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安倍総理・安倍内閣応援のブログでしたが、諸般の事情により、今後は、菅義偉内閣を応援します ガースー (^^)/

韓国海軍駆逐艦による⾃衛隊機への⽕器管制レーダー照射に関する防衛省の最終⾒解について(全⽂)

2019-01-22 07:31:23 | 日記
韓国海軍駆逐艦による⾃衛隊機への⽕器管制レーダー照射に関する防衛省の最終⾒解について(全⽂)
2019.1.21 19:51産経ニュース | 政治 | 政策



 はじめに
 防衛省は、これまで⽇韓の防衛当局間で緊密な意思疎通を図ってきており、この度の⽕器管制レーダー照射をめぐる問題に関しても、⽇韓間で累次に及ぶ協議を⾏ってきました。しかしながら、照射の有無をはじめとする主要な論点につき、今⽇まで認識の隔たりを解消するに⾄っていないことは誠に残念です。
 防衛省としては、本件事案を重く受け⽌め、再発防⽌を強く求める観点から、⽇本側が有する客観的事実をとりまとめ、公表することといたしました。
 本公表が、今後の同種事案の再発防⽌につながることを期待いたします。
 1 ⽕器管制レーダーの照射について
 わが国は広⼤な海域に囲まれていることから、防衛省は、各種事態に適時・適切に対処し、国⺠の⽣命・⾝体・財産と領⼟・領海・領空を確実に守り抜くため、わが国周辺海域で活動する外国軍艦等に対し、平素から広域にわたって警戒監視および情報収集を実施しています。
 昨年12⽉28⽇に動画でも公表したとおり、同⽉20⽇午後3時頃、平素の警戒監視および情報収集の⼀環として、海⾃P1哨戒機が⽇本海のわが国の排他的経済⽔域(EEZ)内を⾶⾏中、韓国駆逐艦および韓国警備救難艦を確認したことから、写真撮影等を実施していたところ、突然、その駆逐艦から⽕器管制レーダーの照射を受け、海⾃P1哨戒機は、直ちに安全確保のための⾏動をとりました。
 ⽕器管制レーダーの照射は、⽕器の使⽤に先⽴って実施する⾏為であり、他国の航空機に向けて、合理的な理由もなく照射することは、不測の事態を招きかねない極めて危険な⾏為です。
 わが国や韓国を含む21カ国の海軍等が、2014年に採択したCUES(Code for Unplanned Encounters at Sea(洋上で不慮の遭遇をした場合の⾏動基準))では、こうした⾏為は攻撃の模擬とされ、指揮官が回避すべき動作の⼀つとして規定されています。
 このような重⼤な事案の発⽣を受けて、防衛省は、韓国側に対し強く抗議し、再発防⽌を求めましたが、韓国側は、この事実を否定したばかりでなく、防衛省に「事実の歪曲(わいきょく)」の中⽌と「低空で脅威⾶⾏したこと」への謝罪を求めるといった対応に終始しています。
 防衛省の専⾨部隊で海⾃P1哨戒機に照射されたレーダー波の周波数、強度、受信波形などを慎重かつ綿密に解析した結果、海⾃P1哨戒機が写真撮影等を実施した韓国駆逐艦の⽕器管制レーダー(STIR-180)からのレーダー波を⼀定時間継続して複数回照射されていたことを確認しています。なお、近傍に所在していた韓国警備救難艦には、同じレーダーは搭載されておらず、韓国駆逐艦からの照射の事実は、防衛省が昨年12⽉28⽇に公表した動画の内容からも明らかです。
 今般、防衛省としては、⽕器管制レーダー照射の更なる根拠として、海⾃P1哨戒機の乗組員が機上で聞いていた、探知レーダー波を⾳に変換したデータを、保全措置を講じた上で、防衛省ホームページにおいて公表することとしました。
 ⼀般に、⽕器管制レーダーは、ミサイルや砲弾を命中させるために、⽬標にレーダー波を継続的に照射して、その位置や速度等を正確につかむために⽤いるものであり、回転しながらレーダー波を出して、周囲の⽬標を捜索・発⾒するための捜索レーダーとは、波形などのデータに明確な違いがあります。このため、レーダー波を解析すれば、その種類や発信源の特定が可能であり、今回、海⾃P1哨戒機に照射されたレーダー波は、⽕器管制レーダー特有の性質を⽰していました。
 防衛省の解析結果等から、このレーダー波が、海⾃P1哨戒機が写真撮影等を実施した韓国駆逐艦の⽕器管制レーダーから発せられたことは明らかですが、客観的かつ中⽴的に事実を認定するためには、相互主義に基づき、⽇本が探知したレーダー波の情報と、韓国駆逐艦が装備する⽕器管制レーダーの詳細な性能の情報の双⽅を突き合わせた上で総合的な判断を⾏うことが不可⽋です。
 こうしたことから、防衛省は、本年1⽉14⽇の実務者協議において、相互主義に基づき、解析結果のもととなる探知したレーダー波のデータやレーダー波を⾳に変換したデータなど事実確認に資する証拠と、韓国駆逐艦の⽕器管制レーダーの性能や同レーダーの使⽤記録などを、情報管理を徹底した上で突き合わせ、共同で検証していくことを提案しましたが、受け⼊れられませんでした。
 なお、昨年12⽉27⽇の実務者協議でも、同趣旨の提案をしています。また、本年1⽉14⽇の実務者協議では、事実確認に資する証拠の⼀つとして、探知したレーダー波を⾳に変換したデータを持参し、その場で韓国側に聴取してもらうことを提案しましたが、韓国側はその提案も拒否しました。
 韓国国防部報道官は、翌15⽇に、「無礼」との外交的にも異例な⽤語を⽤いて、防衛省の提案を⾮難した上、同⽉14⽇の実務者協議の詳細について、事前の合意に反して、事実と異なる内容を⼀⽅的に明らかにしています。同報道官のこのような⾔動は、双⽅の信頼関係を損ない率直な意⾒交換の⽀障となるもので、極めて遺憾であり、同⽉16⽇、防衛省はこのような⾔動が繰り返されることのないよう、強く求めましたが、韓国側からは、誠意のある回答が得られていません。
 上述のような⼀連の韓国側の対応ぶりや、これまでの韓国側の主張が⼀貫しておらず信頼性に⽋けるものであることを踏まえると、韓国側が事実とは全く異なる主張を繰り返していると結論付けざるを得ません。
 このような状況においては、相互主義に基づく客観的かつ中⽴的な事実認定が困難であるため、これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に資するとは考えられません。防衛省としては、韓国駆逐艦による海⾃P1哨戒機への⽕器管制レーダー照射について、改めて強く抗議するとともに、韓国側に対し、この事実を認め、再発防⽌を徹底することを強く求めます。

 2 その他の韓国側の主張について
 (1)海⾃P1哨戒機の⾶⾏について
 韓国側は、海⾃P1哨戒機が、「⼈道主義的救助作戦」に従事していた韓国駆逐艦に対し、近接した距離において「低空で脅威⾶⾏した」と主張し、謝罪を求めています。 軍⽤機の最低安全⾼度を直接定める国際法はありませんが、海⾃P1哨戒機は、安全を確保するため、国際⺠間航空条約にのっとったわが国航空法に従って⾶⾏しており、韓国駆逐艦に脅威を与えるような⾶⾏は⼀切⾏っていません。なお、⽶軍やNATOの通常のオペレーションも、同様の基準にのっとって⾏われていると承知しています。
 実際、昨年12⽉28⽇に防衛省が公開した動画の内容や、海⾃P1哨戒機の航跡図からも明らかなように、この海⾃P1哨戒機は、韓国駆逐艦に最も接近した際でも、⼗分な⾼度(約150メートル)と距離(約500メートル)を確保しており、韓国駆逐艦の活動を妨害するような⾶⾏も⾏っていません。なお、韓国駆逐艦からの無線による呼びかけもなかったことから、海⾃P1哨戒機は、韓国側が救助作戦を⾏っていることを認知できませんでした。
 韓国側が公表した、警備救難艦の⼩型艇から海⾃P1哨戒機を撮影したとみられる約10秒間の映像には、韓国側の主張を⽀える根拠は⾒当たりませんし、それ以外にも、同機が「低空で脅威⾶⾏した」との韓国側の主張を裏付ける客観的根拠は何ら⽰されていません。
 これまで、海上⾃衛隊では、警戒監視および情報収集中に、韓国のみならず外国軍艦等を確認した場合には、今回と同じような⾶⾏を⾏い、写真を撮影しています。昨年4⽉以降、今回写真撮影を⾏った韓国駆逐艦(「クァンゲト・デワン」)に対しても、今回と同じように3回の撮影(4⽉27⽇、4⽉28⽇、8⽉23⽇)を⾏っていますが、その際、韓国側から問題提起を受けたことはありません。
 防衛省は、実務者協議において、更なる客観的根拠の提⽰を求めましたが、韓国側からは、そのようなものは⽰されず、逆に「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」などの全く客観性に⽋ける回答を繰り返しています。
 こうしたことから、防衛省では、韓国側の主張は、客観的根拠に基づいていない説得⼒を⽋いたものであり、⽕器管制レーダー照射に関する重要な論点を希薄化させるためのものと⾔わざるを得ないと考えています。

 (2)通信状況について
 ⼀般に、艦船の乗員が危険を感じた場合には無線で呼びかけを⾏いますが、韓国駆逐艦は、海⾃P1哨戒機の⾶⾏を問題視する⼀⽅で、同機に対して危険を伝える呼びかけなどを全く⾏っていません。
 また、海⾃P1哨戒機は、⽕器管制レーダーの照射を受けた後に、国際VHF(156・8メガヘルツ)と緊急周波数(121・5メガヘルツおよび243メガヘルツ)の3つの周波数を⽤いて呼びかけを⾏いましたが、同艦からは⼀切応答がありませんでした。
 この問題について、韓国側は、現場の通信環境が悪く、同機からの呼びかけをほとんど聞き取れず、「KOREA COAST」と聞こえたために反応しなかったと説明しています。また、3つの周波数のうち1つについてはそれを聞けるような状態に通信装備をセットしていなかったとも説明しています。
 しかし、当⽇の現場海域は、晴天で雲も少なく、通信環境は極めて良好でした。また、海⾃P1哨戒機は、韓国駆逐艦に呼びかけた同じ通信機器(この通信機器は⾶⾏前、⾶⾏中および⾶⾏後に正常に作動していたことを確認済み)を⽤いて、埼⽟県の陸上局と通信を⾏っていたほか、現場から約240キロメートル離れた位置を⾶⾏していた航空⾃衛隊の練習機が、この韓国駆逐艦に対する同機の呼びかけを聞き取っていたことも確認しています。
 このように良好な通信環境であったにもかかわらず、通信が明瞭に受信できなかったとは通常では考えられないことであり、実際に韓国側が公表した動画では、韓国駆逐艦内において海⾃P1哨戒機の乗組員の呼びかけ内容(「KOREAN SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971, THIS IS JAPAN NAVY.」)を明確に聞き取ることができます。この点について、本年1⽉14⽇の実務者協議で韓国側は、海⾃P1哨戒機からの呼びかけを繰り返し確認した結果、後になって通信当直の聞き間違いであることを確認したと初めて説明しました。これまで、韓国側は記者会⾒等の場で、「KOREA COAST」と聞こえたために反応しなかったとのみ説明しており、このような事実を明らかにしていませんでした。
 防衛省としては、今後このような問題が再び起こることのないよう、韓国側に対して、⾃衛隊機等に対する適切な通信の実施、通信の待ち受け状態の改善、通信要員等への教育・訓練など、⽇韓の防衛当局間の現場における意思疎通の改善を図るための措置を求めます。

 3 今後の対応について
 以上の理由から、防衛省としては、韓国駆逐艦による海⾃P1哨戒機への⽕器管制レーダー照射について、改めて強く抗議するとともに、韓国側に対し、この事実を認め、再発防⽌を徹底することを強く求めます。
 ⼀⽅で、韓国側に、相互主義に基づく客観的かつ中⽴的な事実認定に応じる姿勢が⾒られないため、レーダー照射の有無について、これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に⾄らないと考えられることから、本件事案に関する協議を韓国側と続けていくことはもはや困難であると判断いたします。
 その上で、⽇韓・⽇⽶韓の防衛協⼒は、北朝鮮の核・ミサイル問題をはじめ、東アジア地域における安定的な安全保障環境を維持するために極めて重要であり、不可⽋であるとの認識に変わりはありません。本公表が、同種事案の再発防⽌につながることを期待するとともに、引き続き、⽇韓・⽇⽶韓の防衛協⼒の継続へ向けて真摯(しんし)に努⼒していく考えです。
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