残酷王の不器用な溺愛【電子書籍】[ 八巻にのは ]
583円
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イラスト:氷堂れん
ローナン国国王:グラント
先王の義娘:ヒスイ
〇あらすじ
先王フィリップが亡くなり、その弟であるグラントが国王についた。
ヒスイは、フィリップと再婚した母の連れ子だった。グラントは、そのヒスイとの結婚を望んだ。
母の祖国では肩身の狭い思いをしていたヒスイと母がローナンにやってきて、フィリップ王は母にとても固執し寵愛していた。しかし、その連れ子であるヒスイに対してはとても冷徹だった。
そんな寂しい子供時代に、王弟グラントだけはヒスイに対してかまってくれていたのだった。
そんなグラントに思いを寄せていたヒスイは、結婚に喜びを感じていた。
しかし、フィリップ王時代の腐敗を粛正し、冷酷で残虐な王となったグラントとの結婚は、皆には同情されるだけだった。
しかしながら、グラント態度は冷めたものだった。早々に式をおわらせたり、恐ろしい壊れた人形を贈りつけたりと、とても好意を感じることはできないものの、夜の行為は情熱的なものだった。
〇感想
この方のヒーローは、結構ヘタレが多いんで、ちょっとソーニャっぽくないなあと常々思っておりました。
今回のヒーロー、グラントも愛情深いものの、ちょっと頓珍漢に空回りするヘタレ王様かと思っておりました。
しかしながら、実はこのグラント様、とても優秀で、外面だけよかったフィリップ王が内心恐れていたほどの人。ただ、王位とか全く興味がなく、無欲の人だったんですが、どういうわけかヒスイにだけは異常な愛情を抱いておりました。
そんなわけで、フィリップ王が何もしなければおとなしく元帥として有能に働いてくれていたのに、「ヒスイと結婚をする」とか言い出したばっかりに寝た子を起こしてしまい、その場でバッサリです。
それまで温和だった人が、問答無用でバッサリですからね。これぞソーニャ?
幸運だったのは、ヒスイがグラント大好き少女だったことでしょう。この人格の偏りが好き嫌いで別れるかもしれませんが、私は結構好きでした。