おはようございます
柴田元幸のエッセイ集を読み終わりました。
この中で非常に強くりくのらの心に響いた節がありました。
「 スポーツができる人間は共同体 ( クラス、チーム等 ) に貢献できるチャンスがたっぷりあるが、
勉強と言うのは実は超個人主義だから、
いくら勉強ができてもちっとも人には好かれない 」
というちょっと自虐的な書き出しから、著者が小学生だった時の思い出が語られるのですが、
教室で 「 知っている漢字を百書きましょう 」 と先生に言われて、
特に努力することもなく書き終わったら、
誰かが柴田さん ( 当時は柴田君 ) の書いたものをのぞいて、
「 シバタずるい、同じ漢字を二個書いてる 」 と叫んだ。
指摘されたそれは、実は 「 鳥 」 と 「 烏 」 で…
という話です。
小さなスマホの画面でご覧くださっている方のために、
フォントサイズを大きくしておこう。
鳥 と 烏
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この話を読んでりくのらも思い出したことがあります。
小学校二年生の時に漢字の小テスト的なものがあって、
隣の子の答えが見えないようにという配慮だったのか? と思うけど、
椅子に座って机の上で書く子と、
床に座って、と言うかまるまって、床の上で書く子とが市松模様にいました。
りくのらは床組でした。
なんという字だったのかは忘れましたが、へんとつくりがある漢字を書こうとして、
へんの方を間違えたので、消しゴムで消して書き直していたら、
隣の席 ( 床 ) の女の子が、
「 あっ、まちがえたら全部消して書き直さなくちゃいけないんだよ! 」 と
木の椅子の脚の間から小声で鋭く指摘してきたのです。
( 床と机に分けても、横の子が書いたり消したりしてるものが見えてるじゃんね )
それくらいの年頃の女の子って不正許すまじな強い気持ちがありますよね。
人間関係よりも正義公平規則みたいなところがね。
何世紀も前の記憶だからその子の顔とか名前は覚えていないし、
きつく咎められた、と思っているのも
実際言われた以上の強さで印象に残ってしまっているのかも知れないけど、
厳しく言われて全部消して書き直すまで許してもらえなかった ( と記憶している )。
そしてその時の納得は、おとなになった今でもいっていない。
そんな決まりは聞いたことがないし、
たとえそういう決まりが教室内であったとしても、
そうすることでなんの良いことがあるというのか。
意味ないじゃん!
と、後から言語化するとそういうことようなことを思ったんだけど、
ヒトからダメと言われることに弱かった小学生のりくのらはなにも言い返せなかった。
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校庭や体育館で運動ができるとクラスメイトに喜ばれるけど、
教室で勉強ができてもこのヤロウとは思われても喜ばれはしないって。
うっすらぼんやりと長年感じていたことが書かれているなあ、
そうか、そういうことだったのか、と思いました。
柴田元幸さんはそういう訳で、
子どもの頃に人から感謝されたり、喜ばれたりした記憶がほとんどない、と書いています。
そうか、自分に起こっていたのはそういうことだったのか、と思いました。
ちっちゃい頃のりくのらは、学校の勉強は ( 多分 ) すごくできて、
体育はものすごくできない子どもだった。
だいたい、体育の授業にちっとも出なかった記憶があります。
足が痛いのでお休みします、と毎回毎回ドキドキしながら先生に申し出ていたみたいです。
今だったら保護者に連絡が入りそうなものですが、
当時は一学級40人で先生も手が回らなかったんでしょうか、
親に問い合わせされることもなく、一年間体育をお休みしていたら通信簿が1だった。
学年が上がって担任の先生が代わったらこの手は通用しなくなりました。
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「 自分が何かすることで、世界は好意を示してくれうる 」 と学習できなかった、とも書いてあります。
だけど柴田元幸さんはおとなになって、翻訳者になって、大学の先生にもなって、
りくのらが いつかこういう文章を書けるようになりたい、と思う作品をたくさん書いて、
きっと今では世界からの好意を受け止められるようになっていると思います。
だから大丈夫だ、と思いました。
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いごいご! で小学生と遊ぶチャンスがいっぱいあります。
子どもたちにとって
「 自分が何かすることで、好意を示してくれる世界 」 の一部になりたいと思います。
りくのら朝学習プリント
今までのりくのら朝学習プリントをダウンロードできます。
No.140 長さを測ろう ( ものさし、帳面、えもんかけ )
No.143 動作の言葉 ( ヴィトゲンシュタインの言葉 )
No.144 定規を使わずに ( しっぽの赤リボン、たてがみの三つ編み )
No.145 いろんな食べ方 ( ハインラインは猫が好き )
No.146 数のイメージ ( 数には色がついている? )
No.147 手を描こう ( 恐怖を知らない人たちが発見された )
No.148 ご飯とパン ( ベジマイトとヌッテラ )
No.150 遊び方を教えて ( 家庭学習はのんびりやろう )
No.151 何をしまっておこうか ( 小学生の机の中には )
No,152 おいしそうなパフェ ( HTML文字数制限との戦い )