パフォーマンスを最大化する『研究マネージメント』(海外経験7年の考察)

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こんにちは、masayaです。

以前の投稿“米国の速い環境に適応するために学んだ作業効率を向上させるための9+αの習慣”では、主に個人としてパフォーマンスを上げるために気をつけているポイントを中心に書きました。

もちろん個人としてそういった部分に気をつけるのも大切ですが、個人のパフォーマンスの上げ下げはボス・マネージャーの『マネージメント』による影響も強く受けます。

今回は色々なタイプのボスと一緒に海外で7年ほど働いてきた経験を基に、100%に近いパフォーマンスを発揮させてくれる環境を提供してくれる『研究マネージメント』についてまとめました。

1. 先に意見を言わせてくれる

例えばディスカッションをしている時に相手に常に先に意見を畳み掛けるように言われてしまうと、自分の意見を言うチャンスを逃した事はないですか?

議論の際に一呼吸ついて自分が話し出すのを持ってもらえると、

  • 自分の意見を聞く姿勢を持っている
  • 自分の意見を尊重してくれている

という部分が伝わり、躊躇せずに自分の意見を言うことが出来るというメリットがあります。

また海外で働く場合は、私たち多くの日本人にとって英語は第2言語(English as a Second Language: ESL)なので、先に意見を言わせてもらえるのはとても助かります。先に話し出すと、ESLの会話ペースで議論が進んでいくこともあるからです。

ボスやマネージャーなどの自分より職位が上の人間に意見を言うのにはちょとだけ勇気が必要なので、自分の意見を言いやすい環境を整えてもらう事は非常に大切です。

 

2. まず褒めてから本題に入る

まず否定してから本題に入るのと、褒めてから本題に入るのではどちらが居心地が良いですか?

多くの人は褒められたいはずです。

ちょっと昔に所属していた機関ではまず意見を否定されて本題の議論がいつも始まったいたので、徐々に発言する気も無くなっていったことがありました。

今の所属先ではまずやった事に対して褒めてくれたり、肯定してくれるところから話が始まるのでとても居心地が良いしナチュラルに言いたい意見を言えていると実感できています。

まずは否定しないで『褒める』ということは、言いたい事を言うための環境作りとしてはとても大切です。

3. ありがとうを忘れない

大きな成果を出したこと、普段の何気ない仕事、失敗したけどチャレンジしてくれたこと。これらの労力(エフォート)に対して、感謝の意を伝えることはボス-部下の信頼関係を築いていく上でとても重要です。

仮に全く感謝の意を伝えなければ、相手の労力に敬意を払わなかった事になり、仕事へのモチベーションが確実に低くなっていくはずです。

  • 率先して会議を引っ張ってくれた
  • ちょっとした資料を作ってくれた
  • 不在時に仕事をカバーしてくれた

など、色々な場面で『XXXしてくれてありがとう』『Thank you for doing XXX』と感謝の言葉を相手に伝えてあげると、またサポートしてあげようっていう気持ちに自然になります。

チーム全体の作業効率も確実にアップします!

 

4. 自己肯定感を高めてくれる

上の1-3に共通するポイントは『自己肯定感を高めてくれる』マネージメントです。

自己肯定感を高める効果として、

  • モチベーションの向上
  • 仕事のパフォーマンスの向上
  • コミュニケーションの向上
  • 信頼関係の向上
  • ストレスの軽減

など、本当にポジティブな効果しかありません。

逆に自己肯定感を低くするマネージメントをすると、

  • モチベーションの低下
  • 仕事のパフォーマンスの低下
  • コミュニケーションの向上
  • 信頼関係の低下
  • ストレスの増加

など、チームへのマイナスな効果しかありません。

相手側の自己肯定感を高めるように努めるのは研究マネージメントのメインの柱の一つです。

 

5. Visibilityを高めてくれる

Visibilityはあまり聞き慣れない方もいると思いますが、チーム・部署・機関・分野での存在感を明瞭化してくれる時に良く使われる言葉です。

『Visibilityを高めてくれる』というのは簡単に言うと、仕事で貢献してくれた部分を文書や口頭ではっきりと同僚や上司など外に向けて発信する事で、部下やチームメイトの存在感を高めてくれることです。

学会や会議のプレゼンテーションの最後にAcknowledgement (謝辞)で、実際に貢献してくれた人の名前を表示したりちょっとスピーチで触れたりするのも、Visibilityを高めるためのアクションの一つです。

内部・外部に向けて仕事への貢献度・パフォーマンス・達成した事を発信することで、Visibilityが高まり、チームメイト・部下の存在を広く部署内や学術分野内で認知してもらえるようになります。

 

6. 締め切りと目標をはっきりさせる

褒めることで自己肯定感が高まって個々人のパフォーマンスは向上しますが、それに加えて『仕事の締め切りと目標を明確にする』ことで生産性がさらに向上します。

締め切りと目標をしっかりと中長期プランに盛り込んでいく事で、必要な作業そうでない作業が明確になってくるので、優先順位をつけやすくなります。

必要な作業に優先的に取り組むためにも、2週に1回など定期的にミーティングや作戦会議(Brainstorming)を行なって、チーム全員が同じ目標に向くよう努めるのは良いマネージメントです。

 

7. トラブルは迅速に処理する

時にトラブルは発生します。そういった事態に迅速にトラブルを解決するのは大切なマネージメントです。

トラブルといっても、技術的なものから人間関係的なものまで色々ありますが、大切なのは『常に味方である』というスタンスを取ることだと思います。

技術的なトラブルならば、適切なメンバーを交えたミーティングで解決できることが多いことでしょう。

ただし簡単な技術トラブルでもあまり放置しすぎると、稀により大きなトラブルに発展することもあるのでタイムリーに解決することは大切です。

人間関係のトラブル解決の例として、以前あるプロジェクトのチームリーダーからリスペクトの低い扱いを受けていることをボスに相談した時に、ボスが迅速にクレームを入れて即座に修正してくれた経験があります。

この場合もボスは常に『味方である姿勢』を示してくれていたので、とても頼もしかったです。

これを機に信頼関係はかなりアップしたので、信頼関係を築くためにもトラブルを迅速に処理する事は大切なマネージメントの一つだと感じます。

 

8. チャレンジを促してくれる

新しいことにチャレンジすることは素晴らしい事ですが、ある程度のリスクも伴うのも事実です。人によっては極端に抵抗を示すタイプのボスもいることでしょう。

しかし何か画期的な事や今まで見えなかった事実はそういったリスクを覚悟したチャレンジから発見に至ることもあるのも事実です。

ある程度のリスク評価をした後にGOサインを出してチャレンジを認めてくれる事は、新しい可能性へチャレンジすることを恐れないマインドを持った人材を育ててくれます。

 

9. ネットワーク拡張の手助けをしてくれる

ここで言う『ネットワーク』とは、簡単に言うと顔が広いっていうイメージで、自分のことを知っているプロフェッショナルな人達のことを指します。

自分一人で仕事に打ち込んでいるだけでは、ネットワークを広げていくのは大変です。

良いボス・マネージャーは上で触れたVisibilityを高めるポイントと同様に、別部署の方、職位上位の方、外部の大学・会社の方と知り合いになる機会(ミーティングのセットアップなど)を促してくれてり、直接紹介してくれます。

ネットワークを広げるメリットは、“コネ就職するために活用すべきネットワークの知識と作り方”でまとめていますが、

  1. 仕事のサポートを得やすくなる
  2. 共同研究を展開しやすい
  3. 就職活動・転職活動する上で、推薦などで助けてくれる

など、多くのメリットがあります。

一人では広げていくのが難しいネットワークも、ボスのサポートによって確実に広がっていくはずです。ネットワークを拡げる手助けも良いマネージメントの一つだと感じます。

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まとめ

  • 相手に対するリスペクトと感謝を伝えて自己肯定感を高めることは大切
  • 仕事の成果などを外部へ向けて積極的に発信して、Visibilityを高めることは大切
  • チャレンジを促すことは人材育成の面でも重要
  • ネットワーク拡張のサポートも重要なマネージメントの一つ

実は今回述べたポイントのほとんどは、今一緒に働いているボスから感じている事です。

現在のボスの研究マネージメントはとても尊敬しているので、今後もしマネージメントを行なっていくことになるのでれば是非上記のポイントを実践していきたいと感じています。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

参考になった、面白かったと思って頂けたら是非シェアして下さい 🙂

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