれません。
そんなご先祖様のDNAを、私たちは大切に受け継いでいきたいですね。

ありがとう、歴史人! ありがとう、江戸のご先祖様たち!

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