横須賀うわまち病院心臓血管外科

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大網充填術のタイミング

2018-08-18 17:20:48 | 心臓病の治療
縦隔炎、胸骨骨髄炎の発生時には、適切な抗生剤、ドレナージ、洗浄、引圧吸引療法、栄養管理など集学的な治療が必要になりますが、その中でも、最終的な創閉鎖には大網充填術を行うことが多く、しかも有効です。
その適切なタイミングとしては、感染が完全に制御された段階で出来るだけ速やかに、ということになります。
まだ感染が残存しているときに大網充填した場合は、特に人工血管感染など人工物がある場合や、胸骨骨髄炎でまだ感染が残っていると再発、再燃のリスクがあります。特に人工血管感染の場合は、確実に感染が制御された段階まで引圧吸引療法を継続する必要があります。培養が2回、陰性化してから最近は大網充填することが多いです。無菌性(培養しても菌が同定されなかった症例)でも、長時間培養しないと検出されない菌が原因のことも少なくないので、慎重に対応する必要があります。
 軽度の感染は約1週間後ですが、人工血管感染の場合は2~3週間から1ヶ月以上待ってから大網充填する場合もあります。
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