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2018年09月12日

河野太郎外相の「青臭い」提言について

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 河野太郎外相が、自らのメールマガジン「ごまめの歯ぎしり」の9月9日号で「不思議なことに、外務省を取材する霞クラブに所属する記者は、ほぼ全員が国際部ではなく、政治部に所属しています」と指摘しています。河野外相の言いたい要点を書き出すと次のようになります。正確な引用ではなく、一部修正しました。

 霞クラブの記者は政治部に所属しているため、取材の対象が「外交」ではない
 「外交」に関しては、圧倒的に「北朝鮮」、それも「日朝首脳会談」はあるのかということばかり
 8月初めにシンガポールで開かれたASEAN関連外相会合で外相を取材するのは霞クラブ、その他の会合を取材するのは特派員と担当が分かれていた
 特派員の書く記事は国際面に載るが、霞クラブが書く記事はほとんどが政治面
 政局記事の隣に外相に関する記事が並ぶ
 最近、外相会談は英語で始めることが多くなり、英語ができないと取材に制約が出る
 外相の海外出張日程は、必ずどこかの社にすっぱ抜かれ、比較的大きく報道される。日朝外相が接触かという話題のあったシンガポールには10数人が同行したが、中南米出張の同行は2社、米国出張には1社だけ
 国際報道の一環として外相、外務省を取材し、時には政局的な味付けが入るというのがあるべき姿ではないか


 私がこのブログで指摘してきたことと共通する点もありますが、全体として「青臭い」印象を受けました。
 「青臭さ」が河野外相の良いところでもありますが、本気で総理の座を目指すなら清濁併せのむことが必要でしょう。

 河野外相がこの提言をした後、霞クラブに国際部(外信部、外報部など名称は報道各社によって異なります)出身記者が2人増えたそうです。もとからたまたま人事異動のタイミングが重なっただけだと思いますが、河野外相は自分の「実績」をアピールしたいのでしょう。

 河野外相の指摘に私なりのコメントを書きます。
 報道各社が「北朝鮮」に関心を持つのは、日本人の生命と国益に関わり、読者の関心が高いからです。「北朝鮮」のことばかり聞かれ、しかも答えにくい質問ばかりなのでうんざりした気分になることは理解できなくもありませんが、現職の外相がこんな風に正直に文字にするべきではないでしょう。
 今の日本外交で最も重要なのは「北朝鮮」と「中国」。現職の外相が「マスコミは日中首脳会談のことしか関心がないのか」とぼやくのは、いただけません。

 霞クラブの記者が「外相の担当」であるのは当然のことです。特派員が任地の外交政策に主眼を置くのも当たり前のことです。
 河野外相は、海外出張日程は事前に大きな扱いになるのに同行する霞クラブの記者が少ないということに不満があるようですが、これはマスコミ各社が「河野太郎が短期的に総理になる可能性は極めて低い」と判断しているからです。東南アジアは日本から近いのですが、中南米や米西海岸は日本から遠く、費用対効果を考えると財政面で苦しくなってきた日本のメディアはそう簡単に同行記者を出せないでしょう。
 日本の新聞が外相日程を特ダネとして大きな扱いにするのは、自分たちの「取材力」を誇示する意味合いがあることは否めません。しかし、閣僚の海外出張は、庶民感覚で言うと莫大な金額の予算が必要です。国会日程に影響を与えることもあります。それなりの扱いになるのは当然です。そして、一度事前に報じたことはよほど大きな変化がない限り、小さな扱いになります。これも当然のことです。

 歴代外相を見ると、有力な政治家が就任することが多く、国内政治に通じていても国際情勢を理解していない人物もいました。英語を流ちょうに話せない人の方が多いはずです。この意味で、河野氏は例外的存在です。閣僚になってからも今回のように青臭いことを言う点も河野外相は珍しい政治家です。

 河野氏が外相となり、日本の外相が通訳を介さずに外国の高官と意思疎通する場面が増えたのは事実であり、マスコミ各社が対応できていないのもその通りでしょう。
 記者も英語ができた方が良いのは間違いないのですが、「霞クラブ」の記者は必ずしも英語を理解できる必要はありません。外務省高官と親しくなる必要もありません。日本の新聞の記事を書く上では、外務省の情報を握っている政治家と携帯電話で話せる関係にあれば十分なのです。おそらく河野外相は、このタイプの記者のことを好ましく思っていないのでしょう。

 私も政治部の記者が書く国際情勢に関する記事にはしばしば大きな間違いや勘違いがあると考えています。政治部の記者の頭は「日本の外務省にとって都合の良い国際情勢」が基調となっていることが多いからです。いまだに「北朝鮮の経済は破綻の一途」という思い込みの記事が見られるのは、その一つの例です(北朝鮮経済は中国が本気で経済封鎖をしない限り破綻することはありません)。

 「国際報道の一環として外相を取材する」というのは間違っていないとは思いますが、「外相」とは本来、日本の有力政治家(河野氏自身も将来的には有力政治家になりうる存在です)であることを考えると、「大臣番」の記者がなくなることはありません。
 そもそも日本メディアが中南米に関心を持たないのは、地理的に遠く経済以外の関係が薄いからです。日系人が多いとはいえ、今となっては日本と中南米の結び付きは強いとは言えません。
 日本が中南米で独自外交を展開しているなら別ですが、日本外交の基本は対米追従ですから、現行の枠をはみ出すことは考えられません。もしそうなったら大きな話題となります。TPP11が注目されるのは、対米追従の枠から飛び出たからです。
 河野外相が対米追従から抜け出した新しい日本外交をつくるというなら話は別ですが、現状では日本の新聞が日本の外相に関する記事を書くときに「政局優先」になるのは仕方のないところです。

 日本の新聞の批判ばかりしながら、私はそれほど日本の新聞の国際報道の在り方はそれほど間違っていないと考えています。なぜなら、政治面に載る外交関連記事は「素人」が書いているがゆえに間違っている可能性は高いものの、分かりやすいからです。素人が入門編として最初に基本的なことを理解する上では非常に読みやすく整理されています。間違いが含まれているという前提で日本の新聞を読んでから、ネットで深く調べれば良いのだと考えています。

 私はこの辺りのことを理解しているつもりなので、政治部記者が書く外交の分析記事は真剣に読みません。国際情勢に関して、真面目に読むのは特派員の書いたものか、専門誌の記事です。英語の記事も読みますが、ロイターやAFPも人民日報と同列で考えています。

 いずれにせよ、河野外相はマスコミ各社に青臭い苦言を呈するのは、そろそろ止めた方が良いでしょう。河野外相に期待しているだけにそう思います。10年前ならまだしも、いまだに「ごまめの歯ぎしり」という題もいかがなものでしょうか。有力閣僚になっているのですから、題を改めるべきでしょう。

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