...つづき


よっ子さんと
出逢ったのも
病院の待合室でした。


まるたんと同じような年頃の男の子、
きい君と
生まれたばかりの女の子、
あおちゃん、

2人のお母さんです。


きい君は、生まれてすぐに
アトピー性皮膚炎を発症。


よっ子さんは話してくれました。


「うちの きい君な、

 前はもっと...
 全身が、火傷の後の、
 皮が剥けたような状態だってん。

 朝、起きたら
 かきむしってて、お布団が血だらけなんて
 もう毎日やったわー」


目の前の きい君は、

その時の まるたんよりも肌が綺麗。
信じられないような話です。

よっ子さんは続けます。


大人は普通、
 小さい子どもの顔を見るとき
    笑顔やん?

 でも、
 きい君はズル剥け状態やったからな...

 大人が、きい君の顔見たら、
 うわッ!て、なってな...

 気の毒そうな表情浮かべるわけよ。

 それは無理のない事やとおもうねんけど...

 きい君な、

 笑わんようになってしもてな...

 大人がする、“気の毒そうな表情”を
 する子どもになってしまってな...」


字面だけを見たら
とても暗い話ですが...

よっ子さんは笑いながら(⁉️)
この話をしてくれました。

きい君も
笑って、まるたんと遊んでいます。



きっと、

きい君の笑顔を取り戻すまで
様々な苦労があったはず...


涙した日も、いつか笑いに変えられる!
状態は今よりもきっと良くなって行く!


きい君の今(当時)が 
そう教えてくれている様でした...


そして...




別れぎわ、
よっ子さんは まるたんの方を見て
そう言ってくれました。


このまま お別れ、なんだか寂しいなぁ...


と、思っていると、
しばらくして
よっ子さんが慌てた様子で戻ってきて...

息を切らせて言いました。


「く、車にな、子どもを待たせてるから...
    もう...すぐに...戻んねんけど...これっ!」


小さなメモ書き。


「なんか、困ったことあったら...無くても!
 いつでも連絡くれたらええよー!」


小さなメモは、
よっ子さんの住所と電話番号。

ママぼんは、
また泣いてしまいました。

人の温かさが嬉しくて、です。




...アトピーが繋いでくれた縁でした(^^)


出逢ってから数年後...
よっ子さんは言いました。


「私な、誰にでも
   メモ渡すわけとちゃうねんで!
 あんな事したの 
   ぼんちゃんが最初で最後や」


あの時の別れぎわに

「大丈夫や、この子、絶対、良うなるで!」

と、何故、言ってくれたのか。

嬉しかった言葉であることも伝えて、
よっ子さんに聞いてみたことがあります。

「え?それは...
 きい君のピークの状態より、
 まるたんは酷くないと思ったからな...
 きい君も良くなったから、まるたんも
 良くならんはずない、て思っただけやで、
 きっと。ごめん、あんま覚えてない!」


覚えて...ない...?

えーー(´・ω・`)


よっ子さんのことやから
きっと照れ隠しやと思ときます(^.^)

嬉しかったのは変わりない事やもん。


つづく