大きなおにぎりが2つと、きれいな卵焼きと、こんがり揚がったから揚げと、
肉巻きレンコンと、ブロッコリー。裕太の大好きなミニハンバーグも
入っていた。
「どうして?」と思うけど、母さんだって、裕太に好きなだけ、
楽しませてあげたいと、思っているのだ…
そう、思い至る。
裕太はたまらず、手づかみで、おにぎりを1口かぶりついた。
ほどよい塩加減に、思わず母さんのことを、思う・・・
こうやって、空を見上げながら、お弁当を食べていると、
まるで遠足か、ピクニックに来ているようだ。
木の陰から、気持ちの良い風が吹き抜けて、遠足日和だ。
たったひとりだけれど、全然寂しくなんかない。
こうやって思う存分、動き回れるのが、1番楽しい…と感じていた。
母さんの作る甘い卵焼きを食べたら・・・元気が100倍よみがえって
きそうだ。
裕太は、指先についた米粒1つ残すことなく、完食すると、
地図をまた、取り出した。
今現在は、丁度、島の半分くらい。
あと残り半分回ったら、今日の予定は終わりだ。
地図に指を這わせると…今までのルートと照らし合わせる。
思ったよりも、早く回れるのか?と、少しうれしくなった。
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