人気作家の最新刊&文庫本を紹介【ジャンル別】

【歴代】本屋大賞 受賞作品のおすすめ小説【ジャンル別】

【歴代】本屋大賞 受賞作品のおすすめ小説【ジャンル別】

「本屋大賞」とは、全国で働いている書店員の投票によって「今いちばん売りたい本」を選ぶ文学賞です。

今回はそんな、本屋大賞の歴代受賞作品の中から『おすすめ小説』をジャンル別にてご紹介します。

まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。

 

目次(タップできます)

【歴代】本屋大賞 受賞作品のおすすめ小説【ジャンル別】

2004年の第1回より続いている本屋大賞ですが、幅広い層に評価されており、受賞作はテレビドラマや映画にと映像化されることも多く、近年ますます注目されている文学賞になっている。

 

ミステリー小説

『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎

あらすじ

仙台でおこなわれていた金田首相の凱旋パレード中、突如爆発が起こり首相が死亡した。同時刻、元宅配業の青柳雅春は、旧友に「お前、オズワルドにされるぞ」と告げられ、今すぐ逃げろと促される。突如あらわれた警官は、ためらうことなく拳銃を発砲した。

どうやら、首相暗殺犯の濡れ衣をきせられているようだ。巨大な陰謀からの孤独な逃走劇の幕があがる。

おすすめポイント

警察に追われ、マスコミの報道により一般市民の目も向けられ、逃げても追手がすぐそこに。そんな、スリリングな展開にドキドキとハラハラが止まらない。

疾走感とともに、逃走を手助けする人びとの温かさが心地よく吹き抜けていく作品。

『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉

あらすじ

国立署の新人刑事である宝生麗子。その正体は、世界的にも有名な「宝生グループ」のお嬢様だが、職場では秘密にしている。職場では、パンツスーツに黒縁メガネという地味な着こなしながら、大豪邸に戻ればドレスに着替えて優雅にディナーを楽しむ麗子。難事件により捜査が進まなくなると、執事の影山にいつも相談しては、「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」と毒を吐かれながらも、事件の謎を解き明かしていく。

おすすめポイント

お嬢様の麗子と毒舌の影山ふたりの、痛快でいてユーモアたっぷりの掛け合いが、本作の最大の魅力になっている。またそこに、おぼっちゃんの風祭警部がスパイスを加えて、ライトミステリーを堪能することができる。

お嬢様刑事と暴言を吐く執事の軽快な会話をたのしみながらも、謎解きの爽快感を味わえる作品集。

 

ファンタジー小説

『鹿の王』上橋菜穂子

あらすじ

巨大な帝国によりのまれていく故郷を救うため、戦いを挑む戦士団「独角」。しかし、頭であるヴァンは、岩塩鉱に囚われ奴隷となっていた。

ある夜、ふしぎな黒犬の群れが岩塩鉱を襲って、謎の病が広がっていく。ひとり生き延びたヴァンは、逃げている途中で幼い少女を助け、ユナと名付け育てることに。

そのころ、医術師ホッサルは、この病が「黒狼熱(ミッツアル)」と疑い、治療法を探っていたのだが…。

おすすめポイント

未知の病に直面して、うろたえていく世界。病の真相を追い求めていく医療ミステリーであるが、感染の経路や治療法にいたるまで緻密に描かれる。そのリアルさに引き込まれるとともに、医療というもの、命というものを考えさせられる。

未曾有の危機におちいった世界で、戦士と幼子に医術師の3人が立ち向かう行末が、今の世だからこそ深く心に響いてくるものがある物語。

『かがみの孤城』辻村深月

あらすじ

安西こころは中学に入学してすぐに、あることが原因で学校へいけなくなった。居場所がなく家に閉じこもっていたある日、突如として部屋の鏡が光りだした。輝く鏡をくぐり抜けて導かれた先には、見たこともない城があった。そこには、こころと似た境遇の7人がいた。狼面をつけた少女の指令で、どんな願いも叶うという部屋の鍵を探すことになるのだが…。

おすすめポイント

城に集められた7人は、それぞれに悩みを抱えている。心の奥底に闇を抱えた彼らの心情や、もがきながらも前に進もうと立ちあがろうとするさまは、感情移入させられ胸が熱くなってくる。また、鍵を探すなかタイムリミットが迫まる状況で、忍び寄よってくる怪しげな気配には、おのずとハラハラドキドキ感が高まってていく。

心に傷を抱えた者たちが、理不尽な現実を打ち砕こうと一歩を踏みだしていく。そんな姿に心を揺り動かせる物語。

 

お仕事小説

『舟を編む』三浦しをん

あらすじ

出版社の営業部に勤めている馬締光也は、コミュニュケーションの低さから厄介者とされていた。しかし、定年間近のベテラン編集者である荒木に言葉への鋭敏さを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。

そこには、辞書編集に人生を捧げる老学者、辞書に愛着を見せ始めるチャラ男、など個性的な者たちがいた。そんな面々と彼は、新しい辞書「大渡海」の完成にむけて取り組んでいくのだが…。

おすすめポイント

長い年月を経て、じっくり丁寧に編みあげていく辞書作りの作業。主人公の馬締光也をはじめ、個性の強い面々が「大渡海」の辞書を完成させるべく、人生をかけ情熱を注いでいる。その過酷さと気の遠くなる時間に、辞書のありがたみと文字の奥深さを知るとともに、彼らの仕事への熱量が眩しくも羨ましくもある。

辞書編集に携わるちょっと変わり者たちの想いにふれ、言葉というものを愛おしく感じれる作品。

『羊と鋼の森』宮下奈都

あらすじ

北海道の山奥で育ち、なにかに夢中になることのない少年であった外村。高校2年のとき、調律師である板鳥がグランドピアノを調律しているのを偶然に見かけて、調律の世界に魅了されていく。その道を進もうと、専門学校に通い、やがて板鳥の働く楽器店に身を置くことに。ひとりの青年が、個性ある者たちに囲まれながら、調律師として成長をとげていく…。

おすすめポイント

調律という仕事に魅せられた青年が、自身も調律師になるという道を歩んでいく。その過程で、仕事がうまくいかない自分の不甲斐なさに悩みながらも、地道でいて一歩ずつ前に進んでいくひたむきな姿勢に、胸を打たれ仕事への向き合い方を考えさせられる。

ピアノの調律に魅了されたひとりの青年が、人として成長していく姿に、穏やかでいて心にしみ入る作品。

 

歴史・時代小説

『天地明察』冲方丁

あらすじ

徳川四代将軍家綱の治世。「日本独自の暦」を作るというプロジェクトが立ちあがった。そんな、改暦を遂行するべく選ばれたのは渋川春海。碁打ちに長けた春海は、己の行き方に飽きを感じ、算術や天文観測に生きがいを見いだしていく。天を相手にした、彼の長い長い勝負がはじまる。

おすすめポイント

苦節と挫折を乗り越え、新しい暦を作ることに生涯を捧げていく渋川春海。そんな彼を支える人びとの想いに応えるべく、情熱を傾けていく彼の人柄に、魅せられてしまう。

江戸時代に改暦をなすべく人生をかけた勝負に挑んだひとりの青年の成長物語に、胸を躍らせてくれる時代小説。

『海賊とよばれた男』百田尚樹

あらすじ

1945年8月15日、連合国と日本の戦争は終わりを告げた。石油会社「国岡商店」の店主である国岡鐡造は、すべてを失い莫大な借金を抱えていた。先行きの見えない日本において、社員ひとりの馘首をせずに、国岡商店の再建に挑んでいく。石油を武器にし、世界との新たな闘いに身を投じていくことに…。

おすすめポイント

終戦直後のなにもない日本にあって、目先の利益を優先するのではなく、国や社員のためになるかを常に意識してものごとを決めていく国岡鐡造。さまざまな苦難を乗り越え、自らが先頭に立って道を切り開いていくさまに、読者もまた惹きつけられてしまう。

出光興産の創業者である出光佐三をモデルにして描かれる波乱万丈の人生に、心を揺さぶられる作品。

『村上海賊の娘』和田竜

あらすじ

戦国時代に、その名を轟かせた村上海賊なる者たちがいた。瀬戸内海の島々を拠点とし、勢力をほこっている村上水軍の当主である村上武吉。そんな彼の勇猛さと荒々しさを受け継ぐのは、娘の景である。

ある日、信長により追い込まれた本願寺の窮地を救うため、毛利家から物資の輸送をねがう依頼がとどいた。村上水軍が毛利方に加勢し、陸海の戦いのはじまりを告げていく…。

おすすめポイント

海賊働きを好み、男勝りな性格で腕も立つが、20歳で嫁のもらい手もおらず「醜女」と呼ばれる景。そんな娘が、信長との数年にわたる攻防を続けてきた大坂本願寺との戦いに身を投じていく。両軍入り乱れての合戦では、緊迫感にハラハラさせられながら、戦術の細かな描写も味わえる。

第一次木津川合戦の史実にもとづく、瀬戸内の海賊衆が駆け抜けていく姿に、胸を熱くさせられる歴史小説。

 

映像化小説

『博士の愛した数式』小川洋子

あらすじ

家政婦である「私」が派遣されたのは、事故により80分しか記憶がもたなくなった元数学教授の「博士」の家であった。博士にとって、私はつねに初対面の家政婦である。数字にしか興味を示さない彼に、困惑する日々。そんなある日、私の息子の存在をきっかけにして、またたくまに温かさへと変化してゆくが……。

おすすめポイント

事故による影響で記憶が80分しか続かない博士。そんな彼が見せる数学への純粋なまでの情熱に、戸惑いのあった家政婦の私や息子までもが心を動かされていく。3人の繋がりをとおして、数学のおもしろさと人生における幸せに気づかせてくれる。

80分しか記憶のもたない博士、シングルマザーの家政婦と息子ルートの3人が織りなす交流に、悲しくも胸が熱くなっていく物語。

『告白』湊かなえ

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

中学校の1年B組。終業式の日に担任である森口悠子は、教師を辞めることを生徒たちに告げた。その原因とされる、娘がプールに転落して亡くなったことについて語りだす。犯人である「A」と「B」をあげながら、すでに彼らには復讐を仕掛けた、と宣告して去っていく…。

おすすめポイント

大切なものを失った哀しみと憤りは、きれいごとだけでは語れない。それは、教師という立場にあっても同じである。さらけだされた、人の心の奥底を覗き見すれば、嫌悪感を抱くかもしれないが、それが人なのだと感じさせ、物語に引き寄せられてしまう。

事件の関係者たちの独白に、人間としての本性が透けて見え、それが読者に深い余韻を残していく作品。

『蜜蜂と遠雷』恩田陸

あらすじ

若いピアニストたちの登竜門として世界的にも注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

養蜂を生業とする父と移動生活をし、自宅にピアノを持たない16歳の少年・風間塵。かつて天才少女といわれたが母の死を境に、ピアノから離れていた20歳の栄伝亜夜。楽器店に勤務するサラリーマンで妻子持ちである、28歳の高島明石。完璧なまでの演奏技術と音楽性を兼ね備えて、優勝候補とされる19歳のマサル。

若き才能たちによる、熱き闘いの幕が上がる…。

おすすめポイント

ピアノコンクールに懸ける、それぞれが抱えている想いや葛藤に引き寄せられ感情移入させられる。また、本作の魅力の一つとなっている演奏シーン。文字として描かれているのに、ピアノが奏でる音をまるで読者もホールで聴いているかのごとく興奮させられる。

国際ピアノコンクールに挑んでいく、若き才能のピアニスト4人たちの姿に、音楽の世界にいざなわれ心を揺さぶられる物語。

 

まとめ

どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?

この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。

それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ

 

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この記事を書いた人

30代の元開発エンジニア。本の書評多め(ミステリ、ファンタジー、気になった本を読む雑食系)。現在は、自由な働き方で生活していけるように、日々の『喜び・怒り・悲しみ・楽しみ』を書きつづっています。

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