名古屋城2018夏 その2 | おおとり駆の城日記

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2018夏の名古屋城訪問レポートその2 今年6月に完成した本丸御殿です。




名古屋城本丸御殿は徳川家康の9男である徳川義直の住居として建てられた御殿です。 大坂の陣直後の慶長20(1615)年には、この本丸御殿で義直と浅野幸長の娘・春姫との婚礼がおこなわれています。当初は本丸御殿を住居としていた義直ですが、元和6(1620)年には二の丸御殿に引っ越したため、以後の本丸御殿は将軍が上洛の際に使用する宿舎となりました。寛永3(1626)年には2代将軍秀忠が、寛永11(1634)年には3代将軍家光が本丸御殿に宿泊しています。この家光の上洛にあわせて本丸御殿は拡張・改修されました。そのときに中奥・奥部分を解体撤去し、代わりに増築されたのが今回完成した「上洛殿」(黒木書院・湯殿書院等)です。その本丸御殿も昭和20(1945)年に戦災で天守とともに焼失してしまいました。

平成21(2009)年から復元工事を開始し、平成25(2013)年に玄関と表書院、平成28(2016)年に対面所と下御膳所、そして今年平成30(2018)年6月に上洛殿、湯殿書院が完成し、御殿全体が公開されています。

今回は完成したばかりの第三期工事部分をご紹介します。


鷺(さぎ)の廊下
表書院から今回増築された上洛殿へつながる金ぴかの廊下。左右に鷺が描かれています。




上洛殿

本丸御殿のなかでもっとも格式の高い空間です。上洛殿は家光の御座所となった上段之間をはじめ、三之間、二之間、一之間、松之間、納戸之間などで構成されています。狩野派の障壁画、天井板絵など豪華ですが、特に目を奪われるのはこの極彩色の彫刻欄間です。さすがに将軍が宿泊するVIPルームだけのことはあります。


黒木書院

黒木書院と湯殿書院は一旦外に出て西南隅櫓の前からツアー形式で入ります。黒木書院はさきほどの上洛殿とは対照的に地味な造りです。それもそのはず、この本丸御殿の中で唯一、松材で建てられています(ほかはヒノキ材)。そのため年数が経つと黒く変色することから「黒木書院」と名付けられました。何十年かしたらこの復元された黒木書院も変色するのでしょうね。 もともとは清州城にあった家康の宿舎を移築したと伝わっています。


湯殿書院

湯殿書院は、将軍専用の風呂場です。広い部屋の中に唐破風屋根つきの小部屋があります。中は見せてもらえませんでしたが、お風呂といっても中には湯船があるわけではなく、蒸し風呂、今でいうサウナです。後ろにかまどが設置されていて、湯を沸かした湯気をこの小部屋内に引き込みます。


現在の大天守

この足場は解体のためではなく、石垣を調査するために組まれているものです。

名古屋城の天守は耐震強度に問題があり、現在入場することができません。木造再建の計画を名古屋市は進めようとしていますが、様々な問題があり、当初の予定通り2022年に完成するかは不透明になっています。その問題については先日奈良大学の千田嘉博先生の講演で詳しく聞いて参りましたので次回改めてレポートしたいと思います。



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