●最近、毎日、悶々としている。こういう時こそ、この定例報告もたとえ書くことがなくても週2回のペースは遵守しなければならないな、と思う。

『庭にお願い』DVD見る。冨永昌敬監督の倉地久美夫のドキュメンタリー。五月に買っていたのをやっと見た。路上とか、大学のキャンパスみたいなところとか、なんでこんな雑音の多いところでインタビューを収録するんだろう、と思った。九州の秘宝館の家族のこととか、常識人としての会社勤めのこととか、一番肝心なところを台風の目のように描かないところがいい。

●ケラリーノ・サンドロヴィッチ『労働者K』再読。「19年ぶりのエッセイ集」とオビに書いてある。ということは、平成2年2月発行の『ライフ・アフター・パンク・ロック』以来か! 劇作家として多作なイメージのあるケラだがそれにしては著書は驚くほど少ない。一冊一冊がものすごく丁寧に作られているのだ。戯曲集以外だと、偽伝記『ケラの遺言』、日記と戯曲をまとめた『私戯曲』、各紙に発表した文章と戯曲一篇と書き下ろし小説の『ライフ・アフター・パンク・ロック』、あとはこの『労働者K』だけではなかろうか? だとすれは純然たるエッセイ集は最後のものだけだ。「初のエッセイ集!」などと銘打ってしまえば大ごとになるから19年ぶりぐらいでお茶を濁したのかもしれない。

●コロナ禍でINU-KERAも配信になり、自宅のプロジェクターで見ればまるきりLoftプラスワンにいるような臨場感、いやそれ以上だった。投影された映像のサイズが対面と全く同じである。

●配信は今しかないのだから積極的に購入して体験しようと思うに至った。そういえば有料ではないが、少し前にヒカシューの1981年7月の約100分のライブ映像がYouTubeでフル公開された。これは画期的なことだった。この時期のヒカシューのまとまったライブ映像なんてインターネットのどこを探しても全くない(NHKのドキュメンタリー映像内の断片的なものを除けば)。ファンクラブ会員限定動画の中にもない。

●私はヒカシューは「テクノ御三家」くくりでCDを後聴きしてどこがいいのかわからなかったクチである。それもそのはず、これなら音源だけ聴いてもわかるはずがない。実際にライブ会場へ足を運ぶことができなくても、最悪映像ででもライブを観なければわかるはずがない、と思った。それなのになんでみんな良さを知ってるのか不思議だ。あのちゃんも、若いのに……。しかしその中でもこの1981年7月のライブは傑出して素晴らしかったからこそ公開されたのかもしれない。ケラのツイートを引用する。


●トッド・ブラウニングの『フリークス』にインスパイアされた舞台で、私は予備知識ゼロで見たので、この手拍子なんだっけ、と思っていた。巻上公一が高校生の頃から前衛劇団に所属し海外公演も経験している舞台俳優であったことは後でばるぼら『NYLÖN100%』を読み返して知った。田中雄二『電子音楽 in Japan』の井上誠と山下康へのインタビューの章(第27章)と凹凸がはまるように相補的になっている。