「持ち家VS賃貸論争」は賃貸側の資産運用が考慮されていない

持ち家と賃貸どちらが得か? 直近10年間では「3000万円」の差も(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース
先日、みんな大好き「持ち家VS賃貸論争」の記事が上がってました。この記事では持ち家が圧倒的に得という結論ですが、さすがにこれはフェアじゃないと思うんですよね。なぜなら、賃貸側は何の資産運用もしていない前提で語っているから。

上記の記事のコメント欄を見ると、「修繕費、固定資産税、隣人トラブルを考慮してないだろ」という批判で溢れかえっているのですが、これらはどれも本質的じゃないです。隣人トラブルは置いておくにしても、修繕費、固定資産税は賃貸の場合家賃に含まれるので、別にこれらがあるからといって持ち家が不利というわけではないです。

最も批判すべき点は、持ち家側は自宅という不動産に投資しているのに、賃貸側は何の投資もしてない前提なところでしょう。この前提なら持ち家側が得になるに決まってます。

賃貸に住むなら、家を買わずに浮いたお金を株式投資に回して運用するということもできるはずです。つまり「持ち家VS賃貸」って、結局は「不動産投資VSその他の投資」というわけです。直近10年なら、不動産じゃなくて株に投資してもかなり利益が出てるはずです。

・・・

ちなみに私はやや賃貸派ですね。理由は不動産投資より株式投資のほうがいいと思ってるから。もし現金一括で家を買えるだけのお金があるなら、賃貸に暮らしてそのお金を株式投資に回します。

逆に、お金がなくて家賃を払いつつ株式投資なんて一生無理ですという人なら、家を買ってもいいと思うんですよね。もちろん住宅ローンを組んで。

手持ちの資金がないから住宅ローンを組んで(レバレッジを効かせて)家の買うのと、手持ちの資金がないから賃貸に住んで信用取引で株を買うのは、投資先が違うだけでやってることは同じですが、住宅ローンが借金として優秀なのと、信用取引が長期投資と相性が悪く難易度が高いことから、前者のほうがいいと思います。

また、持ち家に住むというのは、不動産投資でいうところの「空室リスク」なく、自分が住んでいる限り家賃収入が保証されているとも考えられるので、不動産投資としては悪くないと思うんですよね(この辺は「帰属家賃」という考え方を用いれば分かりやすい)。加えて、最悪地価が暴落して家計が債務超過になるような大失敗な投資になったとしても、自分で住み続けてかつローンが払えるなら関係ないですから。

賃貸暮らしで何の資産運用もしないなら、お金が出て行くだけで本当に何も残らないので、それなら家を買ったほうがいいと思います。

ということで私の結論としは、お金に余裕があるなら賃貸暮らしで株式投資、お金がないなら住宅ローンを組んで家を買ったほうがいいということです。

ただ後者の場合「同じ家にずっと住み続けるなら」という前提があるので、購入後短期間で引越しせざるを得ない状況になったり、災害で家が破壊されたりしたらむしろ損する可能性がありますが、投資というものはリスクが伴うものなので、その時は潔く諦めましょう。



0 件のコメント :

コメントを投稿