「顔なし」は誰の心のなかにもいる。
ー 宮崎 駿
こんばんは「鎌倉 うごかす文庫」店主のおーじーです。
今夜も「鎌倉 うごかす文庫」、はじめます。
私たちは日々の生活のなかでいくつかの仮面をかぶって生きています。
そのひとつは、「家庭では良き母親を」、
「職場では背中で部下を引っ張っていく上司を」といったふうに、
社会的な役割に付随する<社会的な仮面>。
また「人からこう見られたい...」もしくは「こう思われては嫌だ...」
といった<自己顕示欲・自己防衛欲の仮面>も存在します。
<自己顕示・防衛の仮面>は多くの場合、
<社会的な仮面>の裏側の張り付いていて、表からはよく見えないようになっています。
しかし、長く仮面を被り続けることで、
その色や模様はゆっくりと表面に現れて出て、
特に「怖れ」の強い人ほど色合いが強く現れます。
ゆっくりとにじみ出てくる自分の心の不恰好な色や模様を隠そうとして、
幾重にも分厚く塗り重ねられた仮面を
心理学者のユングは「ペルソナ」(personal=個人 の語源)と呼びました。
何度も何度も仮面を被り続けるうちに、
人は仮面なしでは生きていくことができなくなり(仮面依存)、
仮面こそが自分自身であると思うようになります(同化)。
そして、いつしか自分の素顔そのものを無くしてしまうのです。
<顔なし>の誕生です。
あなたの顔、大丈夫ですか?
わたしの顔、大丈夫ですか?
今夜も一冊の本をご紹介します。
上田 紀行さんの『生きる意味』です。
<顔なし>の最も悲痛な点は、
なぜ自分が<顔なし>になったかを彼らが理解できないことです。
彼らの大部分は「ただ必死で生きてきた」だけ。
社会、家庭、会社などから求められたものに答えようとし続けた結果、
自分自身が〈本当に望んでいるもの〉を無くしてしまったのです。
だからこそ、私たちは自分自身の素顔を見つめることと同じように、
私たちが生きる社会を見つめ続けなければならないのです。
今夜ご紹介する本は「本当の自分自身を見つめる視点」と、
「社会を見つめる視点」を合わせもった名著中の名著です。
この本が皆さんに問いかけるのは、
「他人が欲しがっているものを、自分の欲しいものと勘違いしていく」現代人の悲劇です。
例えば、
・あなたが選んだ高校や大学は本当にあなたが行きたくて選びましたか?
・あなたが選んだ会社や仕事は本当にあなたがしたくて選びましたか?
・あなたのパートナーは...?
貴方の〈自己顕示・防衛の仮面〉は叫びます。
親や友達に馬鹿にされたくなくて...
負け組と言われたくなくて...
年齢を考えると体裁が悪くて...
〈社会の仮面〉はグイグイとしめつけます。
いいか分かってるな。今の時代、幾らでも安く雇える人間がいるんだ。
世界中が相手さ、お前の代わりなんて幾らでもいる。
お前はもっと生産性を高めて、より優れた付加価値製造マシーンになれ、
そのために、お前の時間も、家庭も、命も、すべてを捧げろ!
勝ち続けなければ一生ここからは抜け出せないぞ。
もし負け組になったら、みんなお前のことを陰で笑うだろうな。
自分を大きく、華々しく見せるのでもなく、
自分の素顔を守るでもなく、
あなたが本当にしたかったこと、
本当に望んでいること、
本当に生きたかった人生とはどんなものですか?
〈自分が本当に望むもの〉、〈自分が望む社会の在り方〉を曇りのない眼で見つめて、
逆に社会に投げかけることこそ、現状をうごかす第一歩です。
社会は貴方が仕方なく受け入れるしかないものではなく、
貴方や私たち自身が、創り、変えていくものです。
理想とは絵空事ではなく、現実の答えを導きだす鍵です。
「理想なんて語っていても仕方がない」といっているアナタ。
仕方がないのではなく、理想自体を無くしてしまっていませんか?
そんなアナタこそこの本を読んでみて下さい。
ジョジョの奇妙な冒険では、石仮面に囚われた人間は、
憐れな吸血モンスターと化します。
光のもとにはでられぬ、暴力の塊となる前に、
ぜひこの本で自分のことを考えてみて下さい。
※『生きる意味』上田 紀行さん著は、鎌倉うごかす文庫の新着本のコーナーにもアップいたします。
気になられた方はチラ見してみて下さい。
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