バリエーション山行同人

藪岩、沢等を中心としたバリエーションルートを中心とした山行を志向しています。

南魚沼 金城山(2019.11.2)

2019-11-03 20:22:20 | 尾根

今年の10月の週末は雨天が多く、ほとんど山行が出来なかった。昨年の11月3連休は越後三山縦走を試みるも、まさかの降雪で八海山のみに縮小せざるを得なかった。今年、再挑戦を考えていたが、昨今の体調不良等を考慮して大幅変更し、同じ南魚沼地方の金城山に日帰りで登り、六日町で宿泊。翌朝に越後湯沢に移動し、飯士山の鋸尾根に臨むプランとした。いずれの山も標高は低いものの、峩々とした山容が気になっていた山だ。この際、2ついっぺんに片付けてしまおうと考えた。結果としては、飯士山には行かず、金城山のみで終わった。辿ったルートは一応、一般ルートで、バリエーションの範疇外とも思ったが、意外にも道が悪く難儀した。昨年辿った、八海山の屏風道に匹敵すると感じたので、執筆することにした。

朝1番の上越新幹線で越後湯沢を経由して、六日町駅に降り立つ。バスの乗り継ぎ時間がやや不安だったが、乗客私一人の野中行きのバスは8:25(午前中はこれ1本のみ。運行してくれるだけ有難い)に出発した。

▼8:40に宮村バス停に降り立つ。既に陽も高いが、東京朝発なので致し方ない。

 

街道沿いの小さな街並みを抜け、農道を辿って一人、登山口を目指す。途中、田んぼの中に作られた墓地の中に、「登山家之墓」と彫られた複数の墓石があるのに気が付いた。珍しい苗字の家だが、「とざん」と読むのだろうか、もしくは苗字らしく「とやま」とでも読むのだろうか? いずれにしろ、実際、登山をご趣味になさっていたのだろうかちょっと気になった。

▼麓からすっくと立った金城山の登山口を目指す。

 

▼右に数台の車が既に停まっている駐車場。登山道は左に伸びる道を進む。

 

▼その先すぐのところで、水無コースと滝入コースの分岐。今回、一応、「下山禁止」(八海山の屏風道と同じ)となっている水無コースを登り、反対側の観音コースへ降りる予定であった。

 

▼「水無」なのでいきなり尾根に取り付くのかと思ったが、小沢をいくつか横切りながら進む。最後の小沢を横切ると、胸突き八丁の急登が続いた。

 

道は急な登りと平坦でやや痩せた尾根が交互に現れる感じ。所々に「●合目」表示のポールや看板が設置されている。
平坦な尾根に乗ると樹林を脱することが多く、周囲の展望が望める。

▼黄葉が中心で、所々紅葉が混じる感じ。山の上部ではもう枯れかかった葉を多く見かけた。

 

▼五合目を通過(11:15)。ここでの合目表示は高度ではなく、距離換算でつけられているようだ。このコースは、写真に有るような大岩がとても多い。

 

▼この岩の先で道が無くなっているように見えたが、岩に沿って回り込むようになっていた。

 

▼岩の上に積もった濡れた枯れ葉が多く難儀させられる箇所が多い。ここは鎖はあるものの足元が悪いバンドをトラバースすることになった。

 

▼トラバース後に振り返ったところ。

 

▼九合目に到着。背後に、左から、八海山、駒ケ岳、中ノ岳が並ぶ。来年こそはオカメノゾキに行けるだろうか。

 

▼左には、魚野川沿岸の里が広がる。

 

▼金城山の最高地点。周囲は藪で囲まれており、山頂標は設置されなかったようだ。辺りは小さな湿地になっており、その奥に赤リボンがあり、イワキ頭や巻機山へと続く稜線の入口を示しているものと思われた。

 

▼最高地点からいったん下って登り返すと避難小屋に到着。入口は何枚もの板で覆われ、利用時は1枚ずつ板を外して入るようになっていた。板の隙間からドアノブを回してみるとドアは開いたので、冬でも避難小屋としての機能は維持しているようだ。

 

▼避難小屋を過ぎてすぐに、屹立する岩峰が目に飛び込んでくる。人が居るあそこが金城山の山頂として選ばれたようだ。

 

▼ズーム。

 

▼やっと「山頂」の到着(13:30)。さっきまで居た2人は下山したようだ。

 

▼「山頂」からは巻機山の雄姿に圧倒される。昨年車窓から眺めた時は雪を被っていたが、今年は全く雪は見られない。いずれ巻機山の裏側から登ってみたい。

 

山頂からはすぐに急な下降が始まる。ガレ場の縁を辿ったり、水場表記のある場所を通過。ここまででだいぶ時間がかかってしまったが、観音コースと滝入コースの分岐で逡巡。コースタイムは前者の2時間半に対し、後者は2時間。前者であれば最終バスには余裕がありすぎで、六日町に着くのがだいぶ遅くなってしまう。後者であれば、頑張れば何とか最終バスに間に合いそうだ。よって急遽、滝入コースに下降路を変更することにした。

▼観音・雲洞コースと大月・滝入コースの分岐

 

ここからも急下降が続くが、この日、履いていた靴がアプローチシューズで、山頂以来、爪先が痛くて仕方ない。そのうち、靴先を正面に向けて降り続けるのが困難になり始めた。また、道も沢沿いをトラバースしたり、藪に道が隠れた個所が多くなり、まったくペースが上がらない。そのうち闇夜が近づいてきて、最終バス(宮村17:17発)には間に合いそうもなくなってきた。

▼大滝。この下が二合目。

 

最後の渡渉点で明かり無しには進めない状況に陥ったが、何とか登山口に戻った(17:30)。しかしこの頃には爪先の痛みがひどく、普通には歩けない状態になってしまった。こんな状況では、翌日の飯士山は難しいと判断し、断念することにした。
里に下りて、少し街道を下り、五十沢温泉入口の看板辺りからタクシーを呼んだ。このまま帰京するのも何なので、六日町駅付近で日帰り入浴できる施設がないか聞いたところ、「湯らりあ」を勧められたのでそこに向かってもらう(2,640円)。

「湯らりあ」では愛想のよい奥さんが受付をしており、入浴料は400円。石鹸などは別料金というシステム。受付の方からは「湯が熱いので気を付けて」と言われ、恐る恐る湯船に足をつけると相当な熱さだ。45度くらいはあるのではないか(源泉は52.9度との表示あり)。仕方ないので、水道でうめはじめたところ、他のお客さんから「皆、家に風呂があるのに、この熱い湯を求めて来ているのだから、あまり水を出さないでほしい」と注意を受けてしまった。全くその通りで、水道のそばにも「水を多く出すと効能が弱まり、また湯量が少ないのでまた温度を上げるのに時間がかかってしまう」旨の注意書きが書かれていた。しかし、水道のおかげで、少しだけだったが熱い湯に身を沈めることができたのは良かった。

湯から出たのは19時半ごろ。ラグビーW杯の決勝が行われている最中だった。こんな時間でも東京に戻れるのは新幹線のおかげ。いろいろあった南魚沼日帰り山行であったが、越後三山を含め、また来年来てみたい。この後、六日町駅19:50発で越後湯沢に向かい、20:25発の新幹線で帰京した。


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