「離婚うつ」からの立ち直りカウンセラーの原 つよしです。
他者の心に触れるカウンセラーやセラピストや福祉の対人援助職の仕事をする人にとって「自分の感情を知り、それを言語化すること」は必須です。
福祉の世界では「自己覚知」という言葉を使っています。教科書には必ずでてきます。
授業では、ロールプレイやグループワークで、感情を言語化する練習をします。
実習では、患者さんや利用者さんと向き合あっている時、話を聞いている時、自分がどんな気持ちなのか、何を感じているのか、どんな感情なのかを知り、それを言語化することを体験します。
ある先生の授業では、出欠をとるときに名前を呼ばれたら、返事とその時の気分と理由を言うということもありました。
先生「原さん」
私「はい、今の気分は不安です。なぜならば、授業が難しくてついていけないからです」みたいな。
自分の感情も知ることができないようでは、クライエントさんや患者さんの感情を理解することができないでしょ、という意味もあるようです。
しかし、中には、自分の感情を言語化できない人もいます。
私も自分の感情を人前で話すことは最初は抵抗ありましたが、訓練をしていくと、自分はこういうことがあると「怒りがあるんだ」「嬉しい気持ちになるんだ」「悲しくなるんだ」と自分を知ることができるようになります。
それを人前で話すことで、心が軽くなる感覚になります。そして他者の心の理解も深まります。
この感情を心の底に押し込めたり、気づかないふりをしたり、表現することをしないとストレスとなり、うつの原因にもなります。
自分の気持ちを表現できない人の理由は大きく分けると4つです。
1 自分の感情に気づいていない
2 思いや気持ちを表現することが自分の助けになると
思っていない
3 自分が感じていることを表現する方法を知らない
4 良くない感情を言うことの怖れがある
だいたい、この4つです。
「感情を知り、表現すること」は回復や立ち直りには大切なことです。
これをしないままでは、一時的に回復したかのようでも、また落ち込んだり、うつ状態になってしまいます。
エクササイズとしては、一日の中で出てくる感情や心の中に起きる想いを言語化して紙に書いてみることです。誰にみせるわけでもないので、正直に自分の感情を書くことです。
ネガティブな感情が起きることは悪いことではありません。それはどんな時に起きるのかを知ることです。
離婚後は、ネガティブなことばかりになるのは当然ですから、気にしないで今のあなたの気持ちを書いてみてください。
自分の感情を書いて、こんなことを思う自分はダメだと否定してしまうこともあるかと思いますが、まあ、それも一つの感情ですから書くようにしてください。
「自分の感情を言語化すること」は回復に向かう過程において大切なことです。