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【現代思想とジャーナリスト精神】

【報道特集2018.10.20】を見ながら脳裡をよぎったこと 櫻井 智志

中学生が実の祖父母を殺害した。限定して、ひとつの視点から見れば、尊属殺人をおかしどうしようもない生徒ということとなろう。3か月の幼児を殺害する父親のニュースも最近のできごと。
中学生の凶悪な行為がどのような背景や人間関係があったか冷静に把握し、再度似た犯罪を防止できなければ、大人は次世代を育てられない。事実に基づいて、凶悪視でも美化視でもなく、なぜこのような悲惨な事実が起きたか。父親が娘を幼い時からレイプし続け、思春期にその重圧からトラウマをかかえ、ついには父を殺し尊属殺人に問われた事件を過去に知った。祖父母の善意の期待を過重にかかえ、ある日反動が突然の殺意に変貌するということもありうる。
家庭や学校において、「教育という名の重圧」に子どもの側からのなんらかの意思表示を熟視すべきときだ。家庭というミニサイズの社会に、現在の社会の病理が現出する。

サウジアラビアでのジャーナリスト殺害事件。それとは別になるが、国の内外でジャーナリストが発信しづらい時代になってきた。私たち庶民でさえ批判や非難は自由ではない。テレビや雑誌で、庶民もジャーナリストも、権力者への疑問を意思表示すれば、総叩きされる時世になりつつある。
私たちが、自らの足元を見つめれば、どうだろうか?勤務先や居住地域で、素朴な意見表明を述べるとき、なんらかの息苦しさを被ることはないか。
集団に調和すること、周囲に波風を立てないことが、「協調や集団の和を乱す」こととしてみなされ軋轢に会う。事前から相当の覚悟がいるような「空気」や「場」。
 保守派の知識人、戦前の和辻哲郎や戦後の神島二郎は、日本風土の精神構造に立ち入っている。そんな危うさを踏まえての反権力ジャーナリストの発言はかけがえのないものだ。

「#うそを突き通せばどうかになる」。びくっとした。国際関係の専門的学者内藤教授の言葉だ。安倍晋三氏とそのグループを言い当てていると感じた。もしかしたら「安倍式統治法」は国際的右の台頭の一環かもしれぬ。なぜ?ドイツもメルケル首相が極右派大幅当選で窮地にある。フランンス、オーストリア、欧米で続々極右派が、国内への移民難民受け入れによる国内問題の発生を契機に、台頭して、国会での議席を急速に固めつつあり、検討課題だ。欧米の民主主義が一斉にこれほど揺らいでいる。難民を受け入れない日本でも極右勢力が安倍政権の中枢を占めていいる。アメリカは現代史で超大国の座を占めているだけに、トランプ大統領の経済・外交政策は国際社会を激震下にさらしている。

日本人が外国へ多額の金をもって爆買い続けたことが顰蹙をかったのは、高度経済成長期だった。いまの中国などの日本への「爆買い」は、勢いとともに消費マナーへの不慣れも感じる。「対立物の統一」「対立物の相互浸透」からすれば現在の中国やロシアの現実は世界史の現代を象徴している。かつて「共産主義国家」は、資本主義の次の段階に登場したと歓迎された。現実の経過は、より混迷した状態に陥っている。ロシアや中国は、一方ではアメリカ・トランプ大統領に対峙しつつも、共産主義というより覇権主義大国だ。「旧」社会主義国の現状を直視して、日本社会の独立した自主・自立した「平和」「福祉」「反専制政治」を実現する営みが課題であろう。 


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