ミニ話(80) ゆーちゃんの気づき | モカ先生のプログラミング講座&鬼のパンツをはいた小学生たち

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プログラミング学習は、考え、実行・変換・修正を繰り返しながら、答えを出します。学習の基本姿勢です。このブログは、小学生が取り組むプログラミング講座と、それにチャレンジする子ども達との教室で繰り広げられる思いもかけないエピソードを綴ったブログです。

 

 今年1年生になったゆーちゃんは、今、モグモグ(料理)教室に来ています。ゆーちゃんは、とってもやんちゃで、先輩が注意をしても、全く聞きません。「これはしたらダメよ」と言っても、無視・・やりたい放題です。みんなの前で発表する時は、「イヤだ。できない。」と言って、いくら促しても、絶対に前に出てきません。これは、根気がいるなと思っていました。

 

そんな時、先輩のあやちゃんが、

 

 「今年も、ヒー君は、夏の旅企画にくるの?」

 

 「ヒー君は、連れて行けないわ。」

 

 「やっぱりね。」

 

すると、ゆーちゃんが、めずらしく話に入ってきました。

 

 「え?なんで?」

 

 

 

 

 

 毎年、夏休みには、教室のみんなで、電車に乗って出かける旅企画があります。小学1年生から中学生までの縦割りで、グループ行動をとりながら、出かけます。グループで事前に、その地域の歴史や訪問する会社について調べ、実社会にある仕事や社会のマナー、働く方々と交わり体験することがねらいです。そして、普段お互いに違う勉強をしている子供たちが、それぞれの得意を学び合う場にしてもらいたい、また、家族や親しい友達と行く楽しい旅行とも少し違い、集団行動で動くことの大切さも知ってもらいたいとの思いで、毎年、企画しているのです。

 

「だって、去年、行ったとき、ヒー君は、悪くて大変だったんだよ。」

 

 

「リーダーのあーちゃんが、『赤信号になっちゃうから早く走ろ』と言ってるのに、よそ見ばっかりして、道路の途中で座っちゃったんだよ!」

 

 

 「そうそう。それに、先生たちが『ここは、足元をよく見てね。ペアで手をつないで行くよ』って言ってても、全然違う方に行っちゃって大変だった。モカ先生も本気で怒ってたもん。だから、行かない方がいいと思う。」

 

それを聞いていた、ゆーちゃん。心配そうに、ボソッと、

 

 

「私は・・・?」

 

ゆーちゃんに、「ゆーちゃんは一緒に行くよ」「でも、もし、ゆーちゃんのリーダーが「次はゆーちゃんのお世話はできません」と言われたら、来年はいけないよ。きちんとリーダーの言うことを聞いて動けないと、連れて行けないんです」と伝えました。

ゆーちゃんは、食器をふきながら、黙って考えていました。

 

 

後片付けが終わり、8月に開くイベントのリハーサルをみんなでしました。(このイベントは、自分たちで考えて、準備をします)。モグモグ教室の子供たちは、コック服を着て、参加されるお客様におもてなしをします。今日は、そのコック紹介をする場面のリハーサルです。

 

 

「じゃぁ、あい店長が声をかけたら、サッと一列にならんで、順番に自己紹介と一言メッセージを言いますよ。はい、スタート!」

 

他の子がサッと前に出てきて並びます。ところが、ゆーちゃんは、いつものように、席を立たずに首を横に振って、前にでて行きません。みんなが「ゆーちゃん!」と声をかけます。今日もだめなのかという空気が流れました。

 

とその時! ゆーちゃんが、前に出て並びました。

 

「・・・」

 

先輩たちが自己紹介を終え、マイクがゆーちゃんに渡されました。またまた、一瞬、間がありましたが、

 

「コックのゆーです。がんばります。」

 

先輩たちから、「おー」と声があがり、よくやったの拍手が・・。

 

それからゆーちゃんの態度に少しずつ変化が・・。ゆーちゃんは、夏の旅、みんなと一緒に行けそうです。きっと。

 

 

前回の話は、ミニ話(79) 意外といい感じ! でした。

https://ameblo.jp/tobidasutanpopo/

 

次回の話は、ミニ話(81) 毎日続く先生の戦い です。

https://ameblo.jp/tobidasutanpopo/entry-12390368659.html

 

 


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