きみの体温を感じる

この季節

サルスベリがまだ咲いている

夕暮は

他の季節より少し濃い茜色で

始まり

よるの終わりはない

ただ、真昼の透明な空の

絹雲に腰かけて

手をふる

きみの

残像が記憶され続ける

十月の空には

孤独な歌を

口ずさみ

きみを思い出す

のがピッタリ

ブラジャーもいらない

パンツもいらない

闇にまぎれて

走るのだ

空にはきみがいる

いつまでもどこまでも

追いかける

十月のよるは

空の記憶でいっぱいだ