ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

本当の知恵

2020-07-16 | アメリカ事情

dailyherald.com

 

 

ジョージ・メイソン大学の経済学教授、Walter E. Williamsウオルター・E.・ウィリアムス氏をご存知でいらっしゃろうか。彼は新聞雑誌連盟のコラムニストであり、古典的自由主義者で、おそらく彼が世に知られるのは、個人的・経済的双方の自由主義の考え方を持ち、よく耳にする合衆国アフリカ系アメリカ人に多い大きな政府を支持する、あるいは過去の歴史からくる不公平さや不幸をことさら過大評価すると言う思想の持ち主ではない、ということであろうか。彼のコラムや著書を読み、ラジオやテレビでの発言を聴くたびに、彼のこうした筋の通った不屈な精神は、人種を問わず、万人に通じるものだと感心さえするのだ。

以下はそんなウオルター・ウイリアムス執筆の人気コラム一つで、題してInsults to Black History「黒人歴史への侮辱」である。

 

*******

 

多くの白人は、奴隷、ジム・クロウ*そして醜い人種差別の歴史を恥じている。多くの黒人は、過去のそして現在の黒人であることへの不公正への怒りを持ち続けている。白人と黒人のどちらもが、黒人歴史をよりよく理解すれば、その恩恵を受けられる。


多くの場合、見過ごされ、無視されるのは、黒人のアメリカ人が歴史上他の人種グループよりも短い期間で、最も高いハードルのいくつかを超えて最大の利益を上げてきた、という事実だ。


たとえば、黒人のアメリカ人の収入と支出を合計して、国内総生産のある独立した国と見なした場合、黒人アメリカ人は裕福な上位20か国にランクインする。黒人アメリカ人のコリン・パウエル将軍はかつて世界最強の軍隊を率いていた。黒人アメリカ人は世界で最も有名な人々の中に数えられ、その中には、投資家のロバート・F.・スミス、ITサービスプロバイダーのデビッド・スチュワード、オプラ・ウィンフリー、バスケットボールスターのマイケル・ジョーダンなどである。さらに、黒人の米国大統領もいた。

 

こうした成果の重要性は言い尽くせない。南北戦争が終わったとき、奴隷も奴隷所有者も、そのような進歩が1世紀半も経たないうちに可能だとは信じていなかっただろう。このように、それは人々の勇気・度胸を物語っている。同様に重要なのは、そのような利益が可能だった国の偉大さを物語っている。アメリカ合衆国を除いて、地球上でこのような進歩を達成できる場所は他にない。

 

私たちが直面する問題は、これらの利益を、とらえどころがないと証明される黒人人口の約4分の1にどのように拡大できるかである。最初のステップは、公民権闘争が終わり、勝利したことを認めることである。かつて、過去黒人アメリカ人は他の誰よりも憲法上の保証を享受しなかったが、今はできるのだ。後を引く人種差別の存在を否定できないが、人種差別は、今や黒人コミュニティの大部分が直面している大きな問題ではない。

 

主な問題は、いくつかの公共および民間政策が依存と無責任で(黒人に)報おうとすることである。こうした政策の中で最たるものは、婚外出産の75%をさらに助長し、ジム・クロウと人種差別を生き延びた黒人家族を滅ぼさんとする福祉国家である。 1940年の黒人非嫡出子(婚外出産)率は11%であり、ほとんどの黒人の子供はふた親の家族で育てられたことを留意せねばならない。おおよそ貧困層(約25%)は、母子世帯に見られるが、夫婦でなす黒人家族の貧困率は、20年以上にわたって1桁にとどまっている。

 

黒人は、劣等感と無責任を報いる二重基準と公共政策と民間政策に感謝できるが、そうした風潮は1920年代、30年代、40年代、50年代にはなかったこととである。仮にあったとしても、世界で最も成功した公民権運動を生み出した類の知的卓越性と精神的勇気はなかった。 1800年代後半から1950年まで、一部の黒人学校は学業成績のモデルだった。ワシントンのダンバー高校の黒人学生は、1899年には早くも白人の学生の学業成績を上回っていたのだ。フレデリックダグラス(ボルチモア)高校、ブッカーT.ワシントン(アトランタ)高校、ブルクリンのPS学校91、ニューオーリンズのマクダナウ35番高校などは、同様に卓越性を持って運営されていたのだ。

 

自己破壊的な行動、主に黒人の学校でのそうした行動は、今や大目に見られ、受け入れられさえするようになり、今日の教育の機会は日常生活で浪費され、それは前世代が血、汗、涙で支払った闘争に対してのひどい裏切りに他ならない。その闘争を乗り切った世代の黒人は、もはや生存していないが、そのような裏切りの可能性が将来あろうとは、夢にも思わず、また信じていなかっただろうと私は保証する。

 

政府は憲法上の権利を保護するという(本来の)仕事をすべきである。白人の罪悪感に触発された温情主義によって窒息させるのではなく、黒人を単に放っておくべきである。その点で、私は読者に私の「容赦と免罪の宣言」を紹介したい誘惑に抵抗できない。それはヨーロッパ系アメリカ人先祖への特赦であり、そうすれば彼ら白人は罪悪感を感じなくなり、それ故にアフリカ系アメリカ人との関係において愚か者のように振る舞うのをやめられるのだ。

*Jim Crowジム・クロウとは:1876年から1964年にかけて存在した、人種差別的内容を含むアメリカ合衆国南部諸州の州法の総称で、主に黒人の、一般公共施設の利用を禁止制限した法律。ジム・クロウという名は、ミンストレル・ショー(Minstrel Show、白人が黒人に扮して歌やダンスをするコメディ)の1828年のヒット曲、Jump Jim Crow(ジャンプ・ジム・クロウ)に由来する。当時のコメディアン、トーマス・ダートマス・”ダディ”・ライスThomas Dartmouth "Daddy" Rice)が顔を黒塗りし(ブラックフェイス)、黒人に扮しての演技が全米で人気を博した。ジム・クロウは田舎のみすぼらしい黒人を戯画化した人物で、着飾った都会の黒人のジップ・クーン(Zip Coon:クーンはアライグマであるが、軽蔑して黒人をこう言う)と共にミンストレル・ショーの定番キャラクターとなった。1837年までに、ジム・クロウは黒人隔離を指す言葉としても使われるようになっている。(参照:ウィキ)

 

rightmind.us

ウオルター・E.・ウィリアムスの知恵

「泥棒は連邦議会議員より道徳的である。 泥棒はあなたのお金を盗んだとき、あなたに彼に感謝するよう要求しない。」

 


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