「歌を歌うため」「セリフを読むため」「届きやすい声質にするため」など、発声練習は必要不可欠です。自然と声が出ることは理想ですが、プロでも簡単にはいきません。いつでもスタンバイが出来ているような声にするためには日々発声練習(ボイストレーニング)を積み、喉のスキルアップを実践していくことが最も現実的なのです。

ただ毎日声を出せば良いというわけではなく、発声するための準備に向いている練習方法を模索することも重要です。”発声練習におすすめの歌”を歌う練習方法はプロのボイストレーニングでも多く取り入れられており、効果的な練習方法であることで知られています。そこで今回はオーディションでも力を最大限発揮できる”発声練習のためのおすすめの歌”を男女アーティスト別にご紹介していきます。

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発声練習の重要性について

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まず「発声練習は必要なのか?」という疑問をネットの掲示板でもよく見かけますが、答えは「yes」です。極論ですが、例えば「朝起きたばかりに歌ったとして、その時にあなたの声はしっかり出ていますか?」と問えば、恐らく大半の方が「いいえ出ません。時間とともに徐々に声が出るようにはなってきますが…」と答えるはずです。

これは起床してから少しづつ身体とともに喉が温められていくことで発声がしやすくなる現象とも言われています。またスポーツで例えると、スポーツ選手になるためには必ずトレーニングが必要になります。ジムに通ったり、グラウンドを走ったりと筋力をアップさせ、競技ごとに必要な自身の身体の箇所をレベルアップしていくというのは当然です。

歌手、俳優・女優、声優、そしてミュージカルなどの現場で活躍する方にとって声は最大の武器です。プロとして活動していくのであれば、早朝の撮影で声を出さなければいけないという場合も多く訪れることでしょう。

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その時に声が出ないなんてことだけはプロとして確実に避けなければなりません。ところで、声を出すために人間の身体には『声帯筋』という筋肉が備わっているのをご存知でしょうか?声帯筋の中の声帯を振動させることにより発声ができる仕組みとなっています。

声帯を包む筋肉を強化することにより発声がしやすくなる、そしてそれを上手くコントロールすることで『ビブラート』『ロングブレスといったテクニック自在に行うことも可能になるのです。

この声帯筋を強化するためには発声練習がとても大きな役割を果たすと言われており、起床時の声の詰まりも、声帯筋を強化している方に対してはあまり感じられないという方も多いほど重要なのです。

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発声練習を行うことで得られるメリット

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  • 自分の一番良い声を知る
  • 低音・高音の幅で出せる音を広げられる
  • ビブラートや息使いなどのコントロールが自在にできる
  • ミュージカル等の広い舞台でも通る声質を理解できる
  • 台詞や歌詞の滑舌がアップし、聞こえやすい発音ができる

といった多くのメリットが挙げられます。発声練習は基礎中の基礎と言われているので、発声練習をすることで損が生まれないと言っても過言ではありません。声には人それぞれ個性がありますが、プロにもなれば普段話している声と仕事で使う声を使い分けることが必要になる時もあります。

普段の生活においてビブラートや高音を使用する機会はほぼありませんので、練習無く出せるような人はかなり希少といっても良いでしょう。オーディションで歌を歌うことも珍しいことではありません。自分がどのように声を使えるのかをアピールするためにも発声練習のメリットを理解して練習してみましょう♪

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腹式呼吸、発語練習などの基礎練習も大変重要ですが、楽しみながら無理なく自然に練習を続けられることが最も効果的です。歌を歌うことはそんなに発声練習に効果をもたらせないという意識がある方もいるようですが、それは大きな勘違いです。

歌を歌うためには、その曲にあった『リズム』『テンポトーン』『ブレス』などの”技術を上手くコントロールしながら使うことができること”が重要になります。何気なく聞いているアーティストの音楽には、発音や発語の基礎から、各曲ごとに必要とされる歌い方があるのです。

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口の開け方、そして音の出し方を歌で学ぶことは発声練習において大きな意味を持ち、ボイストレーニングでは歌を歌うレッスンが多く取り入れられているのが現実です。いざ「お腹から声を出してください」と言われても、どのように出せば良いのか意識し辛いものですが、口を開けて歌うことは、自然とお腹から声を出す腹式呼吸を身に付けることができるという大きなポイントがあります。

知っている歌もしくは好きな歌を歌いながら練習することは、色々な面において負担になりにくく、楽しく、そして毎日続けやすいプログラムとなるでしょう。曲によって様々な歌い方のポイントやメリットがあるので、自分が強化したい曲を選んで練習することから始めましょう♪

練習曲その①『小さな恋のうた(MONGOL800)

一見単調でシンプルな曲として知られているのがこの曲ですが、実は発声練習にはかなりの効果が期待できると言われています。まずこの楽曲は喉に力を入れずに発声して歌うことが重要で、音だけでなく曲調を柔らかく魅せる練習ができる”歌い方が理解しやすい曲”となっています。

表現力を身につける練習にもなりますし、単調のメロディーを歌いあげるには発音・発語がキーポイントとなります。台詞でも発音・発語は最重要となってくるため、この曲で練習してみても良いでしょう。

練習曲その③『I Want It That Way(BACK STREET BOYS)

発声練習には邦楽だけでなく、洋楽で練習することも大きな意味を持ちます。日本語では発語が主となりますが、英語も同じく発語に加えて発音がとても重要となります。この発音は舌の使い方や、口の開け方によって伝わる音が変わるため、邦楽では練習し辛い高度の発音テクニックの練習をすることができるのです。

併せてこの楽曲はリズムやテンポも緩やかな曲調で作られているので、これまで洋楽にチャレンジしたことの無い方でも、発声練習、発音、発語の練習を行うことができるため大変オススメの楽曲となっています。

練習曲その④『天体観測(BUMP OF CHICKEN)

かなり有名な一曲ですが、こちらの曲は全体で使われている音域があまり広くないため、低音から高音まで出せる音域が狭い方でも比較的練習がしやすい曲となっています。音域は広くないものの、リズムやテンポが複雑な構成となっているので、乗り遅れないように歌えることがベストでしょう。

またこの曲ではサビ以外が低音で構成されており、低音をしっかりとれるのはかなりのテクニックを要します。声を張らずに、囁くウイスパーボイスの練習もできるオススメの一曲です。

練習曲その⑤『さくら(森山直太朗)

森山直太朗さんといえばファルセット・ビブラート・特徴のある歌い方をされる、歌唱力の高いアーティストとして有名です。ここでご存知ない方も多い『ファルセット』というワードについて説明しますが、単なる裏声ではないのです。ファルセットというのは“息漏れを多くした優しく囁く裏声”と言われています。

つまり張りを持たせず、柔らかなイメージの裏声で歌われている曲はこのファルセットを使用する曲だと思って良いでしょう。ファルセットを上手く使いこなせることは、ミュージカルの劇中でも使用されていて、歌を歌うだけでなく発声や音のとり方のスキルアップに繋がるため、発声練習にこの曲は大変良い課題曲とも言えるでしょう。

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練習曲その⑥『Glamorous Sky(NANA starrring MIKA NAKASHIMA)

リズムやテンポをとるのが苦手という方にオススメの楽曲です。地声からの裏声への切り替え、ロングトーンの練習要素も含まれているので、初心者でも声・喉・音をどのように使うのかを意識しながら歌う練習課題として人気があります。

この曲で使用される裏声の種類はファルセットとなっており、音のとり方が少し難しい曲です。ファルセットが分かり辛いという方は「ここからファルセット」というような部分的ではなく、サビ全体をすべて”優しい裏声で歌うこと”を意識して練習することから始めてみても良いでしょう。

練習曲その⑦『タマシイレボリューション(Superfly)

驚きの声量のボリュームのあるアーティストと知られるSuperflyさんの曲で大変有名な曲ですが、この曲は知られている通り、かなりのパワフルさのある楽曲となっています。

パワフルな楽曲では発声・息つぎ・ハイトーン3つが基礎となっており、お腹から声を出して発声しなければ歌いあげることができないこの曲では、スタミナが最も重要となっています。あまり声量に自信の無い方はぜひこの曲でスタミナの使い方や、どのように声を使うのかを意識しながら練習をしてみても良いでしょう♪

練習曲その⑧『Let It Go(松たか子)

この曲はディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌として大変有名ですが、発声はもちろんのこと”感情の込め方”を練習できる大変オススメの楽曲となっています。メロディーの構成がやや上級向けではありますが、音のとれやすい曲となっているため、初心者から上級者まで幅広く練習ができる曲です。

感情を込める歌い方は、台詞を読むようなメロディーで歌うテクニックが必要となりますが、この映画は大変有名な映画で観たことがある方も多いでしょう。是非主役のエルサになりきって歌ってみてください。感情の込め方のポイントを理解するきっかけになる曲です。

練習曲その⑨『Story(AI)

「低音を強化したい」「ビブラートを練習したい」「高音の多い曲はちょっと・・・」という方におすすめの楽曲です。シンプルな曲調で、無理な張りが無いゆったりとしたメロディーとなっているため、カラオケで1曲目に選ぶと喉を開くのに丁度良いとも言われている曲です。

高音の使用は少ないものの、ビブラートで響かせるような歌い方をするメロディーとなっているので、どの部分でどの程度響かせるのかを意識しながら歌い上げることをおすすめします。

練習曲その⑩『Jupiter(平原綾香)

使用する音域の広さが2オクターブと言われている、かなり難易度の高い楽曲です。この曲を歌えるようになるのはかなりの練習量が無ければ無理といっても過言ではありません。音のとり方、リズム、テンポ、ファルセット、ロングトーン、低・高音の発声強化など、高度の技術が多数必要であり、とても簡単には歌えない曲なのです。

この曲を歌えるようになるには、まず曲を数えきれないほど聞き、どの部分でどのように歌っているのか、ポイント毎に身体に叩き込むことが最大の近道でしょう。実践練習で強化するという方法もありますが、歌い上げることができるようになれば、発声練習の多くの技術を習得できていると言っても良いでしょう。

自分だけの選曲やボイストレーニングにも限界はある

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というわけで今回は発声練習におすすめの歌について紹介しました。「カラオケで」「自宅で」「歩きながら」といった生活シーンの中で歌を口ずさむことがあるように、歌は身近な存在であり、最も効果的な練習方法と言えます。

普段何気なく聞いている曲でも、ロングトーンやファルセットなどといった技術が使われていることは意識しなければ分からないことです。練習を重ね、歌い方のテクニックを習得できれば発声練習として、オーディションなどの実践の場でも大きな実績を生み出すことが出来ることでしょう。

ただ理解しておきたい点は、やはり個人でいくら練習をしても中々自分では気付けない弱点があるということです。これは多くの人に言えることで「自分では完璧に歌えている!」と思っていても、周りが聞いた印象とは異なるというところです。

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自分の声を自分で聞くことは録音機能などを使用すれば出来ることですが、弱点かどうかについては主観が伴ってしまうため、自分の弱点の理解や克服を目指すのであれば、プロのボイストレーニングを受けることをオススメします。

初めの内は自分で練習するだけで構いませんが、やはり限界は存在するものです。弱点は誰もが同じではありませんし、得意分野も異なるのが当然です。自分の声がプロの目から見て、どういった部分のスキルアップが必要なのか把握し、克服することは自分の夢へ近付く大きな一歩の可能性に繋がると言えるでしょう。

まずは自分の歌いやすい歌から意識して練習してみてましょう。少しづつ歌い方の違いに気付くことができれば、変化している証拠です。発声練習は単なる練習ではなく、レベルアップやスキルアップに大きく繋がります。決して無駄にはなりません。是非今日から始めてみて損は無いはずですよ♪

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