星コラム「今から約80億年後から約100兆年後の宇宙について」

ブラックホール




(C)NASA

 

少しずつ宇宙誕生から年代を追って、宇宙がどのように現在の形を成して

いったか、いろいろな説を紹介してきましたが、

 

前回から未来の宇宙になってきました。

 

今回は

「今から約80億年後から約100兆年後の宇宙について」

まとめています。

 

わからないことが多いにも関わらず、先の宇宙がどうなるのか、

考えれられているんですね〜

 

 

今から約80億年後①

 

この頃は太陽の寿命がそろそろやってきます。その少し前の段階といって

良いでしょう。太陽のような恒星は晩年になると巨大化し、「赤色巨星」に

なります。

 

太陽が巨大化を始めると、非常に明るくなり、地球では日射量が非常に多く

なります。地表の温度が上がり、海は干上がって、生命が存在するにはとても

難しい環境へと変わっているでしょう。

 

地球の事実上の死と言える状態かもしれません。

 

というのも、地球より遠くに位置する惑星でも、温度が上昇し、土星のリングは

氷を主成分とした塊の集まりで、できていますが、氷が蒸発してなくなってしま

うでしょう。

 

太陽の巨大化がどのくらいになるかは正確にはわかっていません。

一説によると、約80億年後、最大時の半径が、今の約300倍にまでなると

言われています。

 

こうなると、太陽に近い惑星の水星と金星、地球は巨大化した太陽に飲み込まれ

てしまうという計算なるそうです。

 

ただし、地球は飲み込まれない可能性がまだあって、それは、巨大化した太陽は

ガスを宇宙空間に放出しやすくなり、そのため質量が減ってくるのです。

軽くなってゆくということは重力が弱くなります。

重力が弱くなると、公転軌道が今よりも太陽から離れた軌道になってきます。

 

さらには、ガスの放出は太陽の半径を段々に小さくしてゆきます。

公転軌道が外側にゆき、太陽の半径が小さくなることで、地球は飲み込まれる

可能性が減ってくるのです。

 

今から約80億年後②

 

さて、巨大化した太陽が宇宙空間にガスを放出してしてゆき、

そのあとはどうなるのでしょうか?

 

ガスの放出はほぼなくなるまで続きます。

地球ほどの大きさの中心部だけ残して、太陽を形作っていたガスは宇宙空間に

散らばるのです。この段階で太陽の事実上の死がやってきます。

 

残された太陽の中心部は「白色矮星」と呼ばれる天体になります。

収縮して、元の地球の半分ほどの重さで、大きさが地球ほどになるので、

かなり高密度の天体と言えるでしょう。

 

1立方センチメートル当たり、1トンという重さです。

 

白色矮星は燃料が尽きているので、核融合反応は起こせません。ですが、余熱が

あるので、ゆっくり冷えながら輝き続けます。

放出されたガスは太陽系を取り巻くように広がってゆきます。

 

何度か紹介したことがある「惑星状星雲」と呼ばれる状態になるのです。

 

惑星状星雲についてはこちらをご覧ください。

星コラム「惑星状星雲について」
惑星状星雲についてまとめました。惑星状星雲は色々な形状があってとても面白い天体です。成り立ちなども合わせてまとめましたので参考にしてください。

 

 

今から約1000億年後

 

1000億年後。。。と聞いてもピンときませんよね。

計算上成り立ってしまうところまで、考えてくれているので、どんな状態か

説明します。

 

天の川銀河は50個以上の銀河の集団「局部銀河団」というくくりで所属が

決まっています。

 

これは比較的近距離で、お互いの重力で影響を及ぼしあっている、などの条件の

もとに所属が決まっているのですが、局部銀河群の場合、およそ半径300万光年の

範囲にある銀河の集団です。

 

お互いの重力が及ぼし合っているので、、1000億年ほどかけて、最終的には衝突

し、合体して、巨大な楕円銀河に纏まるだろうと、言われています。

天の川銀河と、アンドロメダ銀河のように一つ一つが合体して、局部銀河内にいる

そのほかの銀河もより近いものから引かれあってやがて。。。ということなのです。

 

では局部銀河の外の銀河はどうなるか?ですが、地球から約5900万光年の距離に

「おとめ座銀河団」という銀河の集団があります。1000個以上の銀河の集まりで、

規模は大きめです。

 

このおとめ座銀河団も最終的には、ほぼ全ての銀河がまとまって、巨大な楕円銀河に

なってゆくと考えられています。

 

では、局部銀河群とおとめ座銀河団の、巨大化した楕円銀河同士の合体などが、

気になるところですが、結論的には今の段階の考え方ですが、合体はしないと

考えられています。

 

それには宇宙の膨張速度が大きく関わってきます。

2000年頃から宇宙の膨張速度が加速していることが、わかってきました。

 

まず、二つの巨大化した楕円銀河の距離がかなり大きいことと、二つの楕円銀河の

重力よりも宇宙膨張の引き離される力の方が大きく、遠ざかってゆく試算の方が

有力視されているのです。

 

実は、この膨張速度は時間が経つにつれ増してゆき、1000億年後には観測可能範囲

に銀河がなくなってしまうと考えられています。

遠すぎて、自分のいる銀河しか見えなくなってしまうということです。

 

 

 

今から約100兆年後

 

100兆年後。。。さらにどんだけ経っているんだという感じですが、

無限に広がっているように感じている宇宙は、それらを支える材料が揃っていた

ので、成り立って、新たに星が生まれるサイクルが起こったり、重力で引き合う

運動から色々な宇宙のひとかけらを創造してゆきました。

 

ですが、この頃になると、その燃料が尽きてしまうということが考えられています。

星の誕生に必要なエネルギーは、ガスなどが圧縮されて核融合反応からなります。

それらを繰り返すうちにより重い元素へ変化してゆき、それと同時に軽い元素が

減っているということなのです。

 

想像突かない様な長い年月を要しますが、最も軽い元素からなる恒星が、燃え尽きる

と、新たに星が誕生しないのではないかと、考えられています。

 

もちろん、何らかの変化が起こって、その試算が変わる可能性もあります。

それはまだ誰にもわかりません。。。

 

 

 

今から約10の100乗年後

 

星なくなってゆく宇宙には何もないのでしょうか?

見えにくくなった白色矮星やブラックホールの様な暗い天体はまだ存在しています。

 

ただ、ブラックホールも時間差はありますが、飲み込むものがなくなって宇宙では、

徐々に蒸発してゆくと理論的に予測されています。

 

その速度は大きなブラックホールほど遅いと試算されていて、太陽ほどの大きさの

ブラックホールで、10の66乗年かかり、最大級のブラックホールは10の100乗年

かかるそうです。

 

この約10の100乗年後には、ブラックホールから蒸発しながら飛び出す素粒子が

宇宙に存在するのです。

 

素粒子が飛び交う宇宙というのは宇宙誕生の時と似ています。。。

ですが、絶対的に違うのが、宇宙の密度です。

膨張はどんどん進んで行くので、寂しい世界なのかもしれないですね。。。

 

 

宇宙が誕生から0秒後から約3億年後ごろまで

 

まとめたページはこちらをご覧ください。

 

星コラム「宇宙誕生0秒後から3億年後ごろまで」について
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宇宙が誕生から約3億年後ごろから92億年後ろまで

 

まとめたページはこちらをご覧ください。

 

星コラム「宇宙誕生3億年後ごろから92億年後ごろまで」について
宇宙が誕生してから約3億年後から、約92億年後ごろまでの流れを、まとめてみました。宇宙誕生から約3億年たったころ、ガスの濃い部分は、あちこちで太陽の重さの100分の1くらいのガスの塊へと成長してゆきました。

 

 

 

まとめ

 

「今から約80億年後から約100兆年後の宇宙について」まとめました。

 

途方も無い年数が経っていますが、あくまでも今のデータで計算できるところまでの

試算です。

 

何か私たちの知らないデータも、もちろん存在しています、

これから先何が宇宙に起こるかもわかりません。

ただこんな宇宙の時間は長いんだよ〜と思ってくださいませ。

 

良い観望であります様に。。。。

 

 

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