いい日旅人

いい日、旅日和、きれいな夕日を追いかけて日本をめぐります。
備忘録としての股旅紀行。時には異国を歩くかも。体力次第。

お年玉140円の旅

2019年01月13日 | このたび
初春に ひねもすのたり 乗ったりかな


大都市近郊区間特例運賃というJRの運賃規則、なかなかの奥深いシステム。
東京や大阪などの都市近郊にはJRの路線が網目のように張り巡らされている。



この都市間内のJR路線内を利用する場合、
たとえば、東京駅を出発駅として隣の有楽町駅を目的駅とするなら、
普通は、山手線外回り線をひと駅、距離にして0.8キロ、運賃は140円である。
ところが、東京駅から有楽町までJR路線で行く方法は、
間違えても、わざとでも、山手線を逆回りに1時間かけていく方法もある。
極端なルートとしては、意図的に、千葉県の房総半島をひと回りしたり、
東北本線の栃木県小山から両毛線で、群馬県高崎に出て、高崎線で
埼玉県大宮経由、埼京線で池袋、新宿、渋谷、大崎へ、
そして山手線で有楽町に到着するルートも、理論上は成立する。
このほかにも、横浜から東京に向かう場合、東海道線で川崎経由で行くか、
横須賀線で武蔵小杉経由で行くかで運賃が異なるとしたらどうか。
これでは料金計算が複雑になるので、便宜上、実際の乗車経路にかかわらず、
物理的最短距離の運賃でどちらでも乗車できるようにした制度がこの特例運賃制度。
この制度を悪用、いや、都合よく解釈することによって、
最短距離でなく、場合によっては最長距離を設定して乗り鉄三昧の旅程を組むことができる。
ただし制約事項がある。
それは、①途中で改札を出てはならない。②ルートを重複できないの2点。
ということは、逆読みすると、
①途中で改札を出ることなく、②一度通ったルートを避けさえすれば、
ようするに、「一筆書きのルートで乗車」すれば、
実際に乗車したルートは問わず、物理的最短ルートの運賃でいいですよ。
ということになるわけだ。
要約すると、東京駅で乗車し、何時間かかろうが、同一日内であれば、
最終的に有楽町の改札を出るときの運賃は140円でOKということ。
ただし、ひとつだけ問題がある。
それは、近代ではすべての改札口が機械式になっていて、
実は、乗車した時の時刻が切符やSUICAの磁気データで把握されていて、
不審な乗車については改札を閉鎖するようになっている。
つまり、黙って改札を抜けようとすると2時間(多分)以上を要している場合、
ピンポンと鳴って、駅員さんが駆けつけることになっている。
したがって、2時間以上遠回りした時は、最初から有人改札に行って、
「特例運賃」適用の乗車をしましたと自己申告してから改札を出れば、
ピンポンで周囲から白い眼を向けられることは避けられる。
SUICAだと言い訳の際に苦労するので、あえて切符を買ったほうがいい。
この、ちょっとしたひと苦労だけを背負って、あとは安心して遠回りすればよい。
当たり前のことだけど、本来の鉄道路線の利用目的は、
なるべく早く目的地へ到着することだから。
つべこべ書いたけど、以上。


このたびの乗車経路 所要7時間


お年玉140円

新春早々だったけど、ヒマだったので、
茅ヶ崎駅から相模線ひと駅の北茅ケ崎までの初乗り運賃切符140円。
特例運賃適用で、湘南新宿線で群馬県の高崎駅の一つ手前、倉賀野駅へ向かい、
今度は、八高線で八王子へ出て、さらに横浜線と相模線を乗り継いで北茅ヶ崎駅まで、
トータル7時間をかけて、140円で乗り鉄の旅をしてきたヨ。
昨日は東京都心部で初雪だったけど、一夜明けて、穏やかな暖かい一日。
群馬県では赤城山系や浅間山の冠雪を眺め、
関東平野の西の縁(へり)、秩父山系の麓をのんびりと南下、新春初旅。
実際に乗車した距離は323キロ、実に、茅ケ崎から名古屋までの距離、
運賃にすれば5620円のところだが、特例運賃適用により
合法的に、7時間140円の旅であった。
当然のことながら、食事もトイレも駅と電車の中だけ。
年の初め、140円のお年玉ということでご勘弁を。
次の機会、早春の房総半島を、海を眺めながら一周してみよう。


茅ヶ崎駅から乗車


新幹線と併走 武蔵小杉 タワーマンション群


新宿駅通過


大宮の鉄道博物館脇を通過


高崎の一つ手前 倉賀野駅で乗り換え


倉賀野駅ホームから住宅越しに赤城山系の冠雪を確認


八高線は非電化路線


高麗川駅乗り換え


八王子から横浜線


橋本駅から相模線乗り換え


相模線の車両 茅ケ崎行き


目的地 北茅ヶ崎駅到着


タイミング良く 箱根の山並みに落日 
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