SAD(社会不安障害)と生きる

社会(社交)不安障害の当事者です。症状のことや対処法について、のんびりと書いてます。

人間関係が広がって思うこと

ここ最近調子が良く、社会不安障害の症状に悩まされることはあまりなくなりました。

頓服の抗不安薬ワイパックスの後発薬ロラゼパム錠)を3ヶ月に1回くらい飲む機会があるか、どうかという状態です。

 

いやー、私もすっかり社会不安障害とはおさらばかなと思っていたのですが、さにあらずというお話を書こうかと思います。

 

一時期の絶不調の時期に比べると、社会不安障害の症状はぐっと少なくなり、気分がふさぎがちで、行動する気力がなかなか湧かないという状態は改善されてきました。

 

 

以前は、何か趣味に打ち込んだり、新しい人間関係を築いたりすることは私にとっては大変ハードルの高いことでした。

 

そもそも元気が出ないので、日々の生活をこなすのに精一杯で何かに興味を持って趣味にするなんて考えられなかったし、新しい人間関係のなかで自分が受け入れてもらえる自信もなく、ごく限られた関係のなかで生活していました。

 

 

 それが最近では、テニスにはまっていて、テニススクールの知り合いの人達とプライベートで練習したり、さらにネットで知らない人たちとのテニスの練習会に参加したりしています。

 

また、先日の記事でも書きましたが、美容整形手術を受けるなど、新しいことにも挑戦(挑戦という言葉が適当かはよくわかりませんが(笑))するようになりました。

 

だが、しかし・・・社会不安障害の症状が全くなくなったわけではありませんでした。

 

 社会不安障害を意識した場面 その①

美容整形手術を受ける過程で、お医者さんに顔の写真を撮影してもらうことがありました。

手術のBefore/Afterや術後の経過を記録しておくためなのですが、先生がカメラを向けるや否や、あの嫌な緊張感を思い出しました。

 

カメラがこちらを向いている、じっとしていなければいけないと意識すればするほど緊張感が高まり、首?というか顔?というかが震えてしまいました。

 

まあ、先生は何も気にしちゃいないでしょうけど。

そして、私も症状が出たことに対して、以前ほどのショックを受けないから不思議でした。

ああ、お久しぶりですね~という感じでした。

 

社会不安障害を意識した場面 その②

先ほど書いたように、ネットで見つけた知らない人たちとのテニスの練習会に参加するようになりました。

テニスが好きという共通項があるし、テニスをすること自体はとても楽しいです。

 

しかし、練習会に参加した後の疲労感が半端ないのです。私は、疲れるとよくなるのですが、ゲップがすごく出て、吐き気がひどいし頭痛もする。

 

最初は体力がないのかなと思っていたのですが、週3回くらいのペースで練習を続けていても、やはり知らない人たちとの練習会に参加すると相変わらずすごい疲労感。

そして、見知った人たちとの練習では、疲れはするが、吐き気や頭痛まではない。

 

はて?と考えてみたところ、実はすごく緊張していて、それがこの疲労感につながっているのではないかということ。

 

もちろん知らない人たちばかりなのですごく緊張します。

練習の内容についても細かなやり方は、その練習会ごとに違うし、慣れずにオタオタすることがよくあります。

そして何より、知らない人たちとの練習だと、迷惑を掛けてはいけないと思って、必要以上にテキパキ動こうとするし、休憩を取りたいとなかなか言い出せず、限界まで頑張ってしまう。

 

社会不安障害の症状というのとは少し違うかもしれませんが、対人緊張が強いことがこういう結果につながっているのかもと考えると、社会不安障害と無関係ではないと思います。

 

新しい人と知り合うことは楽しいし、テニスをすること自体もすごく楽しいのに難儀だなぁと思います。

 

 

最後に思うこと・・・

教科書的には、社会不安障害は性格ではなく、病気であり治すことができるということになるのでしょう。

しかし、このような病気というのは、どこまでが性格でどこまでが病気かという境界線は曖昧なのではないかという気がします。

そもそも、対人関係の持ち方、外界をどう捉えるかといった認知のあり方がこの病気の背景にはあると思うのですが、それって性格の一部でもあると思うのです。

 

そうではない、社会不安障害はやはり病気だ!という意見もあるとは思いますが、私にとってはもはや自分の一部という感じがしています。

 

なので、社会不安障害的な要素を全くなくすことはできないので、それをゼロにすることを目指すよりは、時には頓服に頼りつつ、生活のなかに楽しいことを増やすことを頑張っていきたいなと思っています。

 

ただし、もちろん、社会不安障害の症状がバンバン出ていて日常生活に大いに支障を来たしていた頃は、症状が出なくなることが一番大事なことでした。ここでお話したかったのは、その症状が大分落ち着いた後のことです。