2018年5月14日月曜日

ダイエットは本当に必要?③たんぱく質とは

たんぱく質の「質」というのは、その食品に含まれるたんぱく質の含有量で決まるわけではありません。

食べ物に含まれるたんぱく質の「質」を判断することができれば、筋力アップにもダイエットにも役立てることができます。

同じ量のたんぱく質を与えて成長に違いが出るのか、ラットを対象にして行った実験があります。

ラットに「ガゼインたんぱく質(牛乳からとれるたんぱく質)」を含んだエサを与えると順調に成長しました。一方で小麦のたんぱく質を含んだエサを与えた場合は成長が劣るという結果になりました。


同じたんぱく質なのに、なぜ成長に差が出るのかといいますと、ガゼインたんぱく質と小麦たんぱく質では、パーツとなる「アミノ酸」の配合量が異なるからです。


「必須アミノ酸の量が関係している」 生体のたんぱく質はほとんどの場合、20種類のアミノ酸の組み合わせによって作られています。

体に必要なたんぱく質を合成する場合、そのたんぱく質を構成するアミノ酸のうち1種類でも欠けていると、たんぱく質を作ることはできません。

必要なたんぱく質の合成を円滑に行うためには、材料となる全てのアミノ酸が揃っている必要があります。 そして、このアミノ酸には体内で合成できるものと、できないものとがあり、後者のアミノ酸は食品から必ず摂取しなければならないことから「必須アミノ酸」と呼ばれます。


必須アミノ酸はヒトではトリプトファン、ロイシン、リジン、ヒスチジン、バリン、スレオニン、フェニルアラニン、メチオニン、イソロイシンの9種類があり、この必須アミノ酸の含有量がたんぱく質の「質」と関係しています。 ラットの実験の例でいうと、ガゼインたんぱく質は必須アミノ酸がバランス良く含まれているのですが、小麦たんぱく質ではリジンとスレオニンという必須アミノ酸が不足しているため成長が劣る結果となったのです。


必須アミノ酸が豊富で良質なたんぱく質をとることは、私達の健康を保つ上でとても大切です。良質なたんぱく質をとることで次のような効果が期待できます。

(筋力アップ・ダイエット) 体の筋肉はたんぱく質を材料にして作られているので、運動後は良質なたんぱく質をとることで効率的に筋肉をつけることができます。筋肉がつくということは基礎代謝の維持・向上にも役立ちますので、ダイエット中であってもしっかりとると良いです。

反対に良質なたんぱく質をとらなければ、いくらハードな運動をしても思うような効果は得られないということになります。


美容) コラーゲンをはじめとした肌の組織や、体の様々な代謝に関わる酵素もたんぱく質からつくられているので、良質なたんぱく質をとることは美容にも役立ちます。コラーゲンや酵素はサプリメントでも販売されていますが、これらは単体で摂取したとしても、たんぱく質で出来ているため体の消化器官で分解されてしまいます。しかも、たんぱく質としては「質」の高いものではなく、含まれている量も多くありません。したがって、これらのようなサプリメントに頼る前に、食事でしっかりと良質なたんぱく質をとることの方が美容には効果的です。


(免疫力、貧血予防などの健康) 体内の免疫細胞や血液のヘモグロビンなども、たんぱく質から作られています。つまり、たんぱく質が不足していたら、免疫力が落ちて病気にかかりやすくなったり、ヘモグロビンが少なくなって貧血になったりしてしまいます。 このように、たんぱく質は体の様々な組織に使われ、私達の健康に関わっているため、どれか1つのアミノ酸をとればいいというものではなく、それぞれのアミノ酸をバランス良く摂取することが大切なのです。

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