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【国試】113回医師国家試験映像講座レビュー【予備校】

はじめに

 113回医師国家試験を踏まえて映像講座のレビューを書いていきます。成績はテコ1(6年夏前模試)般臨63%必修72.5%から本番般臨84%必修92.5%(講師速報)なので教材の有効利用はできたと思います。

 

 時期ごと(臓器別→後期→直前)に自分が受けた講座についてレビューとオススメ度を書いています。中途半端に受けた講座は(未修)にしてオススメ度はつけてません。かなり細かいので、講座評価だけでなく実際勉強する際の指針にも使えると思います。よろしくお願いします。

 

 

臓器別(前期)講座

MEC臓器別・小児産婦救急(☆3?)

 メジャーをDr.渡、マイナーをDr.考志郎(以下KSR)など複数人が担当。産婦はDr.榎本、小児と救急もKSRが担当。僕がMECの臓器別を観た6年の4月はやる気がなくて記憶があまり残ってません。なのでおすすめ度は?付きです。


 渡先生のメジャーの授業はシンプルで分かりやすかったです。ただ暗記分野を「ここは覚えてください」終えるのは辛かったです。


 マイナーは整形外科のクオリティがかなり低いです。何回も板書間違えるし、問題解説も友達が解いてるみたいでした。MEC一本の人も一度観てダメならQAかmedu4を買ってもよいかも。その他のマイナーは悪い印象はありません。


 KSR担当のマイナーは流石のクオリティ。エピソードで内容を覚えられます。しかし、自分で授業内容を整理しないと疾患の印象が混ざって全部忘れます。聞きっぱなしNG。またKSRの担当科目は年度で違うみたいです。

 

 KSR救急と榎本先生の産婦もあまり記憶がないです……

 

 KSR小児も症例のエピソードがすぐに頭に入ります。ただテキストは微妙でマイナー同様受講しただけだとすぐ忘れます。


 MECはテキストがデカくて重いです。持ち運び不向き。画像的な分かりやすさもないです。あと動画がスマホで観るには不便。

 

 オススメ度は☆3?。渡先生やKSRらの授業は高品質だけど、テキストや動画の使いやすさ、復習しやすさに難アリ。勿論MECで始めた方は最後までMECで合格に不足ないです。整形を除く。

 

 

Q-Assistメジャーマイナー(☆4)

 QBのmedic mediaが出している講座。2018年12月に全講座(小児産婦含め)が揃いました。2018年度まではQBを購入で公衆衛生以外無料でした。2019年度からはメジャー以外が有料化のようです。メジャーと小児産婦をDr.清澤、マイナーの大部分(と公衆衛生)をDr.盛永が担当しています。テキストは電子化か印刷か選べます。

 

 僕は6年夏に試しに観たQA神経が分かりやすく、以降の臓器別はQAで進めました。他の講座もメジャーマイナーともに期待を裏切らない出来でした。

 

 清澤先生の授業は丁寧です。テンポも〇。メジャーの難所は複雑な病態生理や膨大な暗記事項で多くの医学生が躓きます。しかし、QAではゴロや例え話によって難所が緩やかな坂に変化し誰もが取っつきやすいです。「初心者でも安心」がQAメジャーの特徴です。勿論平易な内容だけで終わってもいません。その他、スキマ時間の倍速など隅々まで気遣い溢れる講座です。先生モテそう。

 

 盛永先生のマイナーはコスパ重視です。QAマイナーでは出題のパターンを教えてくれ、平均難易度への対応力を短時間で身につけられます。QAマイナーでは必要な解剖や病態と合わせて教えられるので、“理解に紐づいたパターン化”になっていてただの暗記ではなく、問題の切り口を変えられて大やけどもしないです。しかし、救急など科目によってはパターン化自体が結構危険な時もあります(私見)。

 

 QAは洗練されたテキストも強みです。画像や表で整理されていて復習しやすい。1講座が疾患ごとに分割されていて動画復習が容易なのもポイントが高いです。あとTECOM、MECより安い。

 

 ただ、2018年度版では暗記事項を復習するための機構がテキストがありませんでした。清澤先生曰く暗記事項復習用の穴埋めプリントが用意されるらしいです。門の広い講義、洗練されたテキスト、復習用の穴埋め、これらが揃うので今後に期待大です。

 

 オススメ度は☆4です。2018年度は復習プリントがなかったので。これから後期講座なども出て、QA一本で基礎医学から国試までカバーできるようです。後期講座も網目の細かい授業が提供されるのでしょう。フルセット揃うのが初年度なので賭けになりますが、二人を信じてQA一本で勉強するのも悪くないと思います。

 

 

medu4あたらしいシリーズ(未修)

 medu4のメジャーマイナー小児産婦救急。担当は全てDr.穂澄(以下HZM)。テキストは電子化か印刷か選べます。テキストに穴埋めがあり、講義中に赤ペンで埋めます。その後赤シートによって穴埋めの内容を覚えなおすことで基礎知識を習得する……らしいです。僕はmedu4のメジャーマイナー取っていないの評価できませんが、後期のHZMの講座を受講した限りでは臓器別講座として選択して失敗はないと思います。HZMが苦手だった場合を除く。

 

 ちなみに僕は救急のみあたらしいシリーズを取りました。medu4の救急は、症例文から状況をイメージして最適解を選択する「考える救急」を推しており、救急の解き方を理解できました。問題文を読み込み証拠を揃えて総合的に考える解法は救急に限らず役立ったので、その点でも良い講座でした。

 

 

後期講座

MECサマライズ(☆4)

 国試の神ことKSRがメインの講座。2018年度は受験生約1万人中7500人が受講していたらしいです。メジャーは頻出疾患ごとに病態生理、暗記事項、出題形式、予想問題がまとめられて、マイナーは救急疾患と前年度の過去問がまとめられています。小児産婦はないです。

 

 サマライズ(後期講座全般)の役割は主要疾患の総復習と解法の会得です。基本臓器別講座は穴のないよう手広くやるもので、よく出題される範囲を深めるのが後期講座です。逆に言うと秋口からの臓器別講座を復習するのはコスパが悪いです。後期講座の内容を身につけることが国試で安定して点を取る近道だと思います。

 

 なかでもサマライズの強みは、分かりやすい病態生理良く研究された暗記事項基本出題パターンの把握、です。

 

 病態生理は本番で初見の問題を解くのに必要です。主要な病態生理を抑えると点数の安定につながります。サマライズの病態生理はKSRの要約によって必要な分だけ単純化されています。抑えておいて損はないでしょう。

 

 暗記事項は国試の過去問を研究して集めてきた事項や頻出の引っかけが載せられています。若干オーバーワークですが、復習の際に目を通しておくと一般問題で点を拾えます。

 

 基本出題形式の把握後期講座としての肝要な部分です。疾患ごとに頻出のパターンがあり(ex.肝がん治療選択)、体得することで皆が解ける問題を確実に取れます。出題パターンは確実に抑えておきたいです。また、問題演習ではKSRが解法を示してくれます。所謂緑のたぬき赤いきつねです。どの問題でも共通な知識を「緑のたぬき」、問題ごとのカギとなる部分を「赤いきつね」としてどう正答が選べるのか教えてくれます。自分で同じ解法をなぞると便利です。

 

 サマライズの議論になる部分はやはり予想問題です。KSRの予想問題がサマライズには結構載っています。以下(HZMから受け売りした)僕の考えとして、予想問題を沢山用意すれば当然数問当たりますが、費用対効果としては微妙です。的中して騒がれた問題の背景には大量の非的中問題があるからです。しかも新出問題は基本的に正答率が上がらないので、その問題は解けなくても合否に関わりません。113回はサマライズ的中はあまりなかったです。予想問題よりサマライズの他の部分を深めた方がいいです。

 

 オススメ度は☆4です。皆と同じ勉強をする定石を踏まえてもサマライズを後期講座に選択するのは間違ってないです。特に上で挙げた3つの強みについてサマライズは優秀なのでone of the best slectsと言っても過言ではないでしょう。

 

 ただし後期講座は絶対サマライズ!かと言うと微妙です。後期講座の主目的は頻出問題の復習と解法の会得です。それを果たすのにTECOMの後期講座などから高い金を余分に払って乗り換える必要はないと思います。授業が合わないなら別ですが。自分が信じた予備校をやり遂げるのが一番です。

 

 

medu4テストゼミ(未修)

 medu4の後期講座です。講師はHZM。僕はテストゼミ予想編だけを直前期にやったので話は直前期に回します。

 

 

その他の後期講座 

medu4特講シリーズ(未修)

 輸液、酸塩基、栄養、判断評価、必修、禁忌など近年の医師国家試験で比重が増加した分野を重点的に学ぶ講座です。僕は必修と禁忌講座を受講しました。

 

 必修講座は所謂必修ブロック網羅ではなく必修のみで出題の医療面接や手技の講座です。やや平易で必修のQBがあれば絶対に必要とは言えないです。medu4過去問DBの派の人は必要かな。分かりやすさは文句ないです。オススメ度は☆3-4。

 

 禁忌講座は実際の問題とともに禁忌肢を理解していく講座。112回は禁忌単独落ちが出て、113回も明らかに禁忌を匂わせて学生を脅す問題が多く、禁忌なのか判別する力が必要でした。本番明らかな禁忌をすぐ切れたのでこの講座は有用です。予習が必要で面倒ですが横断的に復習できて◎。あと禁忌への心構えを教えてもらえるのも嬉しい。オススメ度☆4。下のQA禁忌とどちらかでいい。

 

 

medu4update講座(☆3)

 111回以降、各年度ごとに初めて出題された内容をピックアップする講座。必須ではない。冬前に過去問3年分やる前後でやるのがベストなタイミング? オススメ度は☆3です。

 

 

Q-Assist公衆衛生(☆5)

 担当は盛永先生。1コマ40分で20コマ強。

 

 公衆衛生は国家試験で最も出題数が多く手が抜けない割に範囲が膨大です。班員が「公衆衛生の暗記が怠い」ボヤいていたので、思い切って追加購入し公衆衛生をQAで始めました。結果として大正解で、公衆衛生が面倒だと感じることもなく本番の得点源になりました。

 

 QAマイナーで書いた盛永先生のパターン化が、公衆衛生で最大限に生きてきます。公衆衛生の範囲は無限大ですが、問われるポイントは大体決まっています(盛永先生談)。しかし、一人でそれらを見つけるの大変です。QA公衆衛生では盛永先生が解法のポイントを何度も言ってくれるので、先生と一緒に解いていくだけで解法のポイントが自然と使えるようになります。

 

 僕は国試直前期の詰め込みもQA公衆衛生付属の問題を使ったので、個人的には公衆衛生はこの講座だけで過不足なく勉強できると思います。

 

 不満点は疫学の計算問題の分かりにくさです。最初相対危険度とオッズ比が混ざってました(自分のせい?)。

 

 オススメ度は☆5です。本当に公衆衛生で苦労しませんでした。

 

 とはいえお金の問題もあります。QAの公衆衛生の質は保証しますが、わざわざ乗り換える必要の有無は分かりません。以下小耳情報ですが、他に公衆衛生で評判がいいのはmedu4(分類が分かりにくい意見もアリ)です。MECとTECOMも別に分かりにくいとかは聞きません。

 

 

直前期講座 

Q-Assist必修予想禁忌(☆3-4)

 直前期に出される必修予想と禁忌100選の講座。2018年度は1コマ40分で6コマ。講師は清澤先生、盛永先生。2018年度はメディックメディア模試を受験するか、一斉受験校ならタダで受講可でした。

 

 必修臨床問題を確実に取る為に治療や器具の特徴を整理する講義が3コマ。例えば心不全の治療でもある薬が心拍数を上げるのか下げるのか分からないと最適な薬は選べません。何となく解いてきて曖昧になってる分野を整理でき、痒いところに手が届く授業です。

 

 必修手技問題を予想する講義が1コマ。予想的な問題が多いです。1コマなのでこの講座で手技範囲全てはカバーできません。(もしかしたら2コマだったかも)

 

 昨年度の禁忌問題と禁忌肢100選を順に解説する講座が2コマ。禁忌肢100選は箇条書きで並んでいて超直前期で見直すのにも有用です。ただ初見の内容もあり少しオーバーワークな気もしました。medu4禁忌とどちらかでOK。

 

 オススメ度は☆3-4です。最初の3コマと禁忌肢100選が便利です。便利だけど必須ではないぐらい。

 

 

MEC直前予想講座(未修)

 直前期に配布された講座。1コマ1時間で6コマ(のはず)。サマライズ含めた全科目の復習と予想問題。講師はKSRとDr.高橋。サマライズの復習したかったけど時間がなかったのでスルーしました。国試過去問正当選択肢集など超直前期に便利そうなページあり。余裕あるサマライズ勢には有用ぽい。

 

 

MECラストメッセージ(☆3)

 夏頃に募集されすぐ満員になる、選ばれし者しか観られないKSR直前講座。サマライズのKSRは全員がラストメッセージ取っているていで喋るのでスルーすると後悔します。国試の神、性格悪くない?

 

 内容は解法の確認と必修特化の予想問題。1コマ1時間強で4コマ。ボリュームはないので復習する余裕はあります。逆に超直前期に覚え込むものとしては不向きです。

 

 ラストメッセージは内容よりKSRの心構えや励ましが重要でした。「KSRが絶対大丈夫って励ましてくれた!本番もいけるはず!」てな感じで元気をもらえる。さぁ皆も唯一神KSRと融合し輝ける新世界の一部になろう。決して邪教の神の甘言に乗せられて予想問題は合否を分けないなど世迷い言を口にしないように。

 

 オススメ度は☆3。サマライザーは夏頃の募集を逃さないようにしましょう。後悔します。ただ配信講義だと国試数日前に配信なので忙しいならスルーも可。公衆衛生詰め込みや問題演習より重要度は低いです。別に必須でもないので取れなかったら気にしないのが吉。

 

 

Q-Assist直前Assist(未修)

 Q-Assistの直前予想講座。2018年度はメディックメディア模試を受験した人はタダ。講師は盛永先生。1コマ40分で4コマ……だったはずです。

 

 友達にテキストを見せてもらいました。序盤は初見の知識ばかりでオーバーワークな印象。中盤から得点差がつく部分と近年臨床でアツい知識が列挙されていて、過去問3年分で見た内容も多かったので良い復習になりそうでした。

 

 ラストメッセージと違いボリュームがあるので他の講座と並行するのは厳しそう。完全初見の予想問題を覚えるコスパは微妙だと思うので、ある程度スルーする決断力が必要かも。実際その友達は序盤飛ばしてました。

 

 

TECOMラストV(未修)

 テコムの予想講座。超直前期に数日間に分けて行われる。かなりボリュームがあるみたいです。

 

 

medu4国試究極MAP(☆5)

 medu4の直前講座、大体国試25日前に解禁されます。予想講座ではない。重要知識が上手く配置されたMAPが科ごとにあり、それをなぞるようにHZMが講義します。MAPでは、箇条書きではなく、消化管なら消化の流れに沿って写真的に覚えやすいように知識が配置されています。1コマ1時間強8コマ。直前期にこれを3周して全ての科(公衆衛生、必修含む)の知識を抜けなく詰め込めます。

 

 究極MAPの詳しい効能については 国試究極MAPのススメ! | medu4.com を参考にしてもらうのが一番早いです。

 

 実際MAPをやり込んで感じたメリットは、短時間のQB1周目問題レベルの対策覚えにくい知識の超直前期詰め込み疾患概念の整理、です。

 

 QB1周目問題レベルの対策について。QB1周目レベルの問題は難易度的に落としたくないです。しかし、直前期に1周目問題を全部解きなおすのは切羽詰まった人には無理です。実際に解く人もできて1回しか解けません。MAPで網羅された要点を覚えると両者に有益で、前者は知識上でも準備ができ、後者は解いた問題の要点を忘れにくくなります。実際前者だった僕はMAPの知識だけで初見の問題が解けました(必修の心膜炎か何か)。

 

 知識の詰め込みについて。各科目QBには解剖などの知識問題が載っています。これも1周目問題レベルなので得点したい問題です。しかし、直前期にこれらの内容を完璧に覚えているのはQBで勉強を完成させた人ぐらいです。かと言ってQBを取り出して知識問題だけを覚えなおすのも時間かかります。究極MAPはそういう「覚えたいけど今から覚えなおすのは大変」な暗記事項を網羅されています。電子化しても紙でも持ち運び良好なので、超直前期に何度も見直すことで暗記が苦手な人でも詰め込められます。113回ではランゲルハンス細胞とバーベック顆粒、ヘルパーT細胞の作用などがMAPから出ました。MAPで見てなければ僕は絶対正解できなかったです。皆が抑えている過去問の事項は確実に得点したいので究極MAPは詰め込みに非常に有用です。

 

 疾患概念の整理について。僕は直前数週で地力が伸びた自信があって、それはMAPによる疾患概念の整理のおかげだと思います。直前までQAやサマライズの知識が頭のなかで上手く結びついていませんでした。何となく覚えたせいで似たような疾患と特徴がない交ぜで、感覚で解けないととんでもないミスをしていました。究極MAPでは、「ある疾患Aは科目Bの分類Cに属しており、分類Cには他に疾患Eや疾患Fがある。疾患A, E, Fの共通事項はコレで相違事項はコレである」という疾患同士の区別を身につけることで、頭の知識のごちゃつきが整頓されます。頭の中がスッキリすると、サマライズや過去問の復習をした際に明らかに知識の定着スピードが上がりました。当然アウトプットの精度も上がりました。究極MAPをちゃんと勉強すると日々の能率が上がります。

 

 このように僕の思う究極MAPのメリットは、平易な問題を取りこぼさない面倒な暗記事項の記憶に便利知識が整理されinoutともに精度が上昇する、の3つです。この3つのメリットは現代国試を乗り切るのに有用で、上手く使いこなせば大きな武器になります。これが僕が究極MAPを推す理由です。

 

 勿論デメリットもあります。まず一つは、平易な内容がほとんどなので勉強が完成している人にとってコスパが悪い点です。究極MAPは結構時間を食います。前述のメリットが自分に適用されない人はMAPは向いてないかもしれません。どのくらいの偏差値からMAPの効率が悪くなるのかTwitterで言われたりしてますが、僕はテコ4(本番1か月前の模試)が偏差値50くらいでMAPがドハマりしたので、自分に向いてるかどうかはmedu4内のサンプルを見て決めましょう

 

 二つ目のデメリットは適当に見てるだけでは為にならない点です。当然といえば当然ですが……。究極MAPの講義は聞くだけで効果があるようかなりハイヴォリュームです。どうしても聞き流してしまう場面もあります。しかし、聞き流してばかりだと分かったつもりで頭に入ってないときが多いです。内容を覚えなければ上の3つメリットの効果もありません。怪しい分野は「この分類にはどんな疾患があるのか」「この疾患の特徴は何か」など思い出す訓練をして、MAPを画像として覚えてしまいましょう。

 

 三つ目のデメリットは他の予備校と分類や数値が違うので一部の人が覚えにくい点です。例えば、medu4の公衆衛生の分類は少し特殊で僕の覚え方と違ったので、公衆衛生のMAPは分類で覚えるのをやめました。またQAの小児科とMAPの小児科では小児バイタルサインの数値が微妙に違うので(別にどちらで覚えてもいいけど)、MAP版で覚えなおしました。他の予備校で頭が整理されている人はMAP流の分類を入れなおすと中途半端に上書きされるおそれもある、と思います。

 

 四つ目のデメリットはなんといってもHZMのことが苦手だと効率が下がる点です。当然ながらMAPの講義部分はひたすらHZMと向き合うので、合理性の鬼のことが好きになれないと集中できないと思われます。僕の友達はHZMが好きになれなくてMAPも正直微妙だったと言っていたので、講師の好き嫌いは効率にかなり影響しそうです。この辺は向き不向きがあると思います。

 

 以上デメリットもありますが、上手く使いこなせば合格への強固な橋渡しとなってくれるのが究極MAPです。自分に合いそうだと思った人はmedu4内のサンプルを見てみてください。オススメ度は☆5です。

 

 また、僕は予備校を掛け持ちするのはあまりオススメしないのですが、究極MAPについてはTECOM一筋とかQA一筋の人も取るメリットがあると思います。勿論、上の三つ目のデメリットはあります。それでもMAPを推すのは、他の予備校に代替の講座がない、MAPの効果が現在の国試に即している、だからです。なぜ便利なのかは前に書いた通りです。

 

 

medu4テストゼミ予想編(☆4)

 medu4版の後期講座の一部。講師はHZM。1コマ1時間で4コマ。HZMオリジナル問題を制限時間内に解いて、HZMと一緒に答え合わせします。自分の実力が分かり、HZMの解法をなぞることができます。後期講座の一部なのでmedu4民は冬前にやるのだと思います。超直前期にmedu4サイトにて広告されていたので、腕試しと解法演習用に受講しました。

 

 (これもHZMの受け売りですが)直前期は公衆衛生などの暗記分野を詰め込むだけでなく、「一人で問題を解く練習」をするのも大事です。国試400問は知識だけで解ける問題ばかりではありません。臨床重視の近年の国家試験では、問題を読み現場をイメージしたうえでの最善の選択が求められています。超直前期に暗記ばかりしていて、極度の緊張状態にある本番で数百問ある臨床問題を満足いくパフォーマンスでいきなり解ききれるでしょうか。まぁNOでしょう。重要な部分を読み飛ばしてミスをする可能性などがあります。現に113回の必修臨床では問題文のアンピシリンアレルギーを見逃したせいで禁忌疑いを踏んづけた人が多発しました。今の国試には知識だけでなく、ミスなく臨床問題を読み解く能力も求められています。

 

 このテストゼミ予想編はオリジナル問題なので臨床問題を読み解く訓練になりました。その他にも超直前期にはmedu4のサイトにあるプチ演習セットも便利です。オススメ度は☆4です。

 

  

結局ベストな講座の選択って?

 何が最善なのかは人に依るので何とも言えませんが、仮に僕が113回禁忌落ちしていたら114回は、

臓器別[medu4あたらしいシリーズ] + 後期講座[MECサマライズ] + 直前期[medu4国試究極MAP]

で勉強すると思います。

 

 臓器別がmedu4なのは、現状暗記用穴埋めがあるのがmedu4だけでQAの穴埋め実装がいつか分からなから、113回はHZMの解法が一番性に合ったので臓器別をその解法で勉強したいから、です。QAの臓器別が万全ならQAと悩むかも。

 

 後期講座がサマライズなのは、テストゼミは初見の問題が減っているから、来年も大多数がサマライズを取るので皆に合わせたいから、です。QAの夏季冬季講習は初年度様子見です。公衆衛生はQAで馴染んだのでQAです。浪人じゃないmedu4民はテストゼミ◎だと思います。

 

 直前期が究極MAPなのは、上記の通りです。ラストメッセージはメンタルの為にとるかも。ラストVと直前assistは多分取らないです。

 

 まだ一括購入してない人は参考にしてください。

 

 

多国籍勉強のリスク

 ここまで読んで下さった医学生のなかには「もうTECOM/MECで教材一括購入しちゃった……どうしよう今からQA/medu4に乗り換えた方がいいのかな」と不安になった人もいると思います。散々教材レビューしてきて何ですが、別にどこかの予備校じゃないと合格できない訳でもないので全然気にしなくていいです。僕の周りはMECでもTECOMでもmedu4でも合格点取ってます。

 

 強いて言えば4年次の教材一括購入するのは考えてからがいいです。あとから他の予備校に乗り換えにくいし、MECプラチナプランは観ない講座や使わない問題集がありすぎてお金勿体なかったです(勿体ないからって無理に全部観ないように!)。

 

 個人的には、一括購入したら予備校を信じてやり抜くのが一番楽だと思います(MAP以外)。色んな予備校をつまみ食いする多国籍勉強は、自分でベストな選択ができて楽しいですが、リスクがあるのを踏まえて行うべきです。

 

 多国籍勉強のリスクには、分類や暗記事項が微妙に違う教材の取捨選択が大変直前期にタスクが増えすぎる、があります。

 

 分類や暗記事項の違いについては究極MAPのところで書いた通りです。

 

 勉強計画を立てるのは楽しいですが、教材の取捨選択を考えるのは意外と疲れます。その考える時間で肝心の勉強時間が減ると本末転倒です。その点、一括購入は予備校から配られた教材を順にこなせば予備校の計画通りに進められます。自分で選びたいのか、ただ黙々とタスクをこなしたいのか、お財布は大丈夫か、考えましょう。

 

 直前期には各予備校が直前講座を出します。どこの予備校も「うちの教材だけをやれば国試に合格できる」ように準備していますから、全部の直前講座をやると確実にオーバーワークです。しかし、多国籍勉強をすると色んな魅力的な直前講座の情報が入ってきます。これらは取捨選択する必要があります。実際直前期になると分かりますが、直前講座をスルーするのはかなり勇気が要ります。受講してない予想講座から出題されたら……と全部受講したくなります。でも、直前期は過去問、暗記事項、問題解法演習など他に重要なタスクがあります。きちんと自分でセーブして受講しましょう。

 

 僕は113回、臓器別[Q-Assist] + 後期[サマライズ] + 直前[究極MAP]という風に予備校を行き来しました。計画立が好きな性なので満足していますが、計画に時間を取られたり色んな講座に手を出し観ただけになったりしました。また、Q-Assistは無料だったのでいいですが、MECの放置した講座や教材で金銭的に大分勿体ないことをしました。多国籍勉強の際はこの辺を念頭に置いときましょう。

 

 

最後に

 一番大事なのは受講した講座を有効活用することです。どんな講座を取っても身につかなければ無駄です。勉強時間が多いだけでは必ずしも成績は上がりません。今のやり方で本当にいいのか、考えて勉強することも合格への近道だと思います。その一部としてこの記事が役立てば幸いです。

 

 レビューやオススメ度はあくまで個人の感想なのでご容赦いただきたいですが、誤った情報等あれば教えてください。

 

 ちなみに禁忌落ちしたらこの記事は消えます!!!!じゃあな!!!!