久遠のしらべに 1 お引越し版 | ある日突然、東方神起sec

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ある日突然、東方神起からのお引越しです。

このお話は、小学生のころ大好きだった王家の紋章をオマージュさせていただきました。本物は58巻までありまだ続いてますが、どこまで書くかは決めていません。
設定や名台詞を使わせていただきたいと思っています。
私の記憶のみで書くので、細かいことは気にしないでください^ ^。


~現代エジプト~

「はぁ…すごい」
ナイル川を船から眺めるなんてすごく贅沢で、ため息が出る。

「…チャンミン落ちるなよ(笑)…そこまで喜んでくれると嬉しいな」
シウォン兄さんが隣で僕の肩を抱く。

「兄さん、ありがとう」
アメリカとエジプトを行ったり来たり…寂しいけど、石油会社の第一線で働いてる兄さんを尊敬している。
そのおかげで大好きな考古学を勉強するためにエジプトにいれるし…兄さんにはどんなに感謝しても足りない。

「おまえが考古学の勉強頑張ってるからさ…ご褒美だよ(笑)。俺、中に入ってるな」
僕の頭をクシャクシャっとなでて船の中に入っていった。

それにしても…すごい船。
中では食事やお酒が飲めたり、生バンドの演奏なんてものもある。
本当に豪華客船、だよな…。
でも、そんなことより僕はこのナイル川を眺めるのが好きで中に入る気なんて湧いてこない。
今までも、よく川辺から眺めてて…そんな僕を見てたから兄さんがこのツアーに申し込んでくれた。

「もう少し近くで見たいな…」
デッキに出よう…階段を降りる。

騒がしい…何だ?
デッキに出ると、なんだかざわついてて…

「誰か…お願いします…誰か…」
女性が震えながら懇願してる。
周りは年配の方ばかりで…デッキから下を見つめて泣き叫ぶ人もいる。

まさか…悪い予感がしてデッキからのぞき込む。

「女の子が…」
船から落ちて波をかぶって流されていく…

今なら助けられる…これ以上離れたら…無理だろう、迷っている時間はない。
上衣を脱ぐ…お母さんの肩を叩いて、そのままデッキから飛び込んだ。

船からの波に思うように息ができない…でも、女の子はもっとそうだろうと思うと力が湧いてくる。

必死に泳ぎ続けて、女の子にたどり着いた。

「…大丈夫?」
もう、ぐったりしている…息は…してる…良かった。

ここからどうしよう…船を確認する。
船は停まっているようだけど、かなり離れてしまった…ここから船に戻るのは無理だ。

「お~い!兄ちゃん、こっちだ~!」
遠くから声が聞こえる…船から降ろされた救出用の船?

人を抱きかかえて泳ぐなんてしたことない…だけど、少しでも早く助けなければ…僕はその声の方向へ泳ぎ始める。

「よし…もう少しだ…こっちだぞ!」
小型の船から男性の手が伸びる。

「兄ちゃん、よくやったな!」
女の子を引き上げながら僕を激励する。

「よかった…女の子、生きてるぞ!次は兄ちゃん、あんただ…手を伸ばして。」
ここまで必死で…もうその力は残っていなかった…少しずつ視界が暗くなる。

「おい、手を伸ばして!…おい!兄ちゃ………。

遠くなる声…その声を聞きながら、ナイル川に沈んでいく自分を感じていた。








おい…大丈夫か

……誰かに呼ばれてる…さっきの人たちか?

「母さん、人が溺れてる!」

「…ゴホッゴホッ」
たくさんの水を飲んだらしく、むせながら水を吐くと、少しずつ周りが見えてきた。

「大丈夫?」
背中をさすりながら僕をのぞき込む。

「……!?」
その姿に、僕は愕然とする。

そこには古代エジプトの服を着た青年が心配そうに僕を見つめていた。


つづく



ある日突然、東方神起からのお引越しです。


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