こんにちは、松岡昇です。今のさいたまは嵐の前の静けさ
(the calm before a storm) でしょうか、しのぎやすい天気です。

さて、荒磯先生の Tune Up Your English の記念すべき Lesson 100 をアップします。この連載が始まったのが 2015年の7月29日でした。以来3年間にわたり、100の記事を書いていただきました。改めてお礼を申し上げます。今までの先生の記事はすべてアーカイブ(左下の「今までの記事」)に保管してあります。
Tune Up Your English (下から4番目)をクリックして、お時間のあるときにお読みください。

Tune Up Your English: L. 100 「〜 こそ ... だ」 強調構文 --

1. その事故の原因はスピードだった。
It was speed that caused the accident.

2. そのアイディアを思いついたのは木村君で、私ではない。
a. It was Kimura that/who hit on the idea, not me.
b. Kimura was the very person that hit on the idea, not me.

3. その悲劇が起きたのはまさにこの部屋だ。
It was in this room that the tragedy took place.

4.そのチームの責任者は私です。
It’s me/I that is responsible for the team.

5. 彼が本をくれたのは私にです
a. It was to me that he gave a book.
b. It was me that he gave a book to.

6. あなたがやってみたかったのは何ですか。
What was it (that) you wanted to try?

7. 傘のないのに気づいたのは帰宅してからだった。
It was not until I got home that I missed my umbrella.

8. 彼が何故嘘をついたのか全く分からない。
I just/simply can’t understand why he lied.

9. 彼は確かによく働く、しかし、進歩が遅い。
He does work hard, but makes slow progress.

10. 君が今一番必要なのはよく休むことだ。
What you need most now is a good rest.

荒磯先生荒磯芳行です。この課では強調構文を見て行きましょう。

一番簡単な構文は、8.のような強調を表す副詞を使うものです。just や simply の他に、exactly を使って
That’s exactly what I wanted to say.
(まさにそれが言いたかったんだよ) とか
very (形容詞) を使って
At that very moment the teacher came in.
(まさにその瞬間に先生が入ってきたんだ) などと言えます。

ですが、ここでは、it ~ that~ の構文の応用に焦点を当てて見ていきたいと思います。典型的な構文はお馴染みの it ~ that~ です。ですが、実際には、色々な変化が伴います。

1. が典型的な例で、it が that が率いる部分を代表して文頭に置かれます。

2.は、強調されるものが人間 (Kimura) の場合は、who も可能ということです。very person は 「まさにその人」 という意味で、この very は形容詞で 「まさにその、ちょうどその」 という意味です。これに続く関係代名詞は that です。

3.は、この部屋の中で、という副詞句が強調の対象で、前置詞の付いた副詞句全体が前に置かれます。

4.は 「私」 が強調されますが、文法的には “I” であるべきでしょうが、これは非常に堅功、文語調なので、通常は me が使われます。他の代名詞についても、砕けた文体では目的格が使われます。

5.は、「誰々に」 の場合ですが、a.と b.の形が可能ですが、a.の方が分かりやすく、一般的です。

6.は what が文頭に置かれると、that は省略されることが多いということ。

7.は not until という慣用句が率いる節を強調しています。この構文は使用頻度が高いですね。
例: It was not until one o’clock that the show began.
(ショーが始まったのは何と1時になってからだった。)

9.は do(es) を使って動詞を強調します。

10.は what を使った強調文。It is a good rest that you need most now. と同じ意味ですね。

最後にちょっとした 「お遊び」 をやってみましょう。
Mary wore a red dress at the party last Saturday.
(メリーはこの前の土曜のパーティーで赤いドレスを着ていた。)
の中の色々な部分を it ~ that ~ 構文で強調します。

(a) It was Mary who/that wore a red dress at the party last  
  Saturday.
(b) It was a red dress that Mary wore at the party last
  Saturday.
(c) It was last Saturday that Mary wore a red dress at the
  party.
(d) It was at the party that Mary wore a red dress last
  Saturday.

次の英文は日本語に、和文は英語にしてください。
1. It was for the sake of modesty that she did not say “I”.
2. Was it for this that we suffered?
3. It must have been him that called me last night.
4. It is seldom that she eats any breakfast.
5. The very idea of sending him abroad delighted him.
6. その戦争が終わったのは1945年です。
7. 私のことをあなたに話したのは誰ですか。
8. 彼が到着したのはパーティーがほとんど終わった頃だった。
9. 非難されるべきなのは私です。
10.彼女に今一番必要なものはあなたの愛情です、お金ではありません。
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解答は3、4日後にアップします。それじゃあ、また。(マッツ)