その日のことを想像すると、とても楽しみになった。
たとえ今、はなれて暮らしていても…きっとこの思い出は、
2人にとって、忘れられない、かけがえのないものになるであろう…
と。
再び裕太は、ペダルに足を乗せると、
「さぁ!これから、ボクたちの宝探しをするぞ!」
勢いよく腕を、天にも届けよ、と言わんばかりに、突き上げた。
ようやく小学校を通り過ぎると、海へとつながる道へとやって来た。
「あと少しで、目的地だ」
裕太は、側にいるソウタに向けて、声を張り上げた。
「やった!」
颯太は嬉しそうに、歓声をあげた。
舗装道路が次第に、ガタガタ道へと変化する。
裕太は海を眺めると、
「途中、寄り道をしていないから、予定よりも早く着きそうだぞ」
と、嬉しそうに言う。
「何があるかわからないから、予定は余裕を持たないと。
神社に着いたら、ちょっと早いけど、休憩しよう」と言った。
たとえ若い2人でも、かなり坂道を上がったので、少し息が切れている。
ここらで休憩するのは、正直いうと、助かるなぁと、颯太もうなづいた。
いつの間にか、灯台のあるガケが、近付いている。
「思ったよりも、小さな島だな」
颯太がそう言うと…
「ガッカリしたか?」と裕太が聞いた。
「そんなこと、ないよ」颯太がつぶやくと、辺りを見回し、
「自転車で、1周出来そうだな」
空を見上げて言った。
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