……では私達は、何を笑うのでしょうか?
前号続きです。。。
(注):セリフは書き起こしたもので、正確ではありません。
□□□□□突っ込みを聞けば分かる!□□□□□
多くの人が批判するにも拘わらず、
顔を黒く塗ったエディ・マーフィーの扮装で笑う、、、
でも、その笑いは、
「ミンストレル・ショー」の笑いとは異なります。
では、何で笑っていて、
そこにある「笑いのフォーマット」は何なのでしょう?
このブログの立場を再度確認します。
「笑い」は「突っ込みたい気持ち」である。
という事は、
実際の「突っ込み」を聞けば、
何を笑ったのか明らかになるはずですね。
では、出演者は何と突っ込んでいたのでしょう?
□□□□□□手間1□□□□□□
着替えを済ませたメンバーが一人ずつ登場。
小笑いはありますが、
もちろん、ここは前振り。
そして浜ちゃんがエディ・マーフィーで登場。
笑いが起きます。
その笑いが起きた時の出演者達の突っ込みは、、、
「大変やと思うけど」
「だからこんな時間かかったんですね」
「ここまで変えてえぇの?」
これって、、、
「肌の色が黒い事」
に対する突っ込み………ではないですよね。
じゃあ、何に対して突っ込んでいるかというと、、、
これらは全て、
「手間をかけた事」
に、突っ込んでますよね。
「手間をかけた事」に、ディスコミュニケーションを感じている突っ込みです。
< 基準 >:手間をかけるネタではないにも拘わらず
< ズレ >:手間をかける
<ツッコミ>:「何、手間かけとんねん!」
これが、
エディ・マーフィーの扮装をした浜ちゃんを見て笑った、松ちゃん達が感受した「笑いのフォーマット」。
ちなみに、
番組の企画から明らかですが、
出演者を笑わせようとして、
「笑いのフォーマット」を作り出しているのはスタッフです。
つまり、浜ちゃんも笑わされる側なので、
浜ちゃん自身もまさにこの「笑いのフォーマット」に突っ込んでいます。
「こんなとこ(耳の中)まで塗ってんねん。めっちゃしんどい。」
これも、明らかに、
「手間をかけた事」に対する突っ込みですね。
突っ込みを聞けば、
何を笑ったのか明らかです。
□□□□□□手間2□□□□□□
一般論として、
たかが出オチに手間をかける事自体ディスコミュニケーションなのですが、
この笑いを確実にするのが、
着替えシーンの出オチは毎年行っているという事実。
例年、
一人だけスカートとか、
一人だけ丈が短いとか、
一人だけカツラを被るとか、
そういうネタをしています。
毎年恒例のネタだからこそ、
例年と同じ程度の出オチを予想した出演者にとって、
予想以上に「手間をかけた」エディ・マーフィーには、
「思い込みの間違い」も成り立ち、
落差拡大。
< 基準 >:例年と同じ程度の手間のかけ方かと思ったら
< ズレ >:例年より手間をかける
<ツッコミ>:「何時もとちゃうやん!」
毎年行っている「何時ものパターン」であるという事実を、
「前振り」として利用した笑いです。
実際、登場直後の一言は、
「嘘やぁ!?」
でした。
これは、
思い込みが外れたからこその一言でしょう。
この「着替えて登場」のネタは、
「出オチ」として作られているネタだけに、
登場直後のこれらの突っ込みが表す「手間をかけた事」に対する笑いこそが、
このネタの第一義的な笑いといえるでしょう。
意外に思うかも知れませんが、
出演者がその瞬間に笑いとして意識した事は、
「エディ・マーフィー」や、
「一人だけ違う衣装」ではなく、
ましてや、
「肌の色が黒いという事」や、
「黒人であるという事」でもなく、
なんと、
「手間をかけた事」
だったんですね。
「肌の色が黒い事」、
「黒人である事」は、
この段階では、
意識すらされていません。
…とはいえ、
笑いになったのは「手間をかけた事」だけで、
それ以外の笑いが無いかというと、、、?
そんな事はありません。
以下次号。。。
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