1973年、ジョン・レノンとオノ・ヨーコは
「ヌートピア」という<国>を建国しました。
領土はその国民がいる場所、国旗はどこでも買える白いハンカチでした。
2011年には建築家・作家の坂口恭平さんが故郷熊本で、
0円で独立国家樹立、新政府総理大臣に就任。
2014年には、アメリカのエレミア・ヒートンさんが、
「いつか王女さまになりたい」という7歳の娘との約束を守るため、
エジプトとスーダンの狭間にある「主権空白地」に
「北スーダン王国」を樹立しました。
これらの<国>は実際に、れっきとした<国家>です。
そしてそれぞれの<国>には、それぞれの<願い>があります。
曖昧極まりなく思える<国>というものの<正体>に、
この<願い>が大きく関わっているように思えてなりません。
<国>を愛するとはその国の<願い>を見つめることから
はじまるのかもしれないですね。
高橋源一郎さん著 「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」
現存する約190ほどの国の中でも
世界最古の国家(奇跡の国家と呼ばれることもある)と言われている日本が、
この数ヶ月、揺れに揺れています。
「新型コロナウィルスの大流行」によって開けられた
この国のパンドラの箱からは、
神話さながら想像を絶する「悲嘆」や「欠乏」、
「不信」「憎悪」に「争い」が世に溢れ出ました。
私たちがこれほどこの国のあり方を見つめ、
問い続けた日々が過去あったでしょうか?
私たちは今、「この国をどのように愛せばいいのか?」を
必死で探しているのかも知れません。
この本は<国>ではなく、< くに >をつくることにした
子供たちの心や思考を追った、一風変わった読み物であり批評です。
子供たちは< くに >をゼロからつくっていくなかで、
戸惑い迷いながらも、ひとつ、またひとつと<願い>を
彼らの< くに >にこめていきます。
その過程を同じく歩むことで、
つかめる答えがあるように思えてなりません。
なぜなら今、我々に求められていることは、
批判することでも、破壊することでもなく、
<新たなもの>をつくることにあるからです。
本日ご紹介した本は、吉野源三郎さんの名著『君たちはどう生きるか』の21世紀版を
目指して書かれたと言われている激アツの一冊です。
『君たちはー』のファンの皆様もぜひぜひ御一読下さい。
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