ここでは、スプリンターズSを振り返ってみたいと思います。

 

なお、本来であれば、重賞勝ち馬の血統考察をするところですが、今回は血統考察は割愛します。

今回の勝ち馬については、セントウルSの振り返りの際にも同様の扱いとしておりましたので、これを踏襲いたします。

このレースの有料メルマガ配信予想の中では勿論血統考察をしておりましたが、その考察内容からは、無料ブログでは秘匿の必要がある内容と判断しましたので、何卒ご理解願います

 

スプリンターズS

1着・タワーオブロンドン

 Raven's Pass、形相遺伝考察は割愛します

ローテ的体力は料的遺伝4.25であり、激走後は中程度は必要。

 

早いもので今年も秋G1戦線が開幕となりました。

その開幕戦となった今年のスプリンターズSは、久しぶりに前半3F32秒台というタイトなレースとなりましたが、中団から徐々にポジションを上げた本馬が末脚を繰り出して快勝しています。

勝った本馬は、今夏からスプリント路線へ転向して一気にサマースプリントチャンピオンに輝き、その余勢を駆ってのごとくG1制覇を果たしましたが、サマースプリントシリーズが創設されて以降、そのシリーズチャンピオンがスプリンターズSを制したのは初めてになります。

この陣営は間隔を取りながら馬を使う傾向がある中で、その禁を破って使い詰めで制したあたり、挑んだ甲斐があったことでしょう。

 

私は本馬が勝利した前走セントウルSの考察の際に、次走スプリンターズSでは中2週となることから、本馬の料的遺伝の観点からは、陣営には相当の工夫が求められることになり、名伯楽の調整手腕に注目と述べておりました。

この陣営は、管理馬に対して普段から複数併せによる馬なり調教が多い印象がありますが、本馬の今回の中2週の調整過程は、計時こそありましたが、普段以上に軽く流すだけの内容に留め、体力の温存に専念した内容に見えました、

今春のG1戦線では、他陣営の話ですが、ローテ間隔が詰まって料的遺伝の観点からは体力温存が求められるところ、大一番ということで渾身の仕上げを施し、過酷な調教を課された馬は体力を使い果たし、充電がゼロになってレースで凡走するという有力馬を何頭も目にしました。

 

実は本馬の管理トレーナーである藤沢調教師は、私が研究を続けている中島理論の提唱者である故・中島国治氏と面識があったことが分かっています。このことについて、中島氏の著作「0の理論」に以下のような記述があります。

 

「中島さんの記事があと半年早ければ、タイキブリザードをあのようなローテーションでブリーダーズカップに遠征させなかった。」

 

この記事とは、競馬最強の法則平成10年1月号の記事を指しており、2度目のブリーダーズカップ挑戦のことを指していると診られます。

ローテーションとは言っても、料的遺伝の内容とは異なるのですが、藤沢調教師は少なくともこの時期には、中島理論について認識をしていたことが分かります。

故・中島氏は、馬産の現場で理論に基づいて馬の配合にも関わり、幾多の活躍馬を輩出し、競馬界でも知られる存在でした。提唱する理論については一笑に付されることもあったようですが、藤沢調教師は耳を傾けていたことが分かります。

 

日頃からの管理馬の調整を診ても、そして今回の本馬の調整を診ても、藤沢調教師は中島理論の料的遺伝の考え方を認識し、実践しているように私には感じられます。そして、今回の本馬の勝利の背景にあるものと感じます。

蛇足になりますが、日頃の馬の調整や起用方法などから診て、関東の某大御所K調教師も、おそらく中島理論を認識しておられるのだろうと私は感じています。

 

さて、本馬はスプリント転向4戦目でG1勝利となりましたが、さすがに一連のローテは厳しかったと言えます。今後は未定のようですが、まずはゆっくり休養が必要と診ます。

そして、今回の勝利で種牡馬としても将来期待がかかることになると診ています。

このブログでもこれまで何度も述べているように、サンデー系種牡馬やキンカメ系種牡馬の血が溢れ返って血が行き詰まりを見せている中にあって、このレースは、父が非キンカメ系のミスプロ系が4連勝となっています。

これに、春のスプリント王者であるミスターメロディの血を含めて、日本競馬の種牡馬の血のバリエーションが増えていくことを期待します。

それにしても、本馬がゴール寸前で逃げ馬を捕まえた走りは、父 Raven's Passという日本ではマイナー種牡馬の闘争本能が垣間見えた走りと診ました。

 

 

それから、1番人気に押されたダノンスマッシュと、春のスプリント王者ミスターメロディについて触れます。

今回は戦前の予想どおり、モズスーパーフレアが逃げるレースとなりましたが、この2頭は過去にモズスーパーフレアが逃げたレースへの出走歴があり、その戦績を診てみると・・

 

ダノンスマッシュ ファルコンS   1番人気7着

         高松宮記念    1番人気4着

         スプリンターズS 1番人気3着

 

ミスターメロディ ファルコンS   3番人気1着

         高松宮記念    3番人気1着

         スプリンターズS 6番人気4着

 

となっており、奇しくも両馬とも同じ3レースとなりましたが、モズスーパーフレアが逃げて作り出した血統ペースへの適合が良いのは、ミスターメロディということがお分かりになると思います。

ミスターメロディについて、巷ではサウスポーという認識が広まっているようで、今回右回りということもあり、春のスプリント王者でしたが6番人気と評価を落としていました。

道中は積極的に2番手で進みましたが、最後の直線では手前の捌きが上手く行かず、伸びを欠く結果となりました。

私がこのブログで以前から指摘していたように、やはり右回りが苦手ということを露呈しましたが、道中の位置取りの良さは、血統ペース適合の良さを示した走りだったと診ます。もしも仮に、このレースが左回りで行われていたら・・と思ったのは、私だけではないでしょう。

 

そしてダノンスマッシュについて、前出の3レースを診ると、いずれも1番人気を裏切って冴えない走りとなっています。

今回3着に敗れたことについて、陣営は内枠を敗因に挙げているようですが、そもそも近年のこのレースは内枠有利とされており、昨年まで人気薄馬が毎年のように好走を続けています。

私に言わせれば、モズスーパーフレアが逃げて作り出した血統ペースへの適合具合がズレていることにより道中流れに乗れず、位置取りが悪くなってしまって、馬群から抜け出すのに手間取る要因になったということになります。

本馬は、シルクロードSでは内ラチ沿いから馬群を抜け出して快勝していますが、今回の走りはその走りの印象とは程遠く、馬群を抜け出してきたものの時遅し、やはり反応が鈍かった印象があります。それでも、最後は3着まで押し上げてきた走りは、本馬の能力の高さを示したものと診ます。本馬にとって、モズスーパーフレアの存在は目の上のタン瘤と言えるでしょう。

 

 

私はこのレース、メルマガ配信予想において3番人気モズスーパーフレアを本命としておりました。

内容としては、アタマ1着の評価を中心に推奨しておりましたので、最後の最後に悔しい思いをしましたが、他馬も順当に評価できており、読者様の一定のお役に立てたものと考えております。

 

その私のコンテンツ「重賞分析極秘ファイル」は、平地重賞を対象として、レースの主要な出走馬について血統ペース理論及び中島理論の観点から、どの馬が有力なのか、どの馬が危険なのか、主要馬を中心に診断した上で穴馬を含めて予想する内容のコンテンツです。

前出のスプリンターズSの他にシリウスSを予想評価しましたが、ヤマカツライデンの逃げを想定した上で3番人気ジョーダンキングを本命評価としましたが、逃げ馬を読み違えてしまいました。

秋競馬のようで夏競馬のようでもある9月開催が終わり、東京・京都開催になるといよいよ秋競馬の本格化を感じます。引き続き頑張って分析及び予想していきたいと考えております。

メルマガについてはリンクをブログ右側に貼っておりますので、有料となりますがよろしかったらお願いいたします。

 

今日はここまでです。

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