母の過去 276 | 不思議なトントン日記

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感動あり泣き笑いのブログにし皆さんが楽しみにしてもらえる事を目指します。
1話完結ではありません。根気よく読んでいただければ嬉しく思います。
時間のある方は初めから読んでいただければ、笑っていただけると思います。

276
 
M銀行の若い行員の方からの電話は母の思うようには
ありません!
でも二日後にはM銀行の若い行員の方ではなく
M銀行を紹介して下さった社長から営業所に電話が
かかって来たのです。
母は嫌な予感が走りました!
M銀行の支店長が自分では断りにくいから
紹介して下さった社長にお願いをして
断りの電話ではないのかと
孫悟空の瞬間移動のようなスピードで考えたのです。
もしかすると孫悟空の瞬間移動のスピードより早く
母の脳内を駆け巡る伝達物質がこの考えを
導いたのかも知れません!
少し震える手で電話に出た母の声も手と同じように
少し震えています。
それも当たり前のことです。
あれだけ期待をしていたM銀行からの
電話ではなく!紹介して下さった社長からの
電話なのですから、
自分のカンが外れている事を期待して
電話に出た母に社長はM銀行はダメみたいやと言われたのです。
母は言葉が見つかりません
雨の日も風の日も飛び込みをして頑張ったM銀行です。
雪の日は行きたくても出勤も出来ないから訪問も
出来ませんでしたが、
もし雪でも行けるなら訪問したかったM銀行です。
なんとか居酒屋さんの女主人に紹介していただき
M銀行の扉を少し開ける事に成功したばかりでしたから
この社長の一言はヘビィー級のボクサーが右ストレートを
母の顔面に打ち込んだようなダメージがある一言です。
もう座っているのが精いっぱいの状態です。
何か話さなければと思うのですが、
話す言葉が見つかりません。
ただ震える手で受話器を握り目は電話機を見つめるだけです。

 

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