番外編:一人旅の魅力
こんにちは、鶏皮です。
世間は三連休明けですが私は二連休の始まりだよ!
はてさてダラダラと続いてしまった北海道旅行記ですが、
その3日間で大きく感じたことのまとめだけ最後に書こうと思います。
一人旅の魅力
一人旅を終えて帰ってくるとき毎回思うんですが、
一人旅って「あー楽しかった!」って感じではないんですよね。
友達同士で旅行に行くと、キレイな景色を見て
「うわめっちゃキレー!!」って言い合ったり、様々な場面で爆笑したり、
紆余曲折あれど最終的に残る印象って「楽しかった!」なんですが、
一人旅ではそう思うことってあまりないんです。
すごく表現が難しいんですけど、
「皆が皆、素敵で素晴らしいと思う景色を
さほど素晴らしいと思わなかったことを全身で感じられるのが一人旅の良さ」
だと思ってて。
すごくマイナスな言い方になってしまうんですが決してそういうことではないです。
友人や誰かと旅行に行くと、どんなに仲が良くてどんなに気心知れた相手でも
100%気を遣わないってことは無理だと思うんですよ。それがたとえ家族だとしても。
さほどキレイとも思ってない景色を見て「わぁキレイ」ぐらいは言うと思うんですよ。
少なくとも私は言います。
ここで「え、全然キレイでもないね」って言う方が野暮だし。
それに実際、人といるときは「自分の第一感情」よりも「人といる自分の第一感情」が優先されるので、ちゃんと本心から「キレイな景色だ」とも思ってるんですよ。
でも一人旅ってそれがない。
「さほどキレイと思わなかった景色」を「さほどキレイと思わない景色だった」とそのままの感想を自分の中に落とし込むことができる。
そうすると「皆は良いって言うけど私にはさほど響かない景色なんだな」ということを知ることができるんですよ。
そしたら「じゃぁ自分の心に響く景色を探しに行こう」と思えるようになる。
そして、そこで出会った景色なり、建造物なりを見て初めて
「自分はこれが好きなんだ」ということを知ることができる。
普段生活して働いてたりすると、「本当の一人」になる時間ってかなり限られてくると思うんです。
「人といる自分」が通常の自分になってしまって「人といる自分」の好きなものや嫌いなものしか分からなくなる。
たとえば皆が「あの役者は演技が上手くて良い」って言ってるから、自分も「あの役者いいよね」って言ったりすることありませんか?
本当に自分自身が「あの役者が良い」と心底感じた上での発言だったか、多分そんなこと意識することもなく言ったりしませんか?
そういう無意識のうちに繰り返してる日常の小さな場面が、少しずつ少しずつ自分の本当の好きなものや嫌いなものを分からなくさせていってるように思うんです。
ただでさえ今はSNSが盛んで、たくさんの情報や意見が否応なく耳に入ってくる時代だし。
そういうものを全部とっぱらって自分の本当の「好き」や「嫌い」に出会えるから一人旅がやめられないんだと思います。
だから一人旅の感想って単純に「楽しい」じゃないんですよね。
振り返ると「何が楽しかったのか全然わかんないけどめっちゃ楽しかった」が一番正解に近い。
伝えるのがめんどくさいから人に「一人旅って楽しいの?」って聞かれたら「楽しいよ」って答えちゃうけどね。←これも結局「人といる自分」の気持ちを優先させてしまった発言ですよね(笑)
今回の旅でいえば私の場合、「風力発電の風車」なんかがそれでした。
遠くで見たときの雄大さ、かっこよさ。近くで見たときの怖さ、不安さ、不気味さ。
全てをひっくるめて私の心の中の鐘みたいなものをガン鳴らしされてる感じでした。
決して「キレイ」や「素敵」と思ってるわけではない。でもどうしても目が離せない。
いくら見ても見飽きない。実際40~50分くらい一人でひたすら風車眺めてましたしね(笑)
そこで初めて「風力発電の風車が好き」だという、28年間生きてきた自分でさえも知らなかった自分の「好きなもの」を知ることができました。
一人旅をすればするほど、そういう今まで知らなかった自分の「好きなもの」がたくさん増えていくのが新鮮で楽しくて楽しくてたまらないんです。
そしてそれに出会えるにはやっぱり「一人で旅に行くこと」が重要なんです。
だからまた早く行きたくて行きたくてたまらなくなってます(笑)
ワクワクがすごいんですよ。
だって自分の知らなかった「自分」に出会えることが100パー約束されてるんですよ。
「家族といる」自分でもなく
「友達といる」自分でもなく
「職場の人達といる」自分でもなく、
普段なかなか遭遇しない「自分である自分」と向き合いまくれる。
そんなんワクワクするに決まってるでしょ!
次はどんなことを感じられるんだろうとか、どんなことを知れるんだろうって。
楽しくなくても良いんですよ。「こういうことは楽しくない」って知ることがもう楽しいから(笑)
こんなに良いものをバンバン人に薦めてあげるほどお人好しではないので
「一人旅なんて寂しくない?」なんて言う人に魅力を語ることなんて絶対しませんが(笑)
本当にこんなにも楽しいことを「寂しい」なんかで片付けちゃうのは損だよ~!!!
と思っています。
みんな旅に出よ!!
病み付きの「恐怖」
前もちょろっと言ったんですが、
今まで一人旅は何度もしたことがありますが一人で本州を出た北海道に行ったのは今回が初めてでした。
楽しみではありましたが、不安もありました。
実際着くと、道端を普通に鹿が歩いているという都心では絶対ありえない光景に、
ワクワク半面、なんかあったとき一人じゃ太刀打ちできない不安もありました。
もし熊が出たら?高波に襲われたら?台風が直撃したら?地震に遭ってたら?
私以外誰もいないだだっ広い平野で自然災害なり動物災害なりなにか起きたら?
今回の旅は、今までの旅以上に「不安」や「危険」を感じる場面が多くありました。
京都や金沢などの観光地と違い、ちょっと山奥に入ったり、ちょっと外れに入ったりすると
あっという間に「ひとりぼっち」になるんですよ。さすがでっかいどう。
あっという間に「一人」と「一頭」とかになるんですよ!!!(笑)
(写真だと一人と三頭ですけど!)
ただ、これが良いのか悪いのか分からないんですが
その「圧倒的恐怖」が少し病みつきになってきているみたいです。
普段生きてて、「身の危険」を感じることなんてそうないじゃないですか。
通り魔とかは別にして、ボーっと生きてても急に危険になることなんてまずないし、
すごくドキドキしたりハラハラしたりすることもそうそうない。
でも大自然の中ってちゃんと知識を持って、ルールを守って、真剣に生きておかないと
あっという間に隣に「死」があるんですよね。
山の中で野生の鹿と1対1で対面したときも思ったんですが、
いくら大人しい鹿といえどあの鋭く大きな角が刺さりでもしたら
私なんてあっという間に死ぬんだなと。
ここにいるのは動物園の動物なんかじゃなく、入園料払って見てるんでもなく、
人間と動物っていう対等な立ち位置でいるんだということをまざまざと感じさせられました。
この北海道旅行に限らず、ここ数年は旅程がだんだんとアウトドア化してきて
牢獄みたいなログハウスでムカデと対峙した挙句、河原で寝たり、
ブログには書いてないのですが、去年長崎の無人島に行った際、漁師さんの計らいで小型漁船に乗せて貰って大シケの荒波を死にそうになりながら進んだり、
そういう普通じゃ味わえない経験をすることが増えました。
(これ去年の写真です笑)
そういう恐怖に直面してる最中は
「もうやだ!!ムリ!!怖い!!一生都心でオシャレしてパンケーキ食べて過ごしてやる!!」ぐらい思ってるんですが(笑)
いざ都会に帰ると、あのときの「恐怖心」や「不安」の感覚がどうにも忘れられなくて
心ここにあらずというか、またあの感覚が味わいたいみたいな感じになってるんですよね。
月並みなんですが心底「怖い!」と思うからこそ初めて「生きてる!!」って感じることができるみたいな…。
そういう非日常体験をしてしまったらもう普通の生活には戻れないというか、
発言が冒険家みたいになってるけど大丈夫???
勿論そういう身の危険だけじゃなく、宗谷丘陵で感じた
「絵画に閉じ込められてる」ような恐怖心なんかも忘れられないもののひとつです。
平野にしろ動物にしろ大自然に対する「人間一人がどうすることもできない圧倒的すごさ」みたいなのが病みつきになってるんだと思います。
やっぱり"恐怖心"ってなによりも「強い感情」だと思うので、
普段の生活じゃ感じられないほど心が真剣になるのが新鮮でやめられないんだと思います。
なので最近は心ここにあらずで仕事して「早く山行きたい森行きたい…」
って思うようになってきてます…。
大自然への知識はまだ全然ないのでこれから場数踏みながら培っていきたいなぁと思ってます。
本当どこに向かってるんだ鶏皮よ…
自分の好きなものに素直にベクトル向かわせてる結果がこれですよ。
なので長々と語ってしまいましたが、
この北海道旅行を総括して一言で言うとするならば
「なんか新しい扉開いちゃった…」
これに尽きます。
ありがとう北海道!
また会う日まで!次は知床行きたいな!
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